個人情報の開示、訂正、消去・・ 改正個人情報保護法によってできること

長らく議論されてきた改正個人情報保護法が平成29年春頃に施行されます。

改正個人情報保護法によって、私たちの個人情報に対するコントロール権がより強化されました。

そこで今回は、改正個人情報保護法によって私たちができるようになることを整理してみたいと思います。

 

1.個人情報(保有個人データ)の開示請求


個人情報保護法によってできるのは、”自分自身”の個人情報(保有個人データ)の開示請求です。

医療機関信用情報機関が典型的な請求の対象ですが、その他にも、住所や氏名、クレジットカード情報などを取得するウェブサービスについても開示請求の対象となります。

開示請求は「個人情報取扱事業者」が相手方となりますが、今回の改正によりいわゆる「5000人以下の要件」が撤廃されたため、これまでより多くの事業者が開示請求の対象になります。

また、今回の改正で、開示請求の「訴訟」を提起することができるようになりました。事業者にとっては訴訟リスクが発生しますから、開示請求への対応にも変化が生じるのではないかと思います。

 

なお、他人の個人情報の開示請求はできません。(誹謗中傷やプライバシー侵害の犯人の個人情報を得るためには、個人情報保護法ではなくプロバイダ責任制限法による手続が必要です。)

 

2.利用目的の開示請求


”自分自身”の個人情報(保有個人データ)がどのような目的で利用されているのか、という「利用目的」の開示を請求することもできます。

個人情報そのものの開示とともに、利用目的の開示も請求することで、自分のどのような個人情報がどういう目的で保有・利用されているかが分かります。

なお、この「利用目的」の開示請求については、「訴訟」を提起することはできないと考えられています。

 

3.「事実と異なる」ことを理由とする訂正、追加、削除請求


個人情報とその利用目的の開示によって、記録されているデータが事実と異なることが判明した場合、その訂正、追加、削除を請求することができます。

例えば、信用情報機関が保有しているデータに誤りがあり、それによって不利益を受けている場合には、この請求をすることができます。

「事実と異なる」ことを理由とする請求ですから、この請求の際には虚偽であることを証明する必要があります。

なお、この訂正、追加、削除請求についても、今回の改正で「訴訟」を提起することができるようになりました。

 

4.「利用目的違反」又は「不正取得」を理由とする利用停止、削除請求


個人情報とその利用目的の開示によって、その利用目的以外に個人情報が使用されていることが判明した場合、利用停止削除の請求ができます。

また、「偽りその他不正の手段」によって個人情報が取得されていることが判明した場合にもこれらの請求ができます。

身に覚えのないダイレクトメールが届いたり、自分の知らないところでサービス登録がされているような場合には、これらの請求が検討されます。

単に「個人情報をもう消してほしい」という理由では削除請求はできませんが、明らかに利用目的が達成された後であるにもかかわらず保有を続けているような場合には、削除請求ができる場合があります。

なお、この利用停止、削除請求についても、今回の改正で「訴訟」を提起することができるようになりました。

 

自分の情報は自分でコントロールする時代に


インターネット時代において、個人情報を取得される機会が増え、知らないところで自分の個人情報が利用されるケースが増えてきました。

そんな現状において、今回の個人情報保護法の改正は「自分の情報は自分自身でコントロールすべき」というメッセージなのかもしれません。

この是非はともかく、自分の個人情報の取り扱われ方は自分で考え、行動することが必要な社会となりつつあります。

ただ、そのような検討はひとりでは難しいものです。個人情報でお困りのときは、一度専門家に相談されることをお勧めします。

 


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