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【インターネットと著作権に関する講座その1】著作権の基本的な考え方とは?

先生、はじめまして。私、綾乃っていいます。
今度、お父さんの会社でホームページを作るみたいなんですけど、法律についていろいろ聞いて来いって言われて。
さっそく、いろいろ聞いてもいいですか?

はじめまして。
お父さんからお話は伺ってます。なんでも聞いてください。

まず、ホームページとかブログを作るときって、そもそも法律に気を付けるものなんですか?

もちろんです。

それに、気をつけなきゃいけない法律って、実はいろいろあるんですよ。
その中でも、やっぱり「著作権法」はとても重要ですね。

著作権・・・?

とか音楽の話で聞いたことありますけど、ホームページを作ったりするときにも関係あるんですか?

はい。少し前まではアートの世界で言われることが多かったのですが、最近ではインターネットの世界でもよく「著作権」が登場します。

あ、確かに違法ダウンロード著作権の話だったような気がします。

・・・でも、そもそも「著作権」って何なんですか?

著作権」というのはですね、
何か作品がつくられたとき、その作品について作者に認められる権利
をいいます。

・・・すいません、それだけ聞いてもよく分からないんですが。

具体的にイメージしてもらえば分かりやすいと思います。
とか作文とか何でもいいんですけど、そういうものを新しく作った時、それは“自分のもの”って感覚があるでしょう?
その“自分のもの”という感覚が「著作権」を持っているイメージです。

ああー、なんとなくイメージは分かります。

でも、「著作権」を持っていると、何かいいことがあるんですか?

結構ありますよ。
ざっくりいうと他の人に自分の作品を利用されないようにできるっていうのが一番いいことですね。
作品は“自分のもの”だから。「人のものを勝手に使わないで。」って言えるってことです。

・・・じゃあ、もし他の人の作品を勝手に使っちゃったときはどうなるんですか?

著作権を持っている人から、利用をストップしろといわれたり(差止請求)、利用した分のお金を払えといわれたり(損害賠償請求)することがあります。

あと、忘れてはいけないのは、著作権法には刑事罰が定められています。

刑事罰ですか?
それがあるとどうなるんですか?

逮捕されたり、刑罰(懲役や罰金など)が科されたりすることがあります。

ホントですか!? 怖い!!

ちょっと怖い話かも知れませんね。
でも、著作権の基本を分かっていれば、それほど怖がる必要はないので、大丈夫ですよ。

【解説】

(1) 著作権って、何であるの?

様々な作品がたくさん作られることは、文化の発展につながります。
しかし、一生懸命良い作品を作っても、それを誰もが自由に使えるなら、努力して作品を作る人は少なくなります。
自分で努力するよりも、他人の作った作品を使った方がはるかに簡単で安上がりだからです。

こうなってしまうと、世に出る作品も少なくなってしまい、文化も発展しません。

このような事を避けるため、著作権が保護されることになっているのです。

 

(2) ホームページを作るときに関係する法律は?

ホームページを作ったりする場合、著作権のほかにも気を付ける法律があります。

たとえば

・個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)
・特定商取引に関する法律
・消費者保護法
・景表法(不当景品類及び不当表示防止法)

などがあります。

これらはあくまで一例です。実際はホームページの目的や内容によって違ってきます。

そのため、「新しいサービスを立ち上げたいけど、法律的に大丈夫か不安」という場合や「自社サービスの法的なリスクをできる限りなくしたい」という方は、専門家に相談してみましょう。

 

 

ABOUT US

弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。