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MADムービーの作成は著作権侵害になるの?権利者の態度を確認しましょう

サイトに動画を使うにしても、自分で動画を作るのは難しいですよね?

だと思います。音に画像を合わせるだけでも相当大変みたいですから。

あ、でも音に画像を合せるだけなら何とかなりそうかも。ヒマだし。

そういうのは”MAD”という形で動画を作ってる人がいるみたいなので、ネットで調べれば結構情報が出てきそうですね。

あー、MAD。見たことあります。アニメとかゲーム映像を切り貼りして音に合わせるやつですよね。

ちなみに、あれって著作権的にどうなんですか?

うーん、どうなんでしょう。削除されずに残っているMADも少なからずありますからね。

あそこもグレーな部分なんじゃないですか。

グレーって、あの二次創作の時に聞いた話ですか?

そうです。基本的にはあの発想と近いと思います。

基本的に権利者がダメって言ったら終わりってことですよね?

はい。他人の作品を複製なり公衆送信してるので、権利主張されたら負けると思います。

でもMADに関して権利者の対応はさまざまあるようで、正式に許諾を与えたりする事例もあるみたいですよ。

へー、初めて聞きました。

とはいえ、企業などが営利目的で権利者の許可なくMADを作ったりするのは「ダメ」といわれる事がほとんどでしょうけど。

さすがにウチのサイトにMADは載せませんよ。

例えば自分で撮った写真とかを使って、音楽も適法に利用できるものを使えば、法的に全く問題ない動画は作れます。プロにお願いするのが確実ですが、自分で作るのであれば、とりあえずはそういう方向で作成を検討してみるのがいいと思います。

【解説】

(1) ”MAD”はどう考える?

インターネット上には「MADムービー」(以下単に「MAD」といいます。)と呼ばれる動画があります。これらは作品として認知され、広く作成、アップロードされています。MADは、既存のアニメゲーム映像音に合わせて切り貼りしたものがほとんどです。映像部分はMADの作者が新たに作ったもの(手描きMAD)もあるようですが、その場合でも、既存のものを使っていることが多いと思われます。

MADに使われる映像既存のものであれば、他人の作品を複製・改変・アップロードしているので、これを作者に無断で行うことは著作権侵害になり得ます作者から権利主張された場合は、負けるケースがほとんどでしょう。それにもかかわらず、MADがインターネット上で残されているのは、権利者が「放置」ないし「(積極的には)何もいわない」という態度をとっているためだと思われます。

その理由はさまざま考えられますが、いずれにせよ、MADが存在できるのは二次創作と同様の理由によるものと考えられます。

 

(2) 立場を明確にしている権利者も

権利者によっては、MADに対する態度を明言している場合もあり、MAD制作の際のガイドラインを公表しているところもあるようです。そのため、MADの制作を検討する場合は、権利者の態度を確認することが必要でしょう。権利者がMADに対する態度を明らかにしている場合、その意思に反する行動は著作権侵害として権利主張される場合があるからです。

なお、企業営利目的の下、権利者に無断でMADを制作することは許されない場合がほとんどです。そのような行為は社会的にも非難されかねず、企業イメージも低下しかねません。企業などが行う場合は、権利関係をすべてクリアした上で行うべきでしょう。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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