【インターネットと著作権に関する講座5】どんな利用が著作権侵害になる?
ホームページとかブログを作って、それに著作権が認められたら、他の人に利用されないようにできるんですよね?
てことは「見るな」ともいえるんですか? なんだかおかしな話ですね。
いやいや、公開しておいてさすがに「見るな」とはいえませんよ。
え、でも見るのも「利用してる」っていいません?
日常用語で考えればそうかも知れません。
でも、著作権で禁止される「利用」のしかたって、実は法律で決まっているんですよ。
あ、そうなんですか?
じゃあどんな利用のしかたが著作権違反になるんですか?
いろいろありますが・・・。
代表的なものでいえば『複製』でしょうか。
複製??
コピーするってことですか?
まあそうですね。
コピーというと、コピー機を使った複製とか、パソコンでのデータの複製をイメージするかと思いますが。アナログな方法でも複製ですよ。
アナログな方法・・・ というと?
例えば小説の文章をそのまま紙に書き写しても、複製になります。
なるほど!!
でも、最近問題になるのはデジタルな複製が多いです。
「海賊版」とか、あれは典型的な著作権侵害の複製ですよね。
「海賊版」、知ってます。
映画が始まる前に出てきますよね。「海賊版撲滅」って。
それです。
まあ要するに、複製する行為そのものが、著作権侵害になるわけです。
じゃあホームページとかでも、無断コピーは「やめて」っていえるわけですね。
基本的にはそうですね。
単純に見たり聴いたりするだけでは著作権侵害にはなりませんので、そこは安心してください。
【解説】
(1) どんな利用が著作権侵害になるの?
著作権侵害になる「利用」のしかたは、法律で定められています。
逆にいえば、法律に定められているものに当たらなければ、作品を使っても著作権侵害になりません。
著作権侵害にならない典型的な例は、音楽を単純に聴いたり、本を読んだりする行為です。
著作権侵害になる「利用」は、法律で次のとおり定められています。(これらを「法定利用行為」と呼んだりすることがあります。)
●複製(21条)
●上演・演奏(22条)
●上映(22条の2)
●公衆送信・伝達(23条)
●口述(24条)
●展示(25条)
●頒布(26条)
●譲渡(26条の2)
●貸与(26条の3)
●二次的著作物の作成(翻訳、翻案など 27条)
●二次的著作物の利用(28条)
(2) 「複製」って、どんな行為?
著作権侵害になる「利用」としては、「複製」が最も重要といえます。
「複製」は、法律で次のように定義されています。
印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により、有形的に再製すること(著作権法2条1項15号)
難しい定義ですので、必ずしも覚える必要はないと思います。
「複製」という日本語のイメージどおりに考えてもらっても大丈夫です。
最近では、スキャナを使って本をPDF化したりすることがありますが、そのようなPDF化も複製に該当します。
なお、「複製」にあたる行為であっても、自由に行うことができる場合があります。
「私的使用のための複製」が代表的ですが、こちらについては以下のページで説明しています。