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仮処分|法律用語解説

仮処分とは、民事保全手続のひとつで、金銭債権以外の権利の保全を目的とするものです。

通常の訴訟(本案訴訟)を提起し判決を得るためには少なくとも数か月かかることが一般的で、これを待っていたのでは損害が拡大したり、訴訟の目的が達成できないことがあります。

そのようなケースでは、民事保全手続を利用します。

民事保全では通常の訴訟に比べて審理期間が短いというメリットがあります。
一方で、仮処分が認められるためには、通常の訴訟をしていたのでは損害が拡大したり、訴訟の目的が達成できないといった「保全の必要性」が必要になります。また、裁判所の決定を得るためには(数十万円程度の)担保金を供託する必要があります。

インターネット上の誹謗中傷問題との関係では、権利侵害の投稿記事を削除したり、コンテンツプロバイダに対してIPアドレス等の開示を求める際にこの仮処分を利用します。(経由プロバイダに対する開示請求については「保全の必要性」が認められないと一般的に考えられています。)

もっとも、2022年から発信者情報開示命令申立の制度が新設されました。コンテンツプロバイダに対してIPアドレス等の開示を求める際には、こちらの制度を利用した方がメリットが大きいため、開示を実現するために仮処分を利用するケースは少なくなると思われます。

なお、発信者情報開示命令申立の制度では削除は実現できないので、裁判手続で削除を求める場合は依然としてこの仮処分を利用することが一般的です。

 

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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