コラム

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サイトをパクられたときの対処法③:どんな権利主張や手続をするのかを決める

目標を設定しました。とりあえず差止損害賠償を請求します。

そうですか。それが一番多く設定されているものでしょうね。

それで、次に何をすればいいんですか?

裁判ですか?

相手方に権利主張をするのはそうなんですが、やり方はいろいろあります。

裁判だけじゃありません。

そうなんですか?

どういうのがあるんですか?

大きく2つに分かれます。裁判での請求(いわゆる「任意請求」)と、裁判の請求です。

裁判外でもできるんですか?

はい。しかも任意請求形式が決まっている訳ではないので、メールフォームでメッセージを送るのでも、立派な任意請求です。
でも、一般的には手紙でしょうね。任意請求の中では、弁護士名内容証明郵便を送るのが、一番強固な手段といえます。

いきなり弁護士から手紙が来たらビックリしちゃいそうですね・・。

任意請求で、両者の折り合いがつけばそこで終わりとなります。

コンテンツの削除請求だと、相手から反応がないけどいつのまにか消されているという例もありますね。

相手が応じなかったら、どうなるんですか?

交渉で折り合いがつかなかったり、相手が何も反応しなかったりしたら、もう裁判上の請求しかないですね。

任意請求では強制力がないので。

じゃあ、もう訴えるしかないんだ?

はい。
訴えたあと、裁判手続の中で和解することもありますが、相手が一歩も引かないとかであれば、もう判決をもらうしかないですね。

判決って、訴えてからどのくらいの期間でもらえるんですか?

事案にもよりますけど、普通の訴訟だと最低でも1年くらいはかかりますね。

1年!? そんなに?

はい。ただ短くする方法もないわけではありません。
例えば差止請求仮処分が利用できます。これだけだと数週間で終わることもあります。
あとは損害賠償請求でも、請求する金額が小さければ簡易裁判所に訴えるという手もありますね。

方法にもいろいろあるのか・・。

でも、著作権訴訟専門的な訴訟ですから、やっぱり普通の裁判になることが多いです。
なので、いかに早く有利に紛争を終わらせるか、どこで折り合いをつけるかも最初に考えておくことが必要です。
そういう意味で、手段の選択戦略の一つといえますね。

【解説】

(1) 権利主張の方法いろいろ

著作権侵害があるとしても、相手に権利主張する方法はさまざまです。

この権利主張の方法は、大きく分けて2つあります。裁判の請求(いわゆる「任意請求」)と、裁判の請求です。

裁判外の請求(任意請求)については、特に形式は決まっていません。

手紙が一般的ですが、口頭電話メールでも請求として成立します。
任意請求のうち、最も強固な手段は内容証明郵便、それも弁護士名で送るものでしょう。

任意請求には強制力はありませんが、早い解決が期待できるというメリットがあります。
また、相手の出方反論を見るためにも、訴える前に一度裁判外の請求を行うことが多いです。

任意請求で交渉し、両者の折り合いがつけばそこで紛争は終わりです。
この場合、あとから紛争を蒸し返されないためにも、合意の内容示談書などの書面に残すことが望ましいといえます。

 

(2) 裁判を考えるときは

任意請求からの交渉が決裂したりした場合は、裁判上の請求を行うほかありません。

通常の裁判では、解決までに少し時間がかかります。

裁判を進める中で和解も可能ですので、ここで折り合いがつけば早期に解決することもあります。
ただ、こちらが引く必要のない事案や、絶対に許せない場合などには、徹底的に戦うべきでしょう。

なお、差止の場合は仮処分という手続が使えますので、場合によっては数週間で結論が出ます。
コンテンツの削除請求だけが目標の場合は、比較的早く終わるといっていいかも知れません。

著作権訴訟専門的なものですから、裁判で争う場合は専門家に依頼することをおすすめします。

 

(3) 手続の選択も一つの戦略

権利主張も結局紛争ですから、戦略が必要です。

一番初めの手段の選択が、後の結果を大きく左右することも少なくありません。

そのため、どういう手段をとればいいか分からないといった場合や、綿密な戦略を立ててアクションを起こしたいといった場合には、やはり専門家に一度相談されることが必要でしょう。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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