不特定多数のユーザーとデータを共有したい場合に、特定のサーバー上へアップロード・ダウンロードする方法よりも、ファイル共有ソフトの活用は効率的な方法といえます。torrent(トレント)も代表的なファイル共有ソフトのひとつですが、利用にあたっては違法ダウンロードや違法アップロードに該当しないよう十分注意しなければなりません。
torrent(トレント)での違法行為が発覚し摘発に至った事例は少なくありませんが、なぜ個人の特定や逮捕者が出るのか疑問に感じたことはないでしょうか。本記事では、torrent(トレント)で違法行為を行った人物が特定される仕組みや流れについて簡単に解説します。

torrent(トレント)の仕組みとは

torrent(トレント)とは、P2P技術を用いたファイル共有ソフトの名称です。しかし、これだけでは何のことか分からないという方も多いため、P2Pの基本的な仕組みも踏まえて詳しく解説しましょう。
通常、あるユーザーがインターネット上からファイルをダウンロードしたいと考えた場合、そのファイルを公開しているWebサイトにアクセスしてダウンロードボタンを押下します。
このような仕組みはファイルを公開している「サーバー」があることが前提となりますが、あまりにも多くのユーザーが集中してしまうとダウンロードが低速化したり、アクセスそのものが遮断されるリスクもあるのです。
また、公開元であるサーバー上からデータが削除されたり、サーバーそのものが故障してしまうと、再びそのファイルをダウンロードすることはできなくなってしまいます。
そこで、torrent(トレント)ではP2P技術を採用することでこのような問題を解消しています。torrent(トレント)は特定のサーバーをもたず、ネットワークに参加しているユーザー同士でデータのアップロードやダウンロードを行っています。そのため、仮にAというデータを100人のユーザーで共有している場合、そのうちの1人がデータを削除しても、残りの99人の間でデータを共有できるのです。
これにより、従来のように特定のサーバーに対してアクセスが集中するリスクがなくなります。
なお、torrent(トレント)以外にもさまざまなファイル共有ソフトは存在しますが、torrent(トレント)の場合はデータをダウンロードした場合、自身がもっているデータをアップロードしなければならないという義務があり、この点がほかのファイル共有ソフトと比べて決定的な違いといえます。
torrent(トレント)の違法ダウンロードやアップロードの違法性について

「P2P」や「ファイル共有ソフト」という単語を聞くと、違法なソフトウェアなのではないか、と感じる方も少なくありません。
しかし、torrent(トレント)を含むファイル共有ソフトは、それ自体が違法なものではなく、ダウンロードやアップロードするデータの内容によって違法性が問われることもあり、実際に逮捕者が出たケースも多々あります。
具体的には著作権で保護されている映画やドラマ、音楽、ゲーム、ソフトウェアなどのコンテンツがそれにあたり、これらをダウンロードまたはアップロードした場合に罪に問われる可能性があるのです。
torrent(トレント)の違法ダウンロードおよび違法アップロードについては、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。
>>ファイル共有ソフト「トレント(torrent)」の使用は捕まる?捕まらない?違法性や逮捕事例について解説
torrent(トレント)で身元特定から開示請求がくるまでの仕組み・流れ

実際にtorrent(トレント)を使用し違法ダウンロードや違法アップロードを行った場合、どのような仕組みや流れで身元が特定され逮捕者が出たり、摘発となるのでしょうか。
IPアドレスから個人を特定される?IPアドレスとは?
インターネットにアクセスする場合、必ずIPアドレスが付与されます。これはインターネット上の住所にあたるようなもので、ランダムな数字の羅列で表記されており、ISP(インターネットサービスプロバイダ)によってユーザーごとに割り振られています。
私たち一般のユーザーが第三者のIPアドレスを入手したとしても、個人の氏名や住所、連絡先などを特定することはできません。
それは、個人を特定できる情報はISP(インターネットサービスプロバイダ)によって厳重に管理されており、公開できる情報ではないためです。
IPアドレスから身元特定の仕組みについて
上記で説明したIPアドレスの仕組みから、「インターネットは匿名性が担保されており、身元特定はできないのでは?」と考えている方もいるかもしれません。
たしかに、通常であれば通信の秘密は担保されており、IPアドレスから個人情報を割り出すことは不可能です。しかし、インターネットによって犯罪行為・違法行為が行われた場合となると話は変わってきます。警察当局や裁判所などからの開示請求・開示判決があった場合、ISP(インターネットサービスプロバイダ)はIPアドレスから個人に紐付けられた情報を開示するのが一般的です。
また、仮にISPへ契約しておらず、自前でサーバーを立て個人名で登録している場合には、ISPを通すことなく所有者が特定できてしまいます。

まとめ
今回紹介してきたように、ファイル共有ソフトであるtorrent(トレント)そのものは違法性がなく、PCにインストールしただけでは罪に問われることはありません。
ただし、データのダウンロードやアップロードが著作権を侵害している場合、違法性を問われる可能性もあります。
torrent(トレント)の利用にあたっては、氏名や住所といった個人情報を一切入力することがないため、個人を特定するのは難しいだろうと感じる方も多いと思いますが、警察や裁判所から所定の手続きを経てISPに対して開示請求・開示判決があれば、インターネット回線の契約情報が開示され自宅や個人名が特定されてしまうのです。
そのため、torrent(トレント)を含むファイル共有ソフトの利用にあたっては、法に抵触するデータのダウンロードやアップロードは絶対に行うべきではありません。
torrent(トレント)に関する相談対応の流れについて
- まずはウェブサイトから法律相談の申し込みをしていただきます。
- その後、電話もしくは面談・ウェブ会議にて当事務所の弁護士が相談内容についてヒアリング等をさせていただき、事件の見通しやお見積りを法律相談の際に説明します。こちらから契約を強引に勧めることは一切なく、当日に契約する必要はございませんので、ご安心ください。
- 相談を受けてから実際に依頼することとなった場合には、相談者と弁護士との間に委任契約書を締結した後、着手金のお支払いをしていただきます。
- その後、当法律事務所の弁護士が回答期限までにプロパイダに対して回答書を送付します。非開示の場合は解決、個人情報が開示された場合は開示請求者との示談交渉を行い、示談によって解決へと導きます。
●時間はどれくらいかかるの?
スケジュール感に関しては、非開示の場合は1~2週間、個人情報が開示された場合は示談交渉が1~2か月ほどかかりますので、ご理解ください。
また、勝訴率について規定によりお伝えすることができかねますので、ご了承ください。
●これまでの実績は?
当法律事務所では、WEBに関する知識のある弁護士が対応し、これまでに70件以上の実績がございます。
ファイル共有ソフトの使用に関する意見照会書を受領した方について、当事務所では次のような費用で対応を承っております。
法律相談料 | 5,500円/30分あたり(税込・初回30分は無料) |
着手金 | 成功報酬 | |
意見照会に対する回答の 作成及び代理 |
165,000円~(税込) | 0円 |
●セカンドオピニオンの相談は可能?
もちろん可能です。『他事務所に相談したところ「すぐに開示に同意して示談金を支払うべき」と言われたが、非開示の可能性を探りたい』といった方のご相談も多数お受けしております。このようなケースでも、非開示の方針をご提案できる場合がございます。
●相談の費用や相談までの日数は?
法律相談は初回30分に限り、無料です。
電話であれば、最短当日での対応も可能ですので、お気軽にご連絡ください。

Webに関わる法律であればお気軽にご相談ください
torrent(トレント)を利用していると、どれが違法データなのか判断がつかなかったり、自分では気づかないうちに違法と思われるファイルをアップロードしていた、というケースもあります。
torrent(トレント)の使用で開示請求を受けた場合や、損害賠償請求を受けている場合は、ぜひ一度当事務所までお気軽にご相談ください。また以下の記事では、開示請求を受けたときの対処法について解説していますので、ご参照ください。
>>【BitTorrent(トレント)】ファイル共有ソフトの使用で開示請求を受けたときの対処法