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「利用許諾」の持つ意味とは?利用許諾契約書に記載する内容について解説

今までたくさんコンテンツを作ってきたんですけど、中には結構評価されているものもあって。最近では、コンテンツ利用許諾のお願いもされるんですよ。

すごいじゃないですか。

なので今回は、利用許諾ってどう与ればいいかを聞きたいんですよ。契約書何を書くかを教えてもらえれば・・。

分かりました。まずは、どのコンテンツについて許諾するのか、コンテンツを特定しますよね。次に料金の明記です。

そのくらいは、普通に書きますよ。

次に、契約のキモである「利用を許諾する」っていう条項ですけど、これは「どういう利用を許すのか」をできるだけ具体的に書く必要があります。

どういうことですか?

作品の利用方法って、いろいろあるじゃないですか。「複製」とか「翻案」とか。それで、利用許諾するときって、どんな利用をしてもいい訳じゃないですよね。

そうですね。

そうすると、「どういう利用を許すのか」はきっちり書いておかないと、後でトラブルになり得ます。「こういう利用は当然できると思ってた」とか「こういう利用はしないで欲しかった」みたいな。

なるほど。

許諾の範囲を超えた利用は著作権侵害になりますので、どちらの当事者にとっても影響が大きいです。だから、この点はしっかり話し合って決めてください。ざっくり「利用を許諾する」としか書いていないと、トラブルになったとき大変ですから。

分かりました。

あとは、利用許諾が独占的なものかどうかも大事です。

独占的・・って何ですか?

同じコンテンツ他の人にも利用許諾していいかってことです。基本的に、許諾をもらう方は自分だけが利用したいと思うでしょうし、権利者の方は同じコンテンツをたくさんの人に許諾できたほうが利益になりますよね。だから、これはちゃんと話し合う必要があると思います。

なるほど、そういう事ですか。

他に大事なものとしては、利用期間ですかね。利用許諾は継続的な契約なので、しっかり期間は決めておきましょう。半年とか1年とか。また自動更新するのか。それと、解約どのくらい前に通知すべきかとかも必要ですね。

結構大事なものが多いですね・・。

あとは、実際の契約内容によります。許諾するコンテンツによっても必要な条項は違いますので、一概にはいいづらいですね。契約書は法律の文章なので、難しい場合判断ができない場合は、相談しに来てくださいね。

【解説】

(1) 「利用許諾」の持つ意味

利用許諾を与える場合、契約書などを作成することが一般的です。利用許諾を法律から見ると、これは自分が著作権を持っている作品について「あなたがその利用をすることについては、著作権の主張をしないよ」という権利者のスタンスです。原則禁止のところに、利用していい部分例外的に与えるものです。

利用許諾がこのようなものであるからこそ、契約の条件はきちんと決めておかなければなりません。利用できる範囲が不明確だと、トラブルが生じやすくなります。許諾された範囲を超えた利用は、著作権侵害になるためです。

 

(2) 契約書には、何を書く?

著作権の利用許諾契約で定めることは様々ですが、思いつくものをあげると次のとおりになります。

・利用を許諾する旨の条項(独占的利用許諾の場合は、その旨)、許諾する利用の内容
・ライセンス料、支払方法、支払時期
・禁止行為
・著作権の帰属(著作権が譲渡されないことの確認)
・著作者人格権について
・契約期間(自動更新がある場合は、その旨など)
・中途解約について
・即時解約条項
・損害賠償について
・裁判管轄

 

(3) 利用許諾契約にとって大事なこと

利用許諾契約書に記載する内容は、どういう利用をするのかということや、許諾するコンテンツの種類によっても変わってきます。そのため、契約書の作成にあたっては、許諾する利用の内容や、禁止行為を具体的に挙げていくことで許諾の範囲正確に表現することが望ましいといえます。とはいえ、契約書は法律の文書となりますので、難しい条件を付ける場合や、どう表現して良いか分からない場合は、専門家に相談しましょう。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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