法的な手段として、Googleマップのクチコミを消す方法は、大きく分けて次の2つがあります。
1 プラットフォームであるGoogle社に削除してもらう
2 投稿者に削除させる
1の方法はGoogle社の(プラットフォームとしての)削除義務を問題にするものです。
これには2つの手段をとることができます。
⑴ 削除申請フォームからの削除申請(任意請求)
⑵ 日本の裁判所での裁判手続(仮処分など)
⑴の手段は、被害者であれば誰でもでき、かつ、裁判をしないので費用もあまりかかりません。
そのため、Googleマップの口コミ削除をしたいときにはまず検討することに手段です。
ただ、Google社は独自の削除基準を設けており、この削除基準は日本の裁判所の基準よりはハードルが高く設定されていると思われます。
そのため、Google社が削除申請に素直に応じるケースはあまり多くないというのが現実です。
⑵の手段は裁判手続であり、弁護士に依頼することになることがほとんどでしょう。
日本の裁判所が削除を認めた場合、Google社はそれに従います。
ただ、Google社は米国企業です。
そして、米国企業に対する日本での裁判手続には一定の制約があります。
また、裁判手続ですから、裁判所に削除が相当であると認めてもらう必要があり、これが意外に高いハードルとなることも多くあります。
次に、2の方法について解説します。
2の方法は、投稿者本人の削除義務を問題とするものです。
ただ、Googleマップのクチコミ投稿は匿名で行われることがほとんどで、投稿者の連絡先などは公開されていません。
そのため、まずは投稿者を特定する作業が必要となります。
投稿者を特定する手段は、次の2つがあります。
① 日本の裁判所での裁判手続(仮処分・訴訟)
② 米国の裁判所での裁判手続(ディスカバリー制度)
①の手段でも特定は可能ですが、やはり米国企業に対する日本での裁判手続ということで一定の制約があります。
また、Google社から開示を受けられる情報も限られていますので、投稿者特定が成功する可能性はあまり高くないというのが現実です。
②の手段は、米国弁護士の協力のもと、米国裁判所で手続を行うものです。
一定の費用はかかりますが、①の手段よりも早く判断が出ますし、Google社から得られる情報も比較的豊富です。
①又は②の方法により投稿者を特定した後は、投稿者に対して削除を要請します。
投稿者がこれに従わない場合は、削除や損害賠償を求める訴えを提起することになります。
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