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訴訟記録の閲覧とは?閲覧申請の方法や閲覧する際の注意点を解説

発信者情報開示請求の意見照会を受けた際、開示の拒否をするためには(開示が認められるべきとする)相手方の主張に反論する必要があります

しかし、反論をするためには、まずは相手の主張を正確に把握しなければなりません。

この記事では相手の主張を知るために使える訴訟記録の閲覧について解説しています。

 

プロバイダからの書類だけでは十分とはいえない

多くの場合、意見照会書には開示請求者の主張がある程度記載されています。

しかし、これを確認しただけでは十分とはいえません

実は、意見照会書に開示請求者の主張がすべて書かれていることは稀なのです。

 

意見照会書の中に、開示請求訴訟の訴状や証拠のコピーが同封されていることもあります。

しかし、このような場合でも、マスキングされた部分があったり、証拠がすべてそろっているわけではありません。

 

各プロバイダも個人情報保護や企業秘密への配慮から、どの範囲で発信者側に情報を提供するか、という点は苦慮していると推察されます。

しかし、有効な反論をするためには相手の主張や提出された証拠を把握することが不可欠です。

 

プロバイダからの情報が十分でない以上、発信者の側で情報を収集する活動が必要となります。

 

民事裁判の記録は原則閲覧可能

開示訴訟が提起されているケースで、相手の主張や提出されている証拠を把握する最も有効な手段は「訴訟記録の閲覧」でしょう。

民事事件の記録は、閲覧制限などがない限り誰でも閲覧ができます

閲覧できる記録は、当事者が提出した書面(訴状など)や証拠です。

裁判官はこれらに基づいて開示されるべきかどうかを判断しますから、主張や証拠の弱い部分を指摘することができれば、拒否の理由はより有効なものとなるでしょう。

 

閲覧申請の方法

閲覧申請の方法は、申請用紙に当事者名や事件番号を記載し、150円の収入印紙を貼って裁判所に提出するだけです。

 

ただ、申請する先はその事件を担当している裁判所でなければいけません

例えば、東京地方裁判所で行われている事件の記録を大阪地方裁判所で閲覧することできませんので、注意しましょう。

 

訴訟記録を閲覧する際の注意点

民事訴訟記録は申請すれば原則として閲覧できるものですが、気をつけておかなければいけないこともあります。

 

(1) コピーはできない(すべきでない)

訴訟記録の”閲覧”は基本的に誰でもできますが、コピーできる者は限られています

記録閲覧室にはコピー機が置かれていますが、これは事件の当事者又は利害関係人でない限り使用することはできません

 

確かに、発信者は利害関係人には該当します。

しかし、コピーするためには、自分が利害関係があることを裁判所に対して(証拠を用いて)「疎明」しなければなりません

その「疎明」に使われた資料もまた誰でも閲覧できる「訴訟記録」となります

そうすると、万が一裁判所の記録を開示請求者が閲覧したりすると、判決を待たずして発信者が誰かを知ることになります

 

開示拒否の活動によって、かえって発信者が知れてしまうようでは本末転倒です。

そのため、訴訟記録は「閲覧」のみとし、閲覧の目的も「研究」や「調査」などと記載しておくことが無難でしょう。

 

(2) いつでも閲覧できるわけではない

先ほど触れたとおり、訴訟記録に対して「閲覧制限」がかけられているような事件については、閲覧することはできません。

また、裁判所でその記録を使用中の場合は、やはり閲覧することはできません。

裁判所が記録を使用するときは、裁判期日当日のほか、期日の前後数日が多い印象です。

 

(3) 要点が分かりづらい事件も

裁判は専門的な手続きですから、その記録もやや特殊なものといえます。

複雑な事件となると、紛争の要点がどこにあるのか、また、どのような主張や証拠が強いとか弱いといった部分が見えづらいケースも多くあります。

そのため、記録閲覧を行う際は、プロバイダからの書面などをしっかり検討し、どの部分を重点的に閲覧するかという方針を明確にしてから臨みましょう

 

記録閲覧の重要性

以上のとおり、開示拒否の理由を検討する際、訴訟記録閲覧は極めて有効なものですが、注意点などもあります。

当事務所では、記録閲覧の代行のほか、記録閲覧前のご相談も承っております。

悩まれる前に、ぜひ一度ご相談ください。

 

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発信者情報開示請求について、発信者側の解説記事についてはこちらをご覧ください。

 

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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