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他の作品が写り込んだ写真は使える?|「写り込み」の規定 とは

写真を撮ってると、本当にいろんなものが写り込みますよね。

子供のTシャツキャラクターものだったり、カバンに有名キャラクターキーホルダーが付けられていたり。

そうですね。スナップ写真だとなおさら。

そういうのは建物と違うじゃないですか。

そうなると、やっぱり著作権侵害って言われたりするんですか?

ずいぶん厳密に考えましたね。

軽微な写り込みであれば問題ないです。法律で決まっているんですよ。

そうなんですか? 実際、どういうときがOKなんですか?

写真動画を撮る場合で、写り込んでしまうものを分離することが難しいときです。

分離するのが難しいとき・・・?

例えば、子供のTシャツがキャラクターものだからといって「脱げ」とはいえませんよね。また、人の一瞬のたたずまいをとらえたいとき、カバンのキーホルダーを「取れ」ともいえません。シャッターチャンスを逃してしまいますから。
そういうのは分離するのが難しいといえます。

なるほど。

ただ、写り込む作品が写真のメインとなっていてはダメです。あくまでも「写り込み」なので。
あと、写り込んでしまったことをいいことに、それを拡大して販売する、なんてこともダメです。

まあそれはそうですよね。

イメージ的には、写真動画たまたま他の作品が入り込んでしまった場合については、著作権侵害にしないことにしましょう、という感じです。

【解説】

(1) 著作権法改正で認められた「写り込み」

写真動画を撮る際には、どうしても他の作品が写り込んでしまうことがあります。
このような場合、写り込んでしまった作品の権利者損害が生じることは少ないでしょう。しかし、厳密には作品の「複製」などに該当します。

そのため、これが写真や動画作品を作る際の支障になっているのではないかという問題がありました。

そこで、平成24年の著作権法改正で新しく作られたのが「写り込み」に関する規定です。正式な条文は次のとおりです。

(付随対象著作物の利用)
第30条の2
1 写真の撮影,録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によって著作物を創作するに当たって,当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は,当該創作に伴って複製又は翻案することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない
2 前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は,同項に規定する写真等著作物の利用に伴って利用することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない。

 

(2) 「写り込み」の規定で何が変わるの?

この規定が作られる前から、写り込みに関しては緩やかに考えられてきました。
そのため、この規定によって生活や創作活動に劇的な変化をもたらすとはいい難いでしょう。
ただ、著作権を侵害していないかのチェック容易になったといえます。

なお、この規定は、動画録音に入り込んでしまう「音楽」も対象にしています。
例えば、動画を撮っているときに、街中のスピーカーから流れくる音楽が動画に入り込んでも、音楽の「複製」として著作権侵害にはならないということです。

もちろん、入り込んでしまった音楽をそれだけ抜き取って複製、販売することは違法ですが、動画制作の幅が広がる可能性はあると思われます。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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