特定性(同定可能性)|法律用語解説
用語の解説
特定性(同定可能性)とは、誰を指した表現であるかを読者が識別できるかという問題です。
例えば、インターネット上に「四谷コモンズ法律事務所の弁護士渡辺泰央」との記載があれば、これは私のことを指していると読者は理解できると思います。
しかし、「Y事務所のWさん」という表現だと、私のことを指しているかどうか、読者は(これだけでは)わからないと思います。
この問題は、名誉毀損やプライバシー権侵害が成立するかどうかという場面で問題となります。
特定性(同定可能性)が認められない場合は、名誉毀損やプライバシー権侵害は成立しないことになります。
なお、名誉感情侵害の成立要件として、特定性は必要ではないと考えられています。ただ、「社会通念上許される限度を超える」かどうかの判断に影響を与えるため、特定性を認める余地が全くないケースでは、名誉感情侵害が認められる可能性は低いと考えられます。
特定性(同定可能性)の判断方法については、以下の記事を参考にしてください。