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著作権以外で気をつけた方がいい契約書の項目は?契約書に書くべきことを紹介!

契約のときに決めるべきことで「著作権をどちらが持つか」とか、著作者人格権の「不行使特約」を教えてもらいましたけど、契約書のひな形をみるといろいろ書いてあるじゃないですか。他にはどういうことを契約書に書けばいいんでしょう?

実際の契約内容によって何を書くかも変わってきますが、一般的なものをあげるとすると・・。まずは、制作してもらう作品をきちんと特定すること。種類数量大きさとかもですね。納期も定めましょう。

その辺は、さすがに書きます。

次に納品の方法と、検査の流れですね。納品してもらったら、検査期間内に検査して、不備があればどうするのか、みたいな感じで。不備があったら直してもらうことを記載するのが一般的でしょうね。

なるほど。不備があったらトラブルになりそうですからね。

あとは再委託に関して。これは、相手が更に誰かに制作を依頼することに関してです。

そんなことってあるんですか?

たまにあります。でも、その人だから制作を依頼したのに、誰かに丸投げされたら困りますよね。だから、再委託原則禁止にすることが一般的でしょう。

確かに。再委託は禁止することにします。

あとは、著作権の帰属をどうするにしても、当事者間でどうしてもこういう利用がしたいとか、こういう利用はして欲しくないとか、そういうことは記載しましょう。

わかりました。

中心的なものはこのくらいですかね。あとは、解除とか損害賠償とか、一般的な契約書に書かれていることを記載する。他に、制作してもらった作品がパクりだった場合の違約金とか、そういうのも考えられます。でも、これは相手との力の差もあるところなので、相手が飲むとは限りません。

えげつない条項もありってことですか?

状況によってはありです。でも、契約成立の妨げにもなり得ますので、ケースによりますね。パッと思いつくのはこのくらいでしょうか。他の契約書を参考にしながら、自分なりの契約書を作ってみるのがいいでしょう。

分かりました。ちょっとやってみます。

がんばってください。専門的な法律の知識が必要なときもありますので、難しい条件を付けたいとか、どう書いていいか分からないということがあれば気軽に相談してください。

【解説】

(1) 契約書に書くべきこと

制作依頼の契約書に関しては、決めるべきことがさまざまあります。思いつくものを列挙だけでも、次のようなものがあります。

・制作を依託し、それを受託する旨の条項
・委託料、支払方法、支払時期
・納期(遅延があるときの制裁を規定するときは、それも含む)
・納品方法
・検査方法および検査の流れ、欠陥があったときの対処
・再委託について
・著作権の帰属
・著作者人格権について
・著作権の移転時期(著作権を依頼者に帰属させる場合)
・中途解約について(制作中のものがある場合の処理も含む)
・即時解約条項
・損害賠償について
・裁判管轄

契約書の形式については、特別な決まりはありません。
一般的なひな形にあるような形式で、法的な効果は問題なく発生します。

ひな形自体はインターネットなどで簡単に手に入るので、いろいろ参考にしてみて、自分の好みにあったものをベースにしましょう。(なお、ひな形の内容をそのまま利用することが危険であることは、以前に説明した通りです。)

 

(2) 専門知識が必要な場合は相談を

契約によっては難しい条件を付けることがあり、その達成のためどのような条項を作るべきか理解が困難な場合があります。
また、いくら契約書に記載したとしても無効になる条項もありますし、有効ではあるけれども意味がないような条項もあり得ます。

具体的な文章をどうすればいいか分からないときや、どのような条項を作れば目的を達成できるのか分からない場合には、やはり専門家に相談することをお勧めします。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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