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音楽はWEBサイトに使える?|著作権が認められる場合や実演権について解説!

ホームページで、音楽とか流れたら楽しくないですか?

音楽ですか?

あんまり一般的ではないような・・。いきなり音楽が流れたらビックリしますし。

でも、そういうサイトもないわけじゃないですよね?

音楽を流すかどうかはこれから考えることにして、もし音楽を使う場合注意することってありますか?

音楽に関してはシンプルです。基本的に、既存の音楽には著作権が認められますので、無断利用したら著作権侵害になります。

じゃあ、ホームページで音楽を流すにはどうすれば・・・?

権利者の許諾を得るか、ホームページ素材用の音楽を買うか、新しく作曲するかですかね。

著作権の制限規定で使えるものはあまり考えられないですし・・・。

結構ハードル高めですね。

比較的高い印象です。既存の音楽の中でもJASRACなど著作権管理団体に管理されているものはしっかり権利主張される傾向がありますし。

・・・音楽を使うのはなんか微妙な気がしてきました。

無料の音楽素材を使うとか、クラシック音楽などの著作権の切れたものを使うというのも考えられますが・・。音楽が鳴らなくても、魅力的なサイトは作れますよ。それに、最近インターネットで音楽を聴く場面って、動画サイトを利用する場合が多くないですか?

YouTubeとかですか?

そうです。

そこにリンクを張るサイトも最近では結構多いですよね。

ああいうのは、大丈夫なんですか?

それは、また別の機会にお話しします。

【解説】

(1) ホームページで音楽を流す場合

閲覧すると音楽が流れるサイトは、現在ではあまり一般的ではないようです。予告なく音楽が流れることに不快感を覚えるのも理由の一つになっているように思います。

ただ、閲覧すると音楽が流れるサイト少ないながら存在します。そして、ウェブサイト上で音楽を流すことは「公衆送信」に該当しますから、既存の音楽を無断で流すことは、基本的に著作権侵害となります。

 

(2) 音楽に著作権は認められやすい

音楽に関しては、一定のメロディ(旋律)を構成している限り著作権が認められますありふれた表現」として著作権が認められない場合もあり得ますが、作者の個性が表れたといえる場面は多いでしょう。そのため、基本的には著作権が認められると考えておくのが無難です。既存の音楽を利用するにあたっては、権利者の許諾を得るなどの手続はしっかりとっておくべきと考えます。なお、音楽の利用に関して使えそうな著作権制限規定は多くありません。「引用」なども考えられますが、サイトを彩るための利用では「引用」とは認められ難いといえます。

 

(3) 著作権が切れたものでも、実演権には注意

著作権の切れた音楽であれば、自由に利用することができます。著作権の保護期間の考え方は、画像に関して解説したところと同じです。

ただし、ここで注意しなければいけないことがあります。著作権の切れた音楽であっても、それを「実演」した人がいれば、それは音楽自体の著作権とは別に保護されます(これを「実演家人格権」といいます)。例えば、「××管弦楽団」がクラシック音楽を演奏した場合、その「実演」に関する権利が「××管弦楽団」に発生するのです。

そのため、演奏されたもの無断で録音し、コピーして販売等ということはできません。

また、著作権の切れた音楽であっても、それをアレンジした場合にはその「アレンジ」に著作権が認められますしたがって、他人のアレンジを無断で利用する行為も、アレンジした人の権利が残っている限り認められません。

結局、著作権が切れた音楽の利用を考えるとしても、実際の「」ないし「音楽データ」として存在するものを利用するときは、別途の検討が必要になるのです。この点は注意しましょう。

 

(4) 管理団体が管理するものも多い

既存の音楽の場合、JASRACなど著作権管理団体に管理されているものが多いと思われます。そのため、音楽の利用について許諾を得る場合は、まずそのような団体の管理のものであるかを確認することが有益でしょう。著作権管理団体の管理のものであれば、その団体に許諾を求めることになります。

 

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弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。