サイトをパクられたときの対処法①:著作権侵害になるか判断|濾過テストとは?
先生、どうやらウチのサイト、他に真似されたっぽいんですけど・・・。
ホントですか?
はい。せっかくサイトのアクセスも増えてきたのに。こんなことされたら困ります。
どうしても懲らしめたいです。先生、すぐに犯人を訴えてください。
まあまあ、ちょっと落ち着いてください。サイトを真似されたと思ったら、まずはそれが著作権侵害にあたりそうかを考えないと。
どういうところが似てるんですか?
ええと・・まあ全体的にというか、雰囲気的に?
それだとちょっと、権利主張をするには分析が足りないですよ。
分析の仕方なんて、あるんですか? 教えてください。
はい。落ち着いてしっかり分析してみましょう。
まずは、何が共通してるか、その共通部分を抽出してみることです。
共通部分を抽出・・・ですか。
はい。「なんで似てると思うのか、具体的に言葉にしてみる」と言い換えてもいいかも知れません。例えば、「この部分に使っている色が同じ」とか「このボタンの形が同じ」とか「この文章は「てにをは」を変えただけ」とか、そんな感じです。
なんとなくやることは分かりました。
それで次に何をするんですか?
そうやって抽出した共通部分をみて、それが「著作権が認められる『表現』かどうか」を考えてみるんです。
え? どういうことですか?
著作権が認められるのは、「作者の個性が表れた『表現』」に限られるという話はしましたよね?
はい。
『アイデア』とか『ごくありふれた表現』に著作権は認められないって話ですよね?
そうです。だから、共通部分が「作者の個性が表れた『表現』」といえてはじめて、著作権侵害が成立するんです。
共通部分が『アイデア』や『ごくありふれた表現』に過ぎないときは、いくら”似て”いても著作権侵害にはなりません。
なるほど。『アイデア』とか『ごくありふれた表現』って、そうやって使うんですね。
例えば、「ボタンの形が同じ」という共通部分があったとして、そのボタンの形が特徴的なもの(作者の個性が表れたもの)だったら著作権侵害ですが、単純な長方形であれば『ごくありふれた表現』として著作権侵害とはいえないでしょう。
ふむふむ。
また、文章に共通部分がある場合、特徴的な文章表現が共通していたら著作権侵害でしょう。でも、同じ内容を説明しているだけで、文章の表現としては全然違うのでしたら、それは『アイデア(内容)』のレベルで共通しているに過ぎません。
なんとなくは分かりました。
でも、今回の話はちょっと難しいです・・・。
「著作権侵害かどうか」の判断はどうしても専門的な作業になってしまいますからね。
でも、共通部分を抽出してみるというのは大切なポイントですので、何かを真似されて困ったと思ったら、ぜひ参考にしてみてください。
【解説】
(1) 「パクられた!」と思ったら
何となく雰囲気が似ているだけでは、著作権侵害は成立しません。
また、その程度で相手方に対して権利主張を行ってしまうと、かえって自分の評判を落としかねません。
著作権は表現に関する権利ですから、無理な権利主張をし続けていると、
「不当に表現を独占しようとしている」
「他者の表現の自由を無視している」
などの印象を抱かれるためです。
そのため、著作権の権利主張を行う場合には、ある程度突き詰めた分析を行うことが必要と考えます。
(2) 「濾過テスト」という手法
ホームページを真似されたという事案では、複製権か翻案権の侵害を検討するのがほとんどでしょう。
その場合、著作権侵害かどうかの分析を行うには、「共通部分を抽出してみる」というのが最も有効です。
その上で、その共通部分が「作者の個性が表れた『表現』」なのか、それとも『アイデア』や『ごくありふれた表現』に過ぎないどうかを検討します。
この手法を、専門用語で「濾過テスト」といったりします。
なお、複製権でも翻案権でも検討する内容は同じですので、この場合、複製権か翻案権かの区別は必要ないといえます。
なお、画像の転載とか、ある程度長さのある文章をそのままデッドコピーしているような場合は、この「濾過テスト」など行うまでもなく著作権侵害でしょう。
そして、検討の結果、著作権侵害だと判断できる場合、次に「引用」などの著作権制限規定が適用されないかの検討に進むことになります。
(3) 一度は相談するべき
もっとも、『アイデア』や『ごくありふれた表現』あたりの判断は非常に難しくなる場合があります。
また、権利主張の方法や、裁判になったらどうなるかなど、全体の見通しを立ててから初手を打つのが、紛争を有利に進めるうえで有用です。
そのため、著作権侵害の対応に関して、一度は専門家に相談されることが必要でしょう。
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「利用許諾」の持つ意味とは?利用許諾契約書に記載する内容について解説
今までたくさんコンテンツを作ってきたんですけど、中には結構評価されているものもあって。最近では、コンテンツの利用許諾のお願いもされるんですよ。
すごいじゃないですか。
なので今回は、利用許諾ってどう与ればいいかを聞きたいんですよ。契約書に何を書くかを教えてもらえれば・・。
分かりました。まずは、どのコンテンツについて許諾するのか、コンテンツを特定しますよね。次に料金の明記です。
そのくらいは、普通に書きますよ。
次に、契約のキモである「利用を許諾する」っていう条項ですけど、これは「どういう利用を許すのか」をできるだけ具体的に書く必要があります。
どういうことですか?
作品の利用方法って、いろいろあるじゃないですか。「複製」とか「翻案」とか。それで、利用許諾するときって、どんな利用をしてもいい訳じゃないですよね。
そうですね。
そうすると、「どういう利用を許すのか」はきっちり書いておかないと、後でトラブルになり得ます。「こういう利用は当然できると思ってた」とか「こういう利用はしないで欲しかった」みたいな。
なるほど。
許諾の範囲を超えた利用は著作権侵害になりますので、どちらの当事者にとっても影響が大きいです。だから、この点はしっかり話し合って決めてください。ざっくり「利用を許諾する」としか書いていないと、トラブルになったとき大変ですから。
分かりました。
あとは、利用許諾が独占的なものかどうかも大事です。
独占的・・って何ですか?
同じコンテンツを他の人にも利用許諾していいかってことです。基本的に、許諾をもらう方は自分だけが利用したいと思うでしょうし、権利者の方は同じコンテンツをたくさんの人に許諾できたほうが利益になりますよね。だから、これはちゃんと話し合う必要があると思います。
なるほど、そういう事ですか。
他に大事なものとしては、利用期間ですかね。利用許諾は継続的な契約なので、しっかり期間は決めておきましょう。半年とか1年とか。また自動更新するのか。それと、解約はどのくらい前に通知すべきかとかも必要ですね。
結構大事なものが多いですね・・。
あとは、実際の契約内容によります。許諾するコンテンツによっても必要な条項は違いますので、一概にはいいづらいですね。契約書は法律の文章なので、難しい場合や判断ができない場合は、相談しに来てくださいね。
【解説】
(1) 「利用許諾」の持つ意味
利用許諾を与える場合、契約書などを作成することが一般的です。利用許諾を法律から見ると、これは自分が著作権を持っている作品について「あなたがその利用をすることについては、著作権の主張をしないよ」という権利者のスタンスです。原則は禁止のところに、利用していい部分を例外的に与えるものです。
利用許諾がこのようなものであるからこそ、契約の条件はきちんと決めておかなければなりません。利用できる範囲が不明確だと、トラブルが生じやすくなります。許諾された範囲を超えた利用は、著作権侵害になるためです。
(2) 契約書には、何を書く?
著作権の利用許諾契約で定めることは様々ですが、思いつくものをあげると次のとおりになります。
・利用を許諾する旨の条項(独占的利用許諾の場合は、その旨)、許諾する利用の内容
・ライセンス料、支払方法、支払時期
・禁止行為
・著作権の帰属(著作権が譲渡されないことの確認)
・著作者人格権について
・契約期間(自動更新がある場合は、その旨など)
・中途解約について
・即時解約条項
・損害賠償について
・裁判管轄
(3) 利用許諾契約にとって大事なこと
利用許諾契約書に記載する内容は、どういう利用をするのかということや、許諾するコンテンツの種類によっても変わってきます。そのため、契約書の作成にあたっては、許諾する利用の内容や、禁止行為を具体的に挙げていくことで許諾の範囲を正確に表現することが望ましいといえます。とはいえ、契約書は法律の文書となりますので、難しい条件を付ける場合や、どう表現して良いか分からない場合は、専門家に相談しましょう。
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不正インストールは刑事罰や損害賠償請求になる|疑われたときの対処法は?
サイトを作るためにいろいろソフトを買うんですけど、安くはないんですよね。
ウェブサイトを作るために必要なソフトとか、揃えようと思ったら種類もたくさんありますからね。
そうなんです。それで、少しでも安く買おうとオークションとかも見ているんですけど・・。やたら安いのが売ってたりするんですよね。ああいうのって大丈夫なんですか?
正規品だったら問題ないでしょうけど、極端に安いものは非正規の可能性が高いでしょう。
そういうのは、使ったらダメなんですよね?
もちろんです。ソフトのインストールって、著作権的には「複製」にあたるんですよ。非正規のものは権利者から正式に許諾を受けたものとはいえないので、不正インストールは無断「複製」していることになります。
やっぱり、著作権侵害なんですか。
でも、ばれなきゃいいやって、使ってるところも結構ありそうですけど。
そういうのも絶対やめた方がいいですね。「ACCS」や「BSA」などの団体が不正コピーの通報制度を設けたりしていますし、各メーカーでも対応しているようですから、ばれないと考えるのは無理でしょう。
ばれるとどうなるんですか?
刑事罰が科せられることがあります。10年以下の懲役または1000万円以下の罰金ですね。また、企業ぐるみで不正インストールをしていると、その企業にも3億円以下の罰金が科せられることがあります。
結構厳しいんですね。
刑事罰のほか、権利者から損害賠償も請求されます。
こういう場合の損害賠償の額は大きくなります。絶対に「最初から正規品を買っていれば良かった」と思う額になるんですよ。
そしたら、やっぱりちゃんと正規品を買った方がいいですね。
刑事罰とか損害賠償請求を受けるリスクを負うよりは絶対正規品を買った方がいいですよ。
それに、非正規品を使っていると企業のイメージも悪くなりますからね。
【解説】
(1) 不正インストールのリスク
ソフトウェアはデジタルデータでできている関係上、コピーや配布等を容易に行うことができます。
しかし、このような性質を悪用し、ソフトウェアを不正にコピーし配布を行っている者も存在します。
このようなソフトを利用するなど法的に許されない形でのインストールをすることが「不正インストール」の問題として、社会的に問題視されています。
不正インストールを行うと、刑事罰や損害賠償請求を受ける可能性があります。
ばれなければ問題ない、などという態度で不正インストールを行う者もあるようですが、各メーカーは対策を行っていますし、そのような行為を通報する機関も設置されているため、ばれないなどと考えることはやめましょう。
特に、近年では各メーカーの不正インストールに対する態度は厳しく、損害賠償請求も高額になります。この場合の損害賠償請求は、後から正規品を買ったから免れるなどということはありませんので、不正インストールはそもそも行わないようにすべきでしょう。
特に損害賠償請求に関して、「非正規品とは知らなかった」という言い訳はほとんど通らないでしょう。
オークションなどで極端に安い価格で販売されているようなものは、仮に「正規品」とうたわれていたとしても、非正規品の可能性が残るからです。
このような場合、正規品だと思って買った点をみれば騙されたともいえますが、非正規品の可能性があるものを買ってインストールしている以上、それは著作権侵害について「過失」があると評価されます。
結局、非正規品の可能性が残る商品には、最初から近づかないことを強くお勧めします。
(2) 不正インストールを疑われてしまったら?
もっとも、いくら管理を徹底していても、社員が勝手に不正インストールを行ったりする場合もあります。
そのような事情で権利者から損害賠償請求等がなされると、もはや法的紛争になってしまい、対応が非常に難しくなります。
権利者からの請求がなされた場合、対応次第では必要以上に自社を不利にすることもありますので、早急に専門家に相談するべきでしょう。
不正インストールに関する解説記事についてはこちらをご覧ください。
著作権の保護期間はいつ切れる?雑誌や連載モノにも保護期間はあるのかについて解説
そういえばこの前、著作権切れの作品を使うみたいな話をしましたよね。日本のものだったら、作者の死後50年で使えるようになるって。
基本的にはそうです。でも、全部がそういう訳じゃないんですよ。
やっぱりそうですよね。グループで出してる作品とか、どうなるんだろうって思ったんですよ。
じゃあ、今回は著作権の「保護期間」について簡単に整理しましょうか。
お願いします。
まず、著作権は作者が作品を作ったときから発生しますよね。それで、作者が生きている限り著作権は消滅しません。また、保護期間が進行することもありません。
じゃあ長生きすればお得だってこと?
そうです。それで、保護期間の進行が始まるのは作者の死亡からですが、死んだその日からという訳ではありません。法律に特別の規定があって、保護期間の進行が始まるのは、作者が死んだ「次の年」の1月1日からになっているんです。
年の前半に亡くなった方が得なんですね。
そういうことになります。それで、そこから保護期間が進行して原則50年後に終了します。
グループで出してる作品はどうなるんですか?解散してからですか?
そうなると、著作権が永遠になくならない可能性がありますよね。若いメンバーをどんどん入れれば、グループ自体はなくなりませんから。
確かに。
グループとか、そういう団体名義で出された作品については、公表されたときからになります。会社名義で出されたときもこれです。
公表されたときからですか。
はい。ただ、これについても死亡のときと一緒で、公表された「次の年」の1月1日からになりますけど。
なるほど!そしてそこから50年ですね。
そうです。ただ、例外があって、「映画の著作物」だけは70年です。法律で決まっていて。
へー。映画はちょっと長いんだ。
日本の著作権の保護期間について、キホンを簡単に整理するとこんな感じです。他にも「これってどうなるの?」ってものもあると思いますが、そういうのはその都度聞いてください。
【解説】
(1) 著作権には保護期間がある
著作権には保護期間があります。これが経過すると、著作権の保護はなくなってしまいます。永遠に保護される訳ではありません。その理由については様々ありますが、作品は自由に利用できた方がその後の文化の発展につながることや、あまり著作権の保護を強くしてしまうと、かえって後発の創作に悪い影響を与えるということ等があげられています。
著作権の保護期間を簡単にまとめると、次のような表になります。
| 著作物の種類 | 保護期間 |
| 実名(周知の変名を含む)の著作物 | 死後50年 |
| 無名・変名の著作物 | 公表後50年(死後50年経過が明らかであれば、そのときまで) |
| 団体名義の著作物 | 公表後50年(創作後50年以内に公表されなければ、創作後50年) |
| 映画の著作物 | 公表後70年(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年) |
(公益社団法人著作権情報センターウェブサイトより)
注意しなければならないのは、作者が亡くなったその日や、作品が公表されたその日から保護期間が進行する訳ではないことです。保護期間が進行を始めるのは、亡くなった日や公表した日の「次の年」の1月1日からです。
(2) 雑誌や連載モノは?
少し特殊な保護期間があるものとして、「継続的刊行物」と「逐次公表著作物」があります。前者は日刊新聞やファッション雑誌のように各号・各冊があるものです。後者は連載小説や連載漫画のようなものです。「継続的刊行物」については各回の公表時、「逐次公表著作物」については最終部分の公表時が、作品の「公表時」とされます。
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WEBサイトの管理体制はどのような運用をすれば適切なのかについて解説!
それじゃあ、サイト管理者がやっておかなきゃいけないことを教えてください。
わかりました。まず、著作権侵害のコンテンツがあると、権利者がそれを見つけて、「私の著作権が侵害されてます」って言ってくることになりますよね。ほとんどの場合、同時に違法コンテンツを消してほしいといわれます。
でしょうね。
でも、どういう意味で著作権侵害なのかは権利者じゃないとわからないですよね。アップロードに同意していたかも知れないし、著作権が譲渡されていたかも知れない。それに、通知が本人からされたものかどうかも、通知だけではわからない。成りすましの可能性がありますから。
分かります。
なので、著作権侵害の通知に対応する際には、権利侵害の具体的な理由を説明してもらうことと、本人確認をすることが必要です。
ええと、そのためにはどうすればいいですか?
権利侵害の説明については、権利者に通知の際に文章で説明してもらうようにすることです。本人確認については、通知書に実印を押してもらうと同時に、印鑑登録証明書を送ってもらうことが考えられます。
そこまで?ちょっと面倒な手続きですね。
法的リスクを小さくするためですから。
それで、権利侵害も説明してもらって、本人確認もできたら、次はコンテンツを投稿したユーザーに、削除請求が出ていることと、それに反論があるかを聞くことになります。
今度は投稿した人に対して聞くんですか?
はい。それで、投稿者が削除に同意するか、連絡して7日経過しても何も反論がない場合は、そのコンテンツを削除してしまって大丈夫です。
反論されたら、どうすればいいんですか?
その場合には両者の意見を総合して、削除するかどうかを決めます。
えー、そんなの決められないですよ。
常識的な判断であれば大丈夫なので、自信を持ってください。どうしても判断できない場合は、専門家に相談するべきですけど。
わかりました。
あ、途中でちょっと分からなかったことがあるんですけど・・投稿した人の連絡先って、分からないこともありませんか?
もちろんあります。そういう場合は、投稿した人に連絡できないので、権利侵害の通知書から判断して、削除するかどうか決めることになります。
そうですか・・。そういうときもちょっと難しくなりそうですね。
以上が法律に基づいた管理体制です。この流れをスムーズにするために、違法コンテンツに関する窓口やメールフォームを設置したり、通知方法や必要書類を説明したページを作るのがいいでしょうね。
分かりました。
でも、これは法律に基づいた管理体制ですので、工夫の余地もあります。例えば、利用規約で「サイト管理者の判断でいつでもコンテンツの削除ができる」としておくとか。こうしておけば、それはサイトのルールになりますので、コンテンツを削除されても投稿者は権利侵害を主張しづらくなります。
おお、なるほど。
あとは定期的にサイトを巡回して、明らかに著作権侵害のものはどんどん削除してしまう。そういうコンテンツまでさっきの流れで削除しなければならないのは面倒ですし、権利者から通知が来たときの対応って意外と大変ですから。
確かに。面倒なことが省けるのはいいですね。
管理体制はいろいろあり得ると思います。そのサイトに投稿されるコンテンツの種類によってリスクも違いますので、法律に基づいた管理体制をベースに、自社のサービスに合った管理体制を作っていくのがいいでしょう。
【解説】
(1) とっても重要な「管理体制」
前回説明したとおり、ユーザー投稿型サイトにおいては、違法コンテンツが投稿されることにより、サイト管理者の法的責任を問われることがあります。しかしながら、違法の可能性が少しでもあるコンテンツを全部削除すると、コンテンツは全く充実せず、魅力的なサイトにはなりません。また、そのような対応では、かえって投稿者の側から「表現の自由」を侵害されたとして損害賠償を請求されるリスクもあります。そのため、ユーザー投稿型のウェブサービスを運営するにあたっては、適切な管理体制の構築を目指すことが不可避でしょう。
(2) 管理体制構築のためのルール
管理体制の構築にあたっては、いわゆる「プロバイダ責任制限法」に基づいておこなうことが必要です。この法律は少し読みづらい部分もありますが、大まかな流れは今回の話で説明したとおりです。また、この法律については詳細なガイドラインがありますので、詳しい情報を得たい場合は、そのサイト(http://www.isplaw.jp/)を参照してください。
(3) 工夫して自社サービスに合った体制を
なお、管理体制を工夫することも可能です。例えば、「サイト管理者の判断でコンテンツをいつでも削除できる」ということを利用規約に規定することがあります。これにより、投稿者はコンテンツの削除に対して法的主張を行いづらくなります。
もっとも、このような規定も「消費者契約法」などで制限されることがありますので、この規定を設けたからといって一切責任を負わないという訳ではないことに注意しましょう。
その他、サイトを定期的に巡回するとか、投稿ページに「違法コンテンツはアップロードしないでください」などの注意書を置いておくとか、そういうことでもサイト管理者の責任が軽減されることがあります。
ただ、やはりサービスによって求められる管理体制は異なりますので、法律を踏まえつつ、自社サービスに合った管理体制の構築を目指すことが必要でしょう。
「WEBに関わる法律講座」の運営元である四谷コモンズ法律事務所では、投稿型サイト等の管理者向けのサービスを提供しております。問題が大きくなる前に、ぜひ本サービスをご利用ください。
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ユーザー投稿型サイト運営の著作権リスクとは?|サイト管理者の責任はどうなるの?
コンテンツを投稿してもらうとしても、変なコンテンツばっかり集まったらイヤですよね。
そうですね。著作権侵害の違法コンテンツとか、投稿されたくはないですね。
実際、動画サイトにテレビ番組とかがアップロードされていることありますけど、あれってどうなんですか?
アップロードしたユーザーは、著作権侵害をしていることになるでしょうね。
サイトの管理者はどうなるんですか?ユーザーが勝手にやったことだから、責任を負わないってことでいいんですか?
いや、そういう事にはなりません。場合によっては、サイトの管理者も責任を負うことがあります。
えー、でもユーザーが勝手にやったことですよ?
それはそうなんですけど、違法なコンテンツでサイト管理者が利益を得ている場合もありますからね。
どういうことですか?
違法なコンテンツって、どうしてもアクセスを集めやすいじゃないですか。タダで映画やテレビ番組が観れたりするので。法的には絶対ダメなんですけど。それで、アクセスが集まると、そのサイト管理者も利益を得るでしょう。広告を貼れば広告収入も期待できますから。
確かにそうですね。
だから、サイト管理者が違法コンテンツを削除しないという事態も考えられるんです。そうなってくると、やっぱりサイト管理者は関係ないとはいえないですよね。そういう事案で、実際にサイト管理者の損害賠償責任が認められた裁判例もあります。
でも、アップロードされたコンテンツを全部チェックするのは難しいですよ。投稿が多くなればなるほど。
なので違法アップロードがされたときに管理者が必ず責任を負う訳ではないんです。そのことは、「プロバイダ責任制限法」という特別な法律で定められています。
そうなんですか。じゃあ、サイト管理者はどうすればいいですか?
それについては結構長くなるので、次の機会に説明しますね。
【解説】
(1) ユーザー投稿型サイト運営の著作権リスク
ユーザー投稿型サイトを運営する際、最も気を付けるべきリスクの一つが、ユーザーから違法コンテンツ(著作権侵害のコンテンツなど)をアップロードされることでしょう。これにより、サイト管理者に法的責任が発生する場合があります。基本的に、違法なコンテンツがアップロードされたとき、責任を負う者は実際にアップロードしたユーザーです。しかしながら、場合によってはサイト管理者が著作権侵害を行っていると判断されることがあります。
(2) 「間接侵害」という考え方
自分自身が著作権侵害の行為を直接行っていなくても、間接的にその行為に関わることによって、自身も著作権侵害の行為を行っていると評価されることがあります。著作権の「間接侵害」といわれる問題です。どのような場合に、自分も著作権侵害の行為を行っているとされる(「間接侵害」とされる)かは、様々な事情によって判断されます。その方法については議論されているところですが、次の事情が重視されていることは間違いありません。
① 著作権侵害の行為を管理していること
② 著作権侵害の行為により利益を得ていること
これは、著作権の世界では有名な「カラオケ法理」と呼ばれるものです。過去にはこの2つが決定的なものと考えられていたようですが、現在ではこれ以外の事情も考えて判断するのが一般的です。
なお、この2つだけで判断することとしても、ユーザー投稿型サイトの管理者は、「間接侵害」とされる可能性があります。
違法コンテンツは自社サービスの中で投稿されたものですし、通常はそのコンテンツを削除することもできますから、サイト管理者が著作権侵害の行為を管理しているといえます(①)。また、違法コンテンツによってアクセスを集めていることから、これにより利益を得ているとも考えられるためです(②)。
(3) 責任は軽減されている
サイト管理者が責任を負う場合があるといっても、すべてのコンテンツをチェックすることは難しい場合もあります。そのため、あまりに厳しい責任を負わせると、かえってインターネット上の情報交換の妨げになります。
そのため、サイト管理者などはいわゆる「プロバイダ責任制限法(正式名称:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」によって、責任がある程度軽くなっています。この法律を意識してウェブサイトを管理運営することが、法的リスクを減らすカギになるでしょう。
実際にどのような方法をとるべきかは、次の回で説明します。
「WEBに関わる法律講座」の運営元である四谷コモンズ法律事務所では、投稿型サイト等の管理者向けのサービスを提供しております。問題が大きくなる前に、ぜひ本サービスをご利用ください。
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投稿されたコンテンツの著作権は誰が持っている?
コンテンツを自分たちで増やすのは大変なので、コンテンツをサイトの利用者に投稿してもらう形はどうかと考えているんですよ。
文章とか画像を投稿してもらうってことですよね。
サイトの種類によってはいいアイデアだと思いますよ。
ただ、ちょっと疑問なのが、ああいう投稿されたコンテンツって、著作権はどうなるんですか?
それは、利用規約によるでしょうね。
あのサイトの利用条件がずらっと書かれているところ。
ああーありますね。
ユーザー投稿型のウェブサービスについては、著作権の話があそこに書かれていることが多いです。投稿されたコンテンツの著作権はユーザーに残るのか、それともサイトの管理者に移動するのか。
でも、あんなとこ細かくチェックしてませんよ?
チェックしやすくする工夫はするべきですけど、原則はあそこに書かれているルールが適用されると考えておいていいでしょう。なので、ユーザーに投稿してもらうのであれば、利用規約は整備しておいた方がいいですよ。
どういうルールを書けばいいんですか?
著作権は全部もらっちゃうという形でいいんですか?
いや、そういう形が絶対にいいという訳ではありません。
何でですか?
例えば、クオリティの高い作品を苦労して作った場合、その著作権は少なくともタダでは手放したくないですよね。そうなると、その作品を投稿サイトで公開することを考えたとき、著作権がとられてしまうサイトには投稿しないでしょう。
確かに。
著作権に厳しいルールを作ると、コンテンツの充実が妨げられることもあるんです。なのでやっぱり目的ですよね。投稿されたコンテンツで何を達成するか。単にアクセスを集めるだけなら、著作権はもらわなくてもいいと考えることもできますし。
やっぱり、何を達成したいかなんですね。
そうですね。投稿されたコンテンツを集めて、それを編集したものを販売しようと考えたら、著作権をもらうのは必要でしょうし。なので、サイトの目的から、著作権についてのルールも考えるべきでしょう。
【解説】
(1) 投稿されたコンテンツの著作権はどこへ?
サイトのコンテンツを増やす方法として、自分で作成することほか、ユーザーに投稿してもらう方法があります。この方法の利点は、なんといってもコンテンツ制作の労力が省けるというものでしょう。投稿されたコンテンツの著作権がどうなるかは、利用規約によって決まります。投稿された時点で著作権がサイト管理者に移動されると書かれているものも少なくありません。
利用規約があるサイトのサービスを利用する際は、原則として利用規約のルールが適用されると考えた方が無難です。利用規約の設置のされ方にもよりますが「利用規約なんて読んでなかった」という反論は、基本的には難しいと思われます。
なお、利用規約に著作権に関して何も書かれていない場合は、著作権はコンテンツの作者に残ると考えてよいでしょう。
この場合、投稿者(コンテンツの作者)はサイト管理者にコンテンツの利用を許諾していると解釈されます。
(2) どういうルールにすればいいの?
投稿されたコンテンツの著作権をどちらが持つことにするかというのは単純には決められない問題です。あまりに厳しいルールを作ると、コンテンツを投稿してくれる人がいなくなる可能性もあります。また、私的に楽しむためのものに関して、サイト管理者が著作権を持つようにすることも、あまりお勧めできません。
SNSの日記やTシャツの注文デザインに関して、サイト管理者がそれらの著作権を持つという利用規約が社会的に問題視されたこともあります。著作権のルールについては、企業の評判に影響することもあり得るのです。
結局、投稿されたコンテンツで何を達成したいのかを見極め、ルールを設定していくことが必要です。
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著作権以外で気をつけた方がいい契約書の項目は?契約書に書くべきことを紹介!
契約のときに決めるべきことで「著作権をどちらが持つか」とか、著作者人格権の「不行使特約」を教えてもらいましたけど、契約書のひな形をみるといろいろ書いてあるじゃないですか。他にはどういうことを契約書に書けばいいんでしょう?
実際の契約内容によって何を書くかも変わってきますが、一般的なものをあげるとすると・・。まずは、制作してもらう作品をきちんと特定すること。種類、数量、大きさとかもですね。納期も定めましょう。
その辺は、さすがに書きます。
次に納品の方法と、検査の流れですね。納品してもらったら、検査期間内に検査して、不備があればどうするのか、みたいな感じで。不備があったら直してもらうことを記載するのが一般的でしょうね。
なるほど。不備があったらトラブルになりそうですからね。
あとは再委託に関して。これは、相手が更に誰かに制作を依頼することに関してです。
そんなことってあるんですか?
たまにあります。でも、その人だから制作を依頼したのに、誰かに丸投げされたら困りますよね。だから、再委託は原則禁止にすることが一般的でしょう。
確かに。再委託は禁止することにします。
あとは、著作権の帰属をどうするにしても、当事者間でどうしてもこういう利用がしたいとか、こういう利用はして欲しくないとか、そういうことは記載しましょう。
わかりました。
中心的なものはこのくらいですかね。あとは、解除とか損害賠償とか、一般的な契約書に書かれていることを記載する。他に、制作してもらった作品がパクりだった場合の違約金とか、そういうのも考えられます。でも、これは相手との力の差もあるところなので、相手が飲むとは限りません。
えげつない条項もありってことですか?
状況によってはありです。でも、契約成立の妨げにもなり得ますので、ケースによりますね。パッと思いつくのはこのくらいでしょうか。他の契約書を参考にしながら、自分なりの契約書を作ってみるのがいいでしょう。
分かりました。ちょっとやってみます。
がんばってください。専門的な法律の知識が必要なときもありますので、難しい条件を付けたいとか、どう書いていいか分からないということがあれば気軽に相談してください。
【解説】
(1) 契約書に書くべきこと
制作依頼の契約書に関しては、決めるべきことがさまざまあります。思いつくものを列挙だけでも、次のようなものがあります。
・制作を依託し、それを受託する旨の条項
・委託料、支払方法、支払時期
・納期(遅延があるときの制裁を規定するときは、それも含む)
・納品方法
・検査方法および検査の流れ、欠陥があったときの対処
・再委託について
・著作権の帰属
・著作者人格権について
・著作権の移転時期(著作権を依頼者に帰属させる場合)
・中途解約について(制作中のものがある場合の処理も含む)
・即時解約条項
・損害賠償について
・裁判管轄
契約書の形式については、特別な決まりはありません。
一般的なひな形にあるような形式で、法的な効果は問題なく発生します。
ひな形自体はインターネットなどで簡単に手に入るので、いろいろ参考にしてみて、自分の好みにあったものをベースにしましょう。(なお、ひな形の内容をそのまま利用することが危険であることは、以前に説明した通りです。)
(2) 専門知識が必要な場合は相談を
契約によっては難しい条件を付けることがあり、その達成のためどのような条項を作るべきか理解が困難な場合があります。
また、いくら契約書に記載したとしても無効になる条項もありますし、有効ではあるけれども意味がないような条項もあり得ます。
具体的な文章をどうすればいいか分からないときや、どのような条項を作れば目的を達成できるのか分からない場合には、やはり専門家に相談することをお勧めします。
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著作者人格権ってなに?著作権を持っていても自由に使えない可能性があります
今まで聞いてきた感じだと、出来れば著作権はもらっておいた方がいいんですね。
常にそうとはいえませんが、そのほうが作品を利用できる範囲が広がることは間違いないでしょうね。
あれ、著作権をもらっておけば何でもできるんじゃないですか?
いや、何でもできるわけじゃないですよ。例えば契約書で、「著作権は譲るけど、こういう利用はやめてね」って記載されることもあり得ますし。それに、著作者人格権の問題もあります。
著作者人格権?前にちょっと聞いたやつですか?
そうです。著作者人格権は、作品に表れた作者の「人格」を保護するものでしたね。それで、①公表権、②氏名表示権、③同一性保持権の3つがあると。
何となくは覚えてます・・。
この著作者人格権って、他の人に売ったりできないんですよ。
だから、契約書とかに「著作者人格権も譲ります」と書いても無効なんですよね。
じゃあ著作権をもらっても、自由に利用できないってこと?
それだと困りません?
困ります。
特に③同一性保持権なんか、結構強い権利ですからね。
じゃあどうすればいいんですか?
そのために、著作者人格権の「不行使特約」を契約書に書いておくことが結構行われています。
ふこうし・・?
行使しないってことです。著作者人格権は作者に残るけど、それを使いませんよっていう合意です。
こういうケアをしておかないと、基本的には著作者人格権は自由に使えてしまうので。
ちょっと注意しないといけないんですね。
そうです。だから、契約書なんかを作るときは、著作権だけでなく、著作者人格権もしっかり意識して作らなければいけません。
【解説】
(1) 著作者人格権が顔をだすとき
作品を作った場合、作者には著作権だけでなく、著作者人格権も発生します。以前説明したとおり、著作者人格権は、①公表権、②氏名表示権、③同一性保持権を主な内容とする権利でした。そして、この著作者人格権は、他人に譲り渡すことができません。この権利は作者の人格そのものであって、人に渡せる性質のものではないからです。そのため、仮にこの権利を譲り渡す合意をしたとしても、それは無効と判断されてしまいます。
このような著作者人格権の性質が、権利関係や契約関係を少々複雑にします。契約書などでこの著作者人格権のケアをしておかないと、後にトラブルになったり、想定していた形の利用ができなくなったりするためです。そして、著作者人格権のうち、作品の利用に最も大きい影響を与えるのが③同一性保持権でしょう。これがある限り、作者の「意に反する」改変ができなくなるのです。
(2) 不行使特約とその注意点
このような不都合を回避するために実務上利用されているのが、著作者人格権の「不行使特約」です。これは、著作者人格権が作者に残ることを認めつつ、それを使うのをやめてもらうという合意です。このような合意で、当事者の間でトラブルが発生するリスクは減らすことができます。しかし、合意の効力はあくまで当事者にあるだけで、第三者にまで及ぶものではありません。
つまり、いくら「不行使特約」を結んだとしても、作者が第三者に対して著作者人格権を行使することは可能なのです。このように、「不行使特約」も万能ではないので、この点は注意しましょう。契約内容を決めるときには、著作者人格権を意識しつつ、自分が作品をどのように利用するかを見極め、それが実現できる内容を定める必要があるでしょう。
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【依頼者と制作者】著作権の影響範囲と帰属について解説|トラブルが起きた場合は?
前回の話、忘れてませんよ。著作権をどちらが持つかで何が変わるのか、教えてください。
やっぱり一番大きい違いは、その著作権を他人に譲れることでしょうね。
売ったり出来るってことですか?
そういうことです。売ってお金にできます。
あとは事業譲渡なんかのときにもスムーズですね。
事業譲渡?
・・・って何ですか?
会社とかで、運営している事業をそのまま人に譲ることがあるんですよ。そういうとき、著作権を持ってないと、事業譲渡の相手に著作権を渡すことができません。そうなると、相手はその作品を使えないことになります。
え、じゃあどうするんですか?
改めて利用許諾を権利者からもらう必要があります。でも、これだと手間がかかりますよね。
こういう手間も著作権を持ってたら省けます。
なるほど。
あとは、著作権を持ってたら他人に対して利用許諾もできます。
これだと、著作権を持ったままライセンス料をもらえますね。
何か、お金の話ばっかりですね。
著作権も財産ですからね。
お金の話以外だと、例えば作品の改変もできますよ。
あー、マンガ化したりとかですか。
そうです。これをやるには翻案権を権利者からもらうことを明確にする必要がありますが。
他にもいろいろあるんですが、こんな感じで、作品を作ってもらったあとそれをどう使うかで、著作権を持つべきかどうかが決まることになります。
逆に、著作権をもらうデメリットってあるんですか?
著作権までもらうとなると、代金は高くなりがちですね。作者からすると、基本的にその作品を利用できなくなりますから。
確かに、作者からしたらそれが嫌なときがありそうですね。
あと、大事な事を言い忘れてました。
著作権を持ってるのといないのとでは、何かトラブルが起こったときの対処が全然違います。
そうなんですか?
はい。例えば誰かに著作権を侵害されたとき、著作権を持っていないと、自分では著作権侵害を理由に権利主張できないです。差止請求なんか、作者にやってもらわないといけません。
それだとちょっと面倒かも知れませんね。手間かけちゃいますし。
まあこんな感じで、著作権を持つかどうかでその後にいろいろ影響するんですよ。
単に作品を利用できるかどうかだけではないってことです。
【解説】
(1) 著作権の帰属が影響すること
作品の制作を依頼するときに、著作権をどちらが持つことにするかという点は、その後の様々な場面に影響を与えます。最も大きな違いは、作品の著作権を処分(あげたり売ったりすること)できるかどうかです。著作権を持っている場合、基本的にそれを売ったりすることは自由ですが、著作権を持っていない場合はこれができないので、その作品を他の人に利用させたいと思う場合は、改めて権利者から利用許諾を得る必要があります。その他、著作権を持っていると、作品の改変などができます。ただ、改変を行おうとする場合は、翻案権を譲り受けることを明確にする必要があります。この方法としては、契約書に明記することが一般的と思われます。
(2) トラブルが起こったときも、大きな影響がある
著作権を持っていないと、誰かに著作権を侵害されたとき、著作権を理由にした権利主張ができないという点には注意が必要です。損害賠償の余地はありますが、利用の差止は権利者から行ってもらわなければなりません。ウェブコンテンツの削除請求は利用の差止請求にあたりますので、作品の制作依頼をする場合は、トラブル対応を誰がどう行うか事前にしっかり話し合われることも必要でしょう。
(3) 作品をどう利用するかで、契約の内容を決める
著作権を譲り受けることは様々なメリットがありますが、作者にとっては後の創作に影響を与えることもあるため、これが了承されないことも少なくありません。ただ、その場合でも、契約書の記載を工夫したりすることで、自分の思い描く利用を実現することができます。また、著作権を作者に残すとした方が料金を安くできる可能性もあります。いずれにせよ、著作権の契約をする際には、自分がどのような形で作品を利用したいかをしっかり見極め、契約内容を決めていくことが必要でしょう。
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