プロバイダのログとは?保存期間が発信者情報開示請求に与える影響
発信者情報開示請求について調べていると、プロバイダのログ保存期間が重要ということを目にすると思います。
そこで、この記事では、ログ保存期間が発信者情報開示請求に与える影響について整理してみたいと思います。
プロバイダのログとは
プロバイダのログとは、通信記録のことです。
この通信記録には、投稿に使われたIPアドレスや通信日時などが含まれています。
そして、これら記録から、投稿に使われた回線の契約者の情報を特定することができます。
そのため、ログが残っていればこれをたどって発信者特定の可能性がありますが、ログがなくなってしまうと発信者特定は極めて困難になります。
ログの保存期間とは
ほとんどのプロバイダは、ある通信がなされてから一定期間経過後にログを消去してしまいます。
つまり、ログが記録されてから消去されるまでがログの保存期間ということができます。
このログをどのくらいの保存すべきかは、法律などで決まっているものではありません。
そのため、ログ保存期間はプロバイダによってまちまちです。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクなど、携帯電話回線のログは3か月程度でログが消えてしまうところが多いです。
OCN(NTTコミュニケーションズ)などの固定回線はそれより長く、6か月からそれ以上保存されていることが多い印象です。
ログの保存期間を延長してもらうには
プロバイダによっては、「発信者情報開示請求を予定しているため、このログの保存期間を延ばしておいてほしい」と要請すれば、それに応じてくれることがあります。
また、任意請求を行うと、それによってログ保存期間の延長の効果が得られることもあります。
その他、ログ保存のために裁判(仮処分)をすることもあります。
ログ保存期間が発信者情報開示請求に与える影響とは
ログ保存期間が経過すると、発信者特定の特定が極めて困難になります。
そのため、例えば、1年以上前の投稿について発信者を特定したいと思っていても、それが成功する可能性は高くありません。
投稿者の特定は時間との勝負といわれるのは、この理由によるものです。
ログ保存期間については以上のとおりですが、プロバイダのログ保存期間が経過しても、ケースによっては発信者特定の可能性が残されています。
ご自身のケースについて、詳しい見通しについて知りたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。