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トレント(torrent)の使用は特定される?トレントの特定の仕組みについて解説

トレント(torrent)での違法行為が発覚し摘発に至った事例は少なくありませんが、匿名であるはずのトレントについて、なぜ個人が特定されたり逮捕者が出たりするのか疑問に感じたことはないでしょうか。

・トレントを使ったことがあり特定されるか不安
・なぜトレントの使用が特定されるのか疑問

このような思いでこの記事をご覧の方もいらっしゃると思います。

本記事では、トレントで個人が特定される仕組みについて簡単に解説します。

トレントで個人が特定される仕組み

トレントの使用者が特定されるのは、一般的には以下のような流れになります。

トレントの使用者が特定される最大の理由は、P2Pという通信方式が採用されているためです。

P2Pでは、ユーザー同士で直接データのやり取りをします。データのやり取りをするためには、お互いのデータの送受信先(いわばインターネット上の住所)を知る必要があります。

このインターネット上の住所に該当するものが「IPアドレス」です。トレントにおいては、ファイルのやり取りをしているユーザーはお互いのIPアドレスを把握することになります。

そのため、トレントのネットワークに参加することで、対象のファイルをやり取りしている他のユーザーのIPアドレスを取得できてしまうのです。

ちなみに、著作権者によってはトレントの監視システムを利用して機械的にIPアドレスを取得するということもあります。代表的な監視システムは「P2P FINDER」というものがありますが、ほかにも独自に開発した監視システムを利用してトレントを監視するメーカーもあります。

IPアドレス取得後の発信者情報開示請求

取得したIPアドレスを対象にwhois検索すると、そのIPアドレスを管理する経由プロバイダが判明します。

この経由プロバイダに対して発信者情報開示請求の手続をとることで、契約者情報が開示され個人が特定に至るということになります。

経由プロバイダが任意の開示に応じない場合でも、著作権者は経由プロバイダに対して裁判を起こすことができます。この裁判では、開示を認める判断がなされることがほとんどですから、IPアドレスを取得されたトレント使用者は特定されるリスクは相当高いといえます。

なお、著作権者による発信者情報開示請求ではなく、警察の捜査によってプロバイダから情報が開示され個人が特定されるというパターンもあります。

トレントの使用は必ず特定されるのか

仮にトレントで違法にファイルのやり取りが行われていたとしても、すべてのファイル共有行為が開示請求の対象になるわけではありません。

とはいえ、トレントで違法にアップロードされた疑いのあるファイルをダウンロードすることは、著作権者の監視の対象となりIPアドレスを取得されるリスクのある行為です。

また、トレントの監視によって得られたIPアドレスを対象とした開示請求について、裁判所は基本的には開示を認めるという考え方のようです。

開示請求を受け、プロバイダから意見照会書を受け取ったときは、すでに法的問題になっていることを意味します。

そのため、この場合は無視せずご自身の個人情報が開示されるリスクは相当程度あると考えたうえで対応を検討する必要があるでしょう。

>>トレントに関するよくある質問についてはこちらでも解説しています。

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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