コラム

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【インターネットと著作権に関する講座9】著作権侵害と損害賠償について

自分のホームページを勝手に複製されたら、法律違反ですよね?

そういうときって、犯人にお金払えって言えるんですか?

言えると思いますよ。損害賠償ってことで。

そういうときって、いくらもらえるんですか?

いくら・・ですか。ええと、それを考えるためには、まず損害賠償の制度について理解しなければいけません。

ちなみに、損害賠償についてはどういうイメージを持ってます?

悪いことをした人に、お金を払ってもらう・・・みたいな?

まあそうなんですけど。
簡単にいうと、発生した「損害」の埋め合わせをする制度なんです。

なので、いくらお金をもらえるかは、どのくらい「損害」が出たかによります

ええと??

さっきから言ってるその損害」って何なんですか?

例えば交通事故でケガをしたら、治療費がかかりますし、働けなくなれば、給料がもらえなくなります。そういうマイナス損害」のイメージです

なるほど。じゃあ著作権のときは「損害」って何になるんですか?

そこがポイントなんですよ。

作品を無断でコピーされたからといって、自分の作品を使うことはできるじゃないですか。事故と違って、ケガするわけでもないですし。

え、そしたら著作権の「損害」ってないんですか。

でも、コピーされなかったら、自分の作品が売れたかも知れないです。もし正式にコピーを許諾していたら、ライセンス料(著作権使用料)をもらっていたかも知れません。

そういうもの「損害」なんですか?

そうです。

その他、場合によっては慰謝料的なものも発生しますし。

そうなんですか。じゃあやっぱり犯人からお金を取れますね。

ええ。ただ著作権の損害賠償って計算が独特です。
この点を分からずに裁判を起こしても、雀の涙ほどの金額しか認められない、なんてこともあるんですよ。
なので、いざ「損害賠償だ!」ってなったら相談してくださいね。

【解説】

(1) 損害賠償を請求したいときは?

著作権が侵害された場合、加害者に対して損害賠償を請求することができます。

しかし、ケガをした場合の治療費などとは違い、損害の計算は非常に特殊なものになります。
「侵害がなければ正規品がいくら売れたか」等は証明しづらいからです。

そのため、著作権法は「損害額」の計算に関して特別な規定(著作権法114条)を置いています。
この規定である程度「損害額」の計算方法が決まっているのですが、これについては後のページで触れます。

 

(2) 慰謝料は認められるの?

著作権侵害がなされたとき、場合によっては慰謝料が認められることがあります。
著作者人格権」が侵害された場合が典型例です。
(「著作者人格権」については、こちらで触れています。)

作品を勝手に改変したり、作者の名誉を害するような形で利用したりすると、「著作者人格権」が侵害されたといわれてしまいます。

 

(3) 損害賠償が不当に安くなってしまうことも

著作権の損害については、考え方が少し特殊です。

「損害」のとらえ方やその証明方法によって、裁判で認められる損害賠償の額は違ってくるものですが、著作権はその性質を特に強く持ちます
誰に頼んでもだいたい同じ結果になる」とは考えない方がいいでしょう
(余談ですが、筆者が被告側で関与した事件で、数千万円の損害賠償請求に対して数百円しか認められなかった事案があります。)

本格的な法的措置に入る場合には、やはり専門家に相談されることをお勧めします。

 

 

 

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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