コラム

03-6773-8180
平日 10:00~18:00

撮影した動画の写り込みや音の著作権は認められるの?|ゲームの実況プレイは?

動画を撮るときって、いろんなものが写り込んじゃうと思うんですよ。スマホムービーを撮るときもそうだし、PCの画面をキャプチャするときも。そういうときも、写り込むものの著作権に気を付けなきゃいけないんですか?

前に「写り込み」の話をしたの、覚えてます?あの規定は、写真だけでなく動画にも適用されますなので、軽微な写り込みであれば、あの規定でOKになることが多いと思いますよ。

あ、それなら良かったです。写り込んだものの全部をチェックするのは大変だと思ったんですよ。

写り込み」で許される範囲は、写真より動画の方が広い気がします。撮影する範囲が広いですから。それに、「写り込み」の規定は音にも適用されるんですよ。だから、撮影中に突然音楽が鳴ってきて、それが動画に入り込んでしまったとしても、それは著作権侵害にはなりません。

じゃあPCで解説動画を作っていて、途中パソコンの効果音が鳴ったとかでも、OKになるんですか。

だと思います。

おおー、じゃあ自分で撮影するのは結構アリですね。

そうですね。場合によっては「引用」も使えると思いますし。

ちなみに素朴な疑問なんですけど、ゲームの実況プレイってあるじゃないですか。あれはいいんですか?

ゲームの画面には著作権が認められるでしょうし、「写り込み」などにもあたらないでしょうから、適法とは言いづらいですね。でも、ネット上に残っていることを考えると、二次創作などと同じで、グレーなところかも知れませんね。

なんかネットって、グレーが多いですね。

著作権の法律自体、ネットに対応し始めたのがごく最近ですからね。

そうなんですか。

とりあえず、動画に関してはあまり気にせず、自分で作ってみることにします。

それがいいと思います。ただ、「写り込み」はあくまで「軽微」なものに限られますし、「引用」も他人の作品が「従(サブ)」でなければいけません。なので、どうしても他の作品がメインに写り込んでしまう場合は、権利者の許諾を検討してくださいね。

【解説】

(1) 「写り込み」は動画にも適用される

動画を作成する際、気をつけなければならない事の1つとして、他人の作品無断で利用してしまうことがあげられます。他人の作品が動画に入り込んでしまうと、著作権制限規定に該当しない限り著作権侵害となってしまいます。動画を作成する際に使えそうな著作権制限規定は、いわゆる「写り込み」に関する規定と、「引用」があります。

特に、「写り込み」は動画に適用される範囲が広いと考えられますので、積極的に利用するのが良いでしょう。なお、「写り込み」に関しては、写真(画像)の記事で説明したとおりです。

 

(2) 「写り込み」にも限界はある

写り込み」や「引用」などの規定があるとはいえ、それらの適用範囲は無制限ではありません。写り込む作品が動画のメインを占めてしまうような場合は、やはり権利者の許諾を得る必要があるでしょう。

なお、パソコンのソフトの解説動画などに関しては、権利者が一定の条件のもとに一般的な許諾を与えている場合があります。そのような動画の作成を考えるにあたっては、企業のウェブサイトを見るなど一通りの調査を行うことが有用な場合があるでしょう。

 

弁護士への法律相談(初回30分無料)はこちらから。

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

関連記事

CONTACTお問い合わせ

ご質問やご相談については、まずはお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせください。