コラム

03-6773-8180
平日 10:00~18:00

フォントに著作権はあるの?|有料のフォントにあるプラグラムの著作権には注意!

サイトで記事を書くとき、フォントを決めなきゃいけないって言われました。

ちょっと調べてみたんですけど、ビックリするくらいたくさんあるんですね。

デフォルトで使えるものもいっぱいありますけど、有料で買うようなものもあるみたいですね。

そうすると、フォントにも著作権があるってことですか?

フォントの著作権に関しては、実は難しい問題があるんですが・・・。

基本的にはフォント著作権は認められないと考えてもらって大丈夫です。

そうなんですか!? 有料のフォントもあるのに?

ええ。派手な飾り文字みたいなものをにすれば、著作権は認めらないことがほとんどなんですよ。

それは意外でした・・・。

フォントって、文字として読めることが一番大事じゃないですか。あんまり創意工夫を凝らすと読めなくなっちゃいます。そうすると、読める範囲でという工夫の限界があるので作者の個性」が外部に表れづらいんですよ。

えー、じゃあ有料のものでも勝手に使っていいってことですか?

いや、それはさすがにマズイです。

著作権がないのに?

フォント自体には著作権は認められませんが、フォントを使う時はパソコンにインストールするじゃないですか。てことは、つまりフォントを利用するためのプログラム複製していることを意味します。そういう「プログラム」の複製をとらえて、著作権侵害が認められることがあるんです。

ちょっと難しいですね。

フォントそれ自体」の著作権と「フォントのプログラム」の著作権は違うってことです。

プログラム」には著作権が認められますから。

何となくわかりました。

じゃあ、やっぱり使いたいフォントがあったら買わなきゃいけないですね。

もちろんです。

そしたら、フォントに著作権が認められないっていうのは、記事を作るときには関係ないってこと?

大きくは関係しないと思います。強いて挙げれば、画像を張り付ける際、そこに有料フォントの文字が写り込んでいたとしても、フォントの制作会社から権利主張されることはない、みたいな感じですかね。

なるほど。

しかし、結局どのフォントを使うべきなのか・・。

好きなサイト、見やすいサイト同じフォントを使うとか?

え、それはいいんですか?

はい。どのフォントを使うか、ということ自体は、「アイデアですからね。

【解説】

(1) フォントに著作権は原則認められない

フォント(書体)には、著作権が認められないことがほとんどです。

フォントは、文字として成立していることが大前提ですから、いくら工夫を凝らそうとしても、文字の域を出ることはできません
そうすると、いくら苦労して作ったフォントであっても、普通の文字の域を出ない限り作者の個性」が表れたものといえないのです。

また、フォントに広く著作権を認めてしまうと、文字それ自体に著作権を認めることにもなりかねません。
手書きの文字がたまたま既存のフォントと類似していたから違法、などと判断されてしまっては、日常生活に無意味な支障を生じさせてしまいます。

もっとも、派手な飾り文字のようなものであれば、「作者の個性」が表れたものとして著作権が認められることもあるでしょう。

 

(2) 海賊版の使用は違法

フォント(書体)に著作権が認められないとしても、フォントの海賊版を使用するのは違法です。

フォントの使用には、フォントの「プログラム」のインストール(複製が伴いますので、そのプログラムの著作権」を侵害していると認められるからです。

フォント(書体)それ自体」と「フォントのプログラム」は、それぞれ別に著作権が認められるものですので、この違いは知っておきましょう。

 

(3) ウェブサイト制作に大きく影響はない

いずれにせよ、海賊版のフォント使用は違法です。
有料のフォントは原則通り購入しなければいけません。

そうすると、フォント(書体)に著作権が認められない、というのはどういう意味を持つのかという事になりますが、例えば次のような場面が考えられます。

・既存のフォントアレンジして使ってみる
・有料フォント写り込んでいる画像を貼り付ける

これらの場合、多くは適法なものとして許されるでしょう。

 

弁護士への法律相談(初回30分無料)はこちらから。

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

関連記事

CONTACTお問い合わせ

ご質問やご相談については、まずはお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせください。