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スマホの使用で絶対に守ってほしい7つのこと|10代向けネット法律相談

Peggy_Marco / Pixabay

スマホは気軽にインターネットを利用できるもので、とても便利なものです。

これを読むみなさんも、インターネット検索けんさくをしたり、YouTubeを見たり、SNSを利用したりすると思います。

 

すごく便利なスマホですが、実は、世の中では、スマホによるトラブルがたくさん起きていることを、みなさんは知っていますか?

 

私は、日々、インターネットトラブルの法律相談ほうりつそうだんを受けています。

この経験から、10代のみなさんがトラブルに巻きこまれないために、スマホを使ううえで絶対に守ってほしい「7つのこと」お伝えしたいと思います。

 

1.人の悪口を書きこまない


ネットをみると、当たり前のように人の悪口が書いてあります。

こういう悪口が楽しく感じる人もいるかもしれません。

 

しかし、みんなが書いているからといって、悪口を書くことはやめましょう。
相手が「悪いヤツ」だったとしてもです!

 

インターネットのトラブルでとても多いのが、この悪口です。

 

自分の名前は出してないしバレないでしょ、と思う人もいるかもしれません。

しかし、日本には、書きこんだ人が誰かを調べる法律があります。

悪口を書いたことがバレるのは、実はよくあるのです。

 

イタズラの気持ちで書いて、あとで大変なトラブルになることはとても多いです。

こういうトラブルに巻きこまれないためにも、人の悪口を書くのはやめましょう。

 

すでに書きこんでしまった人や、どういう書きこみがダメかを知りたい人は、下の記事も見てみてください。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】匿名とくめいで他人の悪口を書いてしまったら

【10代のためのネット法律相談】どんな内容の書きこみだと開示されるのか

【10代のためのネット法律相談】自分の書きこみについて携帯の会社から手紙が届いたときは

【10代のためのネット法律相談】誰のことかわからない悪口ならセーフ?

【10代のためのネット法律相談】本当のことを書いてもダメなの?

【10代のためのネット法律相談】あとから書きこみを消せば問題なし?

 

 

また、書きこんだことがバレたときどうなるかを知りたい人は、下の記事を見てみてください。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】書きこみをしたことがバレてしまったらどうなる?

 

 

2.SNSに過激かげきな写真や動画をせないようにしよう


面白い写真や動画は、みんなから「いいね!」してもらえます。

 

しかし、中には、あなたが「面白い」と感じるものでも、他の人はイヤな気分になるものもあります。

あなたが「面白い」ものをったつもりでも、人に迷惑をかけていたり、法律やぶったりしていることもあります。

 

たとえば、人のジャマになる場所で写真をったら、人に迷惑をかけています。

また、たとえば10代のみなさんがお酒を飲んでいる写真をったら、法律をやぶっていますよね。

 

知り合いしか見ないからいいじゃん、と思った人もいると思います。

 

しかし、インターネットで公開された写真や動画は、みなさんが思っているより、ずっと多くの人に見られています。

そして、中には、あなたが人に迷惑をかけたり、法律をやぶったりしている姿を、わざと広める人がいます。

また、そういう姿を見て、あなたのことを悪く言ったり、攻撃こうげきしてくるような人たちも、たくさんいます。

 

こういうトラブルを「炎上えんじょう」と言ったりもしますが、この「炎上えんじょう」が起こるケースも、実はすごく多いのです。

 

トラブルに巻きこまれないためにも、過激かげきな写真や動画をせるのはやめましょう。

写真や動画をSNSにせるときは、いったん落ち着いて「人に迷惑をかけて撮ったものじゃないか」「普通の人が見たらイヤな気持ちにならないか」ということを考えてからにしましょう。

 

なお、実際に「炎上えんじょう」が起きてしまったときは、下の記事を参考にしてみてください。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】SNSに悪ふざけの写真を載せて炎上してしまった

 

 

 

3.ネットでの「出会い」には気をつけよう


スマホを使えば、日本だけでなく、世界中の人とも知り合うことが簡単にできます。

しかし、ネットの「出会い」には、現実の出会いにはない危険きけんがあります。

 

この危険きけんがあるのは、いわゆる「出会い系」アプリを使うときだけではありません。

SNSで同じ趣味しゅみの人とやりとりをして仲良くなって、「今度実際に会おうよ!」となったときも、同じように危険きけんがあります。

 

下の記事を参考に、ネットでの「出会い」はなぜ危険きけんがあるのか、また、そこにはどういうトラブルがあるのかを知り、実際に「出会う」ときは十分注意するようにしましょう。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】ネットでの出会いのリスクはどれくらい?

【10代のためのネット法律相談】裸の写真を送れと言われたら

【10代のためのネット法律相談】ネットで出会った人におどされたら

 

 

4.人をだますサイトがあること知ろう


インターネットは便利なものですが、この仕組みを使って悪いことを考える人も、たくさんいます。

人をだましてお金を取ろうとするサイトもあり、この被害ひがいにあっている人も多いものです。

人をだますサイトとして有名なものに、「ワンクリック詐欺さぎ」のサイトがあります。

下の記事では、このワンクリック詐欺さぎがどういうものか、また、これを見たときはどうすればいいのかについて説明しています。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】サイトの使用料を払えといわれたら(ワンクリック詐欺(さぎ))

【10代のためのネット法律相談】悪いサイト(ワンクリック詐欺(さぎ)のサイト)に自分のことを教えてしまったら

 

 

5.著作権ちょさくけんには気を付けよう


インターネットでは、写真(画像)、動画、音楽などを気軽に楽しむことができます。

また、これをコピーすることも簡単かんたんにできてしまいます。

 

しかし、コピーが簡単かんたんにできるからといって、それらを自由に使ってよいということではありません。

 

写真(画像)、動画、音楽などの作品には、「著作権ちょさくけん」というものがあります。

著作権ちょさくけんというのは、作品を作った人(作者)がもつ権利けんりです。

作者に何も言わず勝手に作品をコピーしたり、自分のSNSで使ったりすると、この著作権ちょさくけんを傷つけることがあります。

この著作権ちょさくけんをめぐってトラブルになることも、とても多いです。

 

なお、インターネットにある作品の中には、作者が「使っていいよ」と言っているものもあります。

ただし、こういう場合も、「使ってもいいけど、こういう使い方はしないでね」としている場合も多いです。

 

例えば、「いらすとや」というサイトは「画像を使っていいよ」と言っているサイトとして有名ですが、それでも、「こういう使い方はしないでね」と言っています。(https://www.irasutoya.com/p/terms.html

 

つまり、著作権ちょさくけんって結構むずかしいのです。

 

自分のSNSに画像をせるときは、自分でった写真や、自分が作ったイラストを使うのが一番安全です。

 

どうしても他の人の作品を使いたいと思ったときは、大人と一緒に、それを使うために必要なことを確認してみましょう。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】ネットで見つけた画像を使ってトラブルになった

 

 

6.ゲーム課金かきんには十分注意する


スマホには無料でできるゲームがたくさんあります。

そして、はなれた友達とも一緒にプレイできるものもあり、とても楽しいものです。

 

しかし、こんなに楽しいゲームがなぜ無料でできるのか、みなさんは考えたことがありますか?

 

こういう無料でできるゲームも、レアキャラをゲットしたり、強いアイテムを手に入れるためにお金が必要になること(課金かきん)があります。

無料のゲームは、こういうお金で成り立っているのです。

 

そんなの知ってるし、課金かきんしなくても楽しめるよ、と思う人もいると思います。

 

しかし、課金かきんの仕組みは、みなさんが思っている以上にこわいものです。

ゲームを開発している人は、人の心を深く研究けんきゅうし、あらゆる方法で課金かきんさせようとしています。

 

この力はとても強いもので、大人の人でも、課金かきん魔力まりょくからげられない人がたくさんいます。

まして、10代のあなたが、うまくげられるとは思わない方がいいでしょう。

実際に、10代の人がゲームに何万円と課金かきんしてしまった、ということはたくさん起こっています。

決して「自分だけは大丈夫」と思わないでください。

 

ゲームで課金かきんするときは、毎回親に確認してもらうとか、一か月に使える金額を決めておくなど、お金を使いすぎない対策たいさくを必ずしておきましょう。

「自分はちゃんと課金かきんを止められるから」と思って、何も対策たいさくをせずに課金かきんを始めると、かなり高い確率でたくさん課金かきんしてしまいます。

 

もし、使いすぎてしまい、自分ではどうしようもなくなったら、下の記事も参考にして、早めに保護者ほごしゃや信頼できる大人に相談しましょう。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】親のカードを使ってゲーム課金(かきん)をたくさんしてしまった

 

 

7.困ったときは大人に相談すること


これまで説明したことを守ってもらえれば、あなたがスマホによるトラブルに巻きこまれる可能性はかなり低くなります。

それでも、スマホで困ったときは、保護者ほごしゃの方など、信頼できる大人に相談しましょう。

 

なお、大人の人向けに、こどもをスマホトラブルから守るためにできることもまとめました。

 

【参考記事】

【10代のためのネット法律相談】こどもをスマホトラブルから守るために、周りの大人ができること

 

こちらはぜひ、こどものスマホトラブル防止に興味がある人に読んで欲しいと思います。

 

この記事が、10代のみなさんのスマホトラブル防止に役立つことを願っています。

ABOUT US

弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。