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プライバシー権|法律用語解説

用語の解説

プライバシー権とは、私生活をみだりに公開されない権利を指します。

他人の私生活を公表するようなインターネット上の投稿がプライバシー権侵害とされ、投稿記事の削除や発信者情報の開示が認められることがあります。

インターネットでは、特にYouTuber、Vtuber、インフルエンサーなどの顔や年齢、自宅マンション、家族に関する情報を公開するなどしてプライバシー権侵害が認められるケースがあります。

プライバシー権侵害の要件

特定性(同定可能性)

プライバシー権侵害が成立するためには、問題となっている投稿記事が誰を指しているか読み取れること(特定性ないし同定可能性)が必要と考えられています。

なぜなら、特定性が認められなければ「私生活が公開された」とはいえないからです。

特定性については、以下の記事でも解説しています。

プライバシー権侵害の判断要素

伝統的な判断要素

特定性が認められることを前提に、プライバシー権侵害が成立するためには、伝統的には次の3つの要件を満たすことが必要と考えられていました(東京地判昭和39・9・28 下民15巻9号2317頁)。

伝統的なプライバシー権侵害の判断要素(3要件)

  1. 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること
  2. 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること
  3. 一般の人々に未だ知られていないことがらであること

近年の判断要素

近年、上記の3要件ではなく、以下の判断要素を比較衡量し、プライバシー情報に係る事実を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越するか否かによって判断すべきとするものが増えてきています。

近年のプライバシー権侵害の判断要素

  • プライバシー情報の性質及び内容
  • 事実が伝達される範囲・具体的被害の程度
  • 社会的地位・影響力
  • 公表の目的や意義
  • 公表においてプライバシー情報を開示する必要性
  • 公表における表現媒体の性質 など

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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