ウェブと個人情報って関係あるの?

個人情報」って、インターネット関連でも何かと話題になりますよね。

あれって、普通のサイトを持っている人にも関係あるんですか?

関係あると思いますよ。程度の差はありますけど。

そうなんですか?

ユーザーの名前住所入力してもらわない事もありますよ?

そういう場合でも、例えば会員登録してもらうときにメールアドレスを取得したりすることはありますよね。それに、そもそもウェブサイトはCookie(クッキー)という技術を利用して訪問者を特定したりしますから、その過程で訪問者の情報を取得することもありますし。

え~、そんなの全部のサイトにいえることじゃないですか。

はい。だから全てサイトは個人情報と関係すると考えておいた方がいいと思います。取り扱う個人情報の量とか種類によってやるべきことは変わってくるので、みんながみんな重い義務を負う訳ではないですけど。最低限、意識はしておかないとダメでしょうね。

うーん・・。

個人情報」って、下手に取り扱うとどうなるんですか?やっぱり逮捕とかあるんですか?

実は、逮捕もあり得るんです。

ほんとに!?

はい。

でも現実的に怖いのは、やっぱり損害賠償と、個人情報漏えいによる信用の低下でしょうね。

それが、逮捕くらい怖いんですか?

ええ。個人情報の漏えい事件って、大規模になることが珍しくないじゃないですか。だから、一人一人の損賠賠償が小さくても、漏えいされた人の人数が数千人数万人になると、損害賠償の合計額はびっくりするような額になってしまうんですよ。

なるほど・・。

それに、個人情報漏えい事故大きく報道されがちですからね。ニュースになってしまうと、評判はガタ落ちになっちゃいます。

それじゃあ、個人情報はとにかく厳重にしておかなきゃいけない?

事故を起こすよりはマシでしょうが、それだと業務に支障が出てしまいます。それに、そういう対応は緊急事態に対応しづらいですから、かえって人に害を与えたりしかねません。

じゃあ、結局どうすれば?

法律が求める範囲を理解して、それに必要な対応をしておけば十分です。法律も、一応バランスを考えて作られていますから、正しい対応を理解しておけば、あまり過剰に反応する必要もありませんし、自信を持って個人情報を取り扱えるようになりますよ。

そうですか。じゃあ、これからいろいろ教えてもらうことにします。

【解説】

(1) ウェブの世界で顔を出す「個人情報」

近年、ウェブの世界において個人情報が話題にあげられることが多くなりました。

これは、インターネットでは個人に関する情報(これを「パーソナルデータ」と呼ぶことがあります。)をやりとりすることが多いことや、集められたパーソナルデータをマーケティングなどに活用されることが増えてきたことなどが原因としてあげられます。

特に、ウェブサービスの管理者は、ユーザーのパーソナルデータを取得することが多くあります。
住所氏名クレジットカード情報を取得することもありますが、そこまでいかなくても、ユーザーの行動履歴IPアドレスを取得することもあるでしょう(これらも「パーソナルデータ」に含まれます。)。

そのため、インターネットを利用するすべての人は、多かれ少なかれ個人情報の問題に関係しているといえるでしょう。

 

(2) 「個人情報」漏えいのリスク

個人情報の保護が大きく話題になるのは、その漏えいリスクが大きいことも理由の一つと考えられます。

まず、刑事責任です。

「個人情報を漏えいする行為」そのものが処罰の対象になっている訳ではありませんが、漏えいした「個人情報」が不正競争防止法の「営業秘密」に該当すれば、罰則の対象になります。
また、個人情報保護法(「個人情報の保護等に関する法律」)にも、一定の場合に個人情報取扱事業者に対する罰則が定められています。

次に、民事責任も無視できません。

「個人情報」の漏えいが発生したとき、基本的にはプライバシー侵害を理由とした損害賠償請求権が発生します。
このときの損害賠償は、仮に一件一件が高額でなくても、漏えいした「個人情報」の数が多ければ、合計額は簡単に膨れ上がってしまいます。

その他、「個人情報」の漏えい事故は大きく報道されがちですから、社会的信用も大きく低下するリスクをはらんでいます。

 

(3) 適切な範囲での対応を

個人情報の取扱いが大切だとしても、取り扱いをガチガチに固めてしまうと、業務に支障が出てしまいます。また、緊急事態にも対応しづらくなり、結局本人に不利益を及ぼすことにもなりかねません。

実際、個人情報の取扱いに関しては「過剰反応」が起こっているとの指摘もあるようです。

しかし、法律もあまりに過大な個人情報保護を要求している訳ではありません。個人情報に関しては、法律を正しく理解していただければそれほど怖がる必要はない事が分かると思います。

個人情報保護が大切であることが強調される中で、自社をリスクから守りながら、業務を円滑に行うようにするためには、やはり法律を正しく理解し、法律に基づいた対策を構築することが不可欠といえるでしょう。

 

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