どういう利用が許されるの? (その1 私的使用目的)

あれ、そういえばわたし複製』してますよ。

どういうことですか?

借りたCDとか、パソコンに取り込んでます。

ああ。それは確かに複製ですね。

わたし、法律違反になります?
でもみんなやってますよ。

みんなやってるからいいというのはどうかと思いますが・・。

そういう複製なら著作権侵害になりません安心してください。

ああ、なら良かった。

前に、「著作権で禁止される「利用」のしかたは法律で決まっている」って話、したじゃないですか。

そういう「利用」のしかたでも、自由にやれる場合があるんです。法律で決まっていて。

てことは、わたしのやってるコピーも?

ええ。法律で認められています。

私的使用のための複製』というやつですね。

してき・・・

なんだか良くわからない言葉ですが。

要は個人的に楽しむための複製ならOKということです。

そうなんですかー、良かったです。じゃあ安心してコピーできますね。

流石に限界はありますけどね。
例えばそのコピーを楽しむ人が多くなってしまうと「個人的に」とはいえなくなりますし。
あとはコピーガードを外してのコピーとか、違法アップロードされたもののコピー(ダウンロードとかはダメです。たとえ自分で楽しむためであっても

さすがにそうですよね。

他にもいろいろあるんですけど、複製は基本的に著作権を侵害してしまうので、個人的な利用のためでも節度を保ってくださいね。

【解説】

(1) どんなときに、無断で作品を利用できるの?

著作権侵害になる「利用」でも、自由に行うことができる場合があります
そのような場合を認めないと、日常生活に支障が生じたりするためです。

自由に行うことができる場合は、法律で定められています。
一覧を挙げると、次のとおりです。(なお、このような規定を『著作権制限規定』といいます。)

私的使用のための複製(著作権法第30条)
●付随対象著作物の利用(著作権法第30条の2)
●検討の過程における利用(著作権法第30条の3)
●技術の開発又は実用化のための試験に用いるための利用(著作権法第30条の4)
●図書館等における複製等(著作権法第31条)
引用(著作権法第32条)
●教科用図書等への掲載(著作権法第33条)
●拡大教科書の作成のための複製(著作権法第33条の2)
●学校教育番組の放送等(著作権法第34条)
●学校その他の教育機関における複製等(著作権法第35条)
●試験問題としての複製等(著作権法第36条)
●視覚障害者等のための複製等(著作権法第37条)
●聴覚障害者等のための複製等(著作権法第37条の2)
●営利を目的としない上演等(著作権法第38条)
●時事問題に関する論説の転載等(著作権法第39条)
●政治上の演説等の利用(著作権法第40条)
●時事の事件の報道のための利用(著作権法第41条)
●裁判手続等における複製(著作権法第42条)
●行政機関情報公開法等による開示のための利用(著作権法第42条の2)
●公文書管理法等による保存等のための利用(著作権法第42条の3)
●国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製(著作権法第42条の4)
●翻訳、翻案等による利用(著作権法第43条)
●放送事業者等による一時的固定(著作権法第44条)
●美術の著作物等の原作品の所有者による展示(著作権法第45条)
●公開の美術の著作物等の利用(著作権法第46条)
●美術の著作物等の展示に伴う複製(著作権法第47条)
●美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等(著作権法第47条の2)
●プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等(著作権法第47条の3)
●保守・修理等のための一時的複製(著作権法第47条の4)
●送信の障害の防止等のための複製(著作権法第47条の5)
●送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等(著作権法第47条の6)
●情報解析のための複製等(著作権法第47条の7)
●電子計算機における著作物の利用に伴う複製(著作権法第47条の8)
●情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用(著作権法第47条の9)
●複製権の制限により作成された複製物の譲渡(著作権法第47条の10)

たくさんありますが、すべてを押さえる必要はありません。
作品を利用したいと考えたときや、著作権侵害が疑われるときに、この中で当たりそうなものを検討すれば十分でしょう。

 

(2) 私的使用のための複製って?

私的使用のための複製」は、複製を行える場合として非常に重要なものです。
法律上は、次のように規定されています。

著作権の目的となっている著作物(略)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(略)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる(著作権法30条1項)

これは、あくまで私的な範囲で使用するときに認められるものです。
そのため、大勢で使用する場合や、仕事で使う場合には認められません

 

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