まとめサイト運営者に知ってほしい「パクり」の種類や対処法
「WELQ」の事件により、キュレーションサイトやまとめサイトに対する批判が高まっています。
これによってキュレーションサイトやまとめサイトの炎上の危険性は高まっており、第二の「WELQ」が生まれる可能性も十分にあるところです。
そこで今回は、キュレーションサイトやまとめサイトをこれからはじめる方だけでなく、すでに運営している方にもできる法的な対処法について説明してみます。
「パクり」の批判への対処法
キュレーションサイトやまとめサイトへの批判として大きいものは、「他人のコンテンツをパクっている」という点です。
「パクり」は法的には著作権の問題ですので、法的対処法としても、著作権侵害にならないようにすることが重要です。
対処法は、「パクり」(つまり類似の)コンテンツの種類によって変わってきます。
画像の「パクり」について
写真やイラストなどの画像は、ほとんどすべてに著作権が認められます。
そのため、ネット上から適当に拾ってきた画像を利用することは著作権の問題があり、批判の対象となります。
万が一著作権を侵害する形で画像を使用している場合は、画像の差し替えを行いましょう。
また、画像素材を提供するサイトを使用していることもあると思いますが、そこの利用条件に違反していると、著作権侵害になります。
そのため、利用している画像提供サイトの利用条件(利用規約)はもう一度確認しましょう。利用条件に違反していることが判明している場合は、その条件を満たすよう使用形態を変えることや、画像の差し替えの対処が必要です。
※画像の著作権について詳しくはこちら
文章の「パクり」について
文章にも著作権は認められますから、誰かのブログ記事などをコピペすることは著作権侵害の行為として、批判の対象となります。
もっとも、文章の「内容」については、著作権は認められません。つまり「表現」が違えば、「内容」が同じであっても著作権侵害とはならないのです。
小手先の加工(例えば、「~です。~ます。」調を「~だ。~である。」調に変えるだけ)では著作権侵害となりますが、文章の流れや構成まで変えてしまえば、著作権侵害とはなりません。
コピペに近い形で記事を流用しているような場合は、(「内容」が同じでも構いませんので)独自の「表現」といえる程度にまでリライトすることが必要でしょう。
また、「引用」として利用する場合は、その要件を満たすことが必要です。
※「内容」と「表現」について詳しくはこちら
※「引用」について詳しくはこちら
表示・広告規制違反への対処法
今回の「WELQ」事件では、薬事法の表示規制違反が批判の対象となりました。
薬事法をはじめ、法律には「表示すべきもの」「表示してはいけないもの」のルールが多く存在しています。
そのため、コンテンツの内容を確認し、表示・広告規制違反がある場合はすぐに削除またはリライトしましょう。
表示・広告規制がある代表例は、次のとおりです。
・金融商品取引法
・景表法(不当景品類及び不当表示防止法)
・特商法(特定商取引に関する法律)
・消費者保護法 など
どのような表示・広告規制が適用されるかは、サイトの種類によって変わってきます。自身のサイトに表示・広告規制が適用されるものであるかは一度確認してみましょう。
情報の「発信者」としての自覚をもつこと
キュレーションサイトやまとめサイトは、他者の作ったコンテンツを使用するものです。
しかし、そのコンテンツを使用している以上、サイト管理者自身にもそれらのコンテンツの内容について責任があります。
”自分が作ったものでないから関係ない”ということはできません。
「WELQ」の問題も、外部ライターや一般ユーザーに記事作成を任せ、内容のチェックがずさんになっていたことが炎上の原因のひとつでした。
キュレーションサイトやまとめサイトを運営するときも、やはり情報の「発信者」としての自覚をもつことが、炎上を防止する最も重要な心構えといえます。
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