自社がリリースしたアプリが、他社のアプリをパクった(著作権侵害がある)として警告書(通知書)が来ました。どう対応すればいいですか?
相手が「著作権侵害がある」と主張する根拠は何か確認しましょう。共通部分がそもそも認められない場合や、「全体の雰囲気が何となく似ている」程度では著作権侵害は成立しません。
確かに共通部分はありますが、相手方のアプリなんて初めて知りましたし、参考にもしていません。このような場合でも、著作権侵害になってしまうのでしょうか?
いいえ、著作権侵害にはなりません。
著作権侵害が成立するためには、既にある作品に「依拠(基づくこと)」が必要ですから、偶然同じものが出来たとしても著作権侵害は成立しません。この「依拠」に関しては、どの程度似ているのか、相手方のアプリはどの程度有名か、といった事情のほか、アプリ作成の時期などから判断されます。
既存のアプリを参考にしていたので、共通する部分がありました。こちらは著作権侵害になってしまいますか?
必ず著作権侵害になるわけではありません。
共通部分が「ごくありふれた表現」であったり「アイデア」に過ぎない場合は、著作権侵害になりません。
「ごくありふれた表現」の具体例はどのようなものがありますか?
テキストでいえば、「レベルアップ」「クリアー」「ここをタップ」などが典型例です。画像で言えば、単純な四角や丸などの図形や、色が同じ場合などでしょう。画面のレイアウトに関しても、特徴的なものでない限り「ごくありふれた表現」にあたります。
これらの他、もう少し発展したものでも「ごくありふれた表現」の範囲に含まれますが、実物を見てみないと判断できないものも多いので、困ったら専門家に相談しましょう。
「アイデア」が共通している場合とは、どのようなときですか?
ゲームのルールやアプリで達成できること(目的)が同じというような場合です。アプリ内でのユーザーの導線や、課金の仕組みも多くは「アイデア」の範疇でしょう。ただし、同じ「アイデア」であっても、類似したテキストや画像を使っている場合、著作権侵害の可能性は高くなります。
著作権侵害が疑われる場合は、必ず相手方の主張する額の損害賠償を支払わなければいけませんか?
いいえ。
特に交渉の場合、損害賠償額は多くふっかけてくることがあります。著作権侵害の場合の損害額の計算はある程度法律で決まっていますから、仮にこちらに著作権侵害が疑われる場合でも法律に基づいて計算した額をベースに交渉していくことが必要です。
この種の事例では、そもそも著作権侵害が認められないという事例も少なくありませんので、警告書(通知書)が来た場合、やはり一度は専門家に相談するべきでしょう。
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