コラム

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【インターネットと著作権に関する講座6】オリジナルってどこまで?参考はOK?

他の人の作品を勝手にコピーしたら、著作権違反になるんですよね。

じゃあ、作品にちょちょいと手を加えたら、著作権違反じゃなくなりますか?

うーん。そのちょちょいがどの程度か分からないですけど・・。
少し変えたぐらいではダメなことが多いです。

少し変えても著作権侵害になるってことですか?

はい。
例えば「です、ます」調の文章を「だ、である」調に変えても、それは複製になるでしょうね。

じゃあ結構変えたらどうですか?

例えば小説をマンガにしちゃったりとか。
文章」から「」になりますよ。

そうなると『二次的著作物の作成行為』の話になってきますね。

にじてき・・・?
二次創作ってことですか?

簡単にいえばそんな感じです。
既にある作品に手を加えること、というイメージでしょうか。

翻案(ほんあん)』とも呼ばれます。

それって、著作権違反なんですか?

マンガ化も結構大変な作業ですよ?

それは分かります。
でも、自分の小説を勝手にマンガ化されたりしたら、嫌じゃないですか?

まあ、確かにそうか。

ただ、相当変わってたいらOKなことがありますけどね。

他の作品を参考にしたけれど、独自の個性が強く反映されていて、それはもう別の新しい作品でしょ”とまでいえれば、著作権侵害ではなくなります。

はあ、なかなかハードルが高そうですが。

そうかも知れません。

手を加えても、元の作品の特徴が残っていたら著作権侵害になる、というイメージで、とりあえず考えてもらっていいと思います。

【解説】

(1) 「翻案」って、どんな行為?

著作権侵害になる「利用」のしかたは法律で決まっている、という話は前回しました。

そのような利用のうち重要なものとして、「二次的著作物の作成行為(翻案)」が挙げられます。

法律の規定では、

翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案(著作権法27条)

と定められています。

作品をアレンジする行為と考えても良いかも知れません。

 

(2) どこまでいったらオリジナル?

元作品がある場合でも、その特徴が残らなくなるまでアレンジされていれば、それは新しい作品となり、著作権侵害にはなりません

元作品の特徴が残っている状態を、判例では“表現上の本質的な特徴を直接感得できる”などと表現します。参考までに。

 

(3) 参考にするのはダメなの?

元作品を参考にした場合でも、参考にした部分が「ごくありふれた表現」であったり「アイデア」に過ぎない場合には、著作権侵害にはなりません。これらは著作権では保護されないからです。

しかし、参考にしたのは「ごくありふれた表現」や「アイデア」だけなのかという判断が難しい場合があります。

ただ、この点についても、今までの裁判例の蓄積などがありますので、困ったら専門家に相談してみましょう。

 

 

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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