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効果音(SE)は自由に使っていいの?著作権は認められるのかについてわかりやすく解説

ホームページで音楽が流れるようにするというのはとりあえずおくとして、効果音を付けるのはどうですか?

確かにそういうサイトもありますよね。

閲覧していきなり音楽が流れ始めるよりは嫌悪感は少ないと思います。

昔のゲームとかアニメの効果音が流れれば楽しいと思うんですよ。

コインを取る音とか。「あ!あの効果音だ。」って分かりますし。

しかしそのまま使うのは著作権的にどうかと・・。

ダメですか?

効果音単純短いですし、「ありふれた表現」になりませんか?

効果音を作るにも作者の創意工夫はあるでしょうし、いろんな表現の幅があるところですので、著作権は認められると思っておいた方が無難でしょう。ただ、既存の効果音と似たような効果音新しく作る場面を考えると、OKになる範囲は広いと思いますよ。

どういうことですか?

さっきおっしゃってたように、効果音は単純短いです。なので、著作権が認められるとしてもその幅は小さいと思うんですよね。だから、さっきのコインを取る音に関しても、既存のもののリズムを変えたり音の調子を変えるだけで、著作権侵害でないとされることが多いと思います。

へえー。

実際、効果音の無料素材を提供しているところも、既にある効果音イメージさせるような音をオリジナルとして提供していますし。

なるほどー。というか、そういう無料素材を利用する手がありましたね。

そういうところもちょっと覗いてみることにします。

素人がいきなり効果音を作るのはハードル高いですからね。

でも、そういう無料素材を利用するときはちゃんとサービスの利用規約を読んでくださいね。

【解説】

(1) 効果音にも著作権は認められる

効果音についても、著作権が認められることがあります。確かに、効果音は単純短いものが多いといえます。しかし、さまざまな音の表現方法があります。専用のソフトを駆使したり、実際に音を出してマイクで拾ったりすることもあるでしょう。その中で一つの表現を選ぶものですから、作者の個性が認められる場面は少なくありません。

ごくありふれた表現」として著作権が否定されるのは、ごく単純な電子音のようなものに限られるように思います。

 

(2) 権利の幅が狭くなる傾向はある

ただ、効果音に著作権が認められるといっても、単純で短いという特徴を無視することはできません。著作権の世界では、著作権が認められるものであっても、その創作性高いとはいえない場合は、権利主張できる場面が限られる(場合によってはデッドコピーに対してしか行えない)と考えられています。

これを効果音について考えると、いくら作者が苦労してその音を作ったとしても、単純で短い音に高い創作性は認められづらいでしょう。そうすると、同じ効果音をイメージさせるような音を新たに作ったとしても、音階の高低やリズムを変えるだけで権利主張できないという場面も少なくないと思います。

現実的に考えれば、単純で短い効果音に広く著作権侵害を認めてしまうと、後発の表現に大きく支障を来しかねませんから、このような結論になることはやむを得ない面があるといえます。

 

(3) 音をどう出すか、などはアイデアの範疇

なお、効果音に関しては「表現・アイデア二分論」も影響します。例えば、大根を折った音をマイクで拾う、などというもの自体はアイデアです。そのため、既存の効果音に大根を折った音が存在するとしても、新しく大根を折ってその音をマイクで拾えば、それは著作権侵害にはなりません。

 

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弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。