Twitter(ツイッター)の削除依頼の方法を弁護士が解説!
SNSでの誹謗中傷は社会問題化しており、特に多くのユーザーが利用しているTwitterは被害が拡大しやすい傾向にあります。Twitter社でも誹謗中傷への対策は強化しているものの、「削除依頼をしたのに消されていなかった」というケースは少なくありません。
本記事では、Twitterで誹謗中傷被害を受けた際の削除依頼の方法や、投稿が削除されなかった場合にとるべき行動について詳しく解説します。
Twitterに対しての誹謗中傷ツイートの削除依頼の方法
Twitterで誹謗中傷の被害に遭った場合、対象のツイートをしているアカウントに対してDM(ダイレクトメッセージ)を送信して削除を依頼することもできます。
しかし、この方法だと相手が逆上して被害が悪化したり、依頼のメッセージを無視されたりして対処してもらえないケースも少なくありません。
そこで、Twitter社に対して対象ツイートの削除を依頼することもできます。削除依頼の手順は以下の通りです。
- 対象のツイートの右上「・・・」をタップ
- 「ツイートを報告」を選択
- 自分自身が誹謗中傷の被害に遭っている場合には「自分」を選択
- 「私のアイデンティティを理由に攻撃されている」、「嫌がらせを受けている、または暴力によって脅迫されている」などから該当する内容を選択
- 行為の内容などを選択
上記のほか、以下のURLからTwitterのヘルプセンターへアクセスし、誹謗中傷の被害を報告することも可能です。
URL:https://help.twitter.com/ja/forms/safety-and-sensitive-content/abuse
上記の方法で報告を送信すると、Twitter社から本人確認のメールが届くことがあります。
このメールが届いた際に顔写真付きの本人確認書類をアップロードすることで、おおよそ10日以内に削除依頼へ応じてるかどうかの返信が届きます。
誹謗中傷コメントやツイートが削除されないのはなぜ?
ツイート内容が誹謗中傷にあたると思っていたのに、Twitter社へ削除依頼をしても対応してもらえなかったというケースもあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
誹謗中傷にあたらないと判断された
ネガティブな内容のツイートをしていたとしても、それが誰を指すものなのか特定することが難しい場合などは、報告者に対する誹謗中傷と断定することができず、削除が難しいケースがあります。
また、明らかに自分以外のことを指したツイート内容であると判断された場合も、削除申請をしても対応してもらえないケースもあるようです。
問題の内容を適切に伝えられていない
一口に誹謗中傷といっても、名誉毀損にあたる内容なのか、プライバシーの侵害、または名誉感情侵害(侮辱)にあたる内容なのかによっても報告の仕方は変わってきます。
たとえば、「◯◯さんには前科がある」といった内容の投稿に対して、名誉感情の侵害にあたると報告をしても、Twitter社では名誉感情の侵害にあたるとはいい難いと判断せざるを得ず、問題が解決できません。
昔のアカウントでも削除することは可能なのか
Twitterを見てみると、過去にアカウントを開設し投稿していたにもかかわらず、ここ数年は投稿が途切れているアカウントも少なくありません。
このように長年にわたって放置されているアカウントが、過去に自分を誹謗中傷する投稿を行っていた場合はどうなのでしょうか。
まず、アカウントの運用そのものがされていないことから、直接DMを送っても相手は気づかない可能性が高く、ユーザー同士での交渉は難しくなります。
そのため、Twitter社へ削除依頼を行い対応してもらうのが現実的な方法といえるでしょう。
もちろん、昔のアカウントであったとしてもツイートそのものが残っている場合には、期間を問わずツイートの削除の依頼申請対応は可能です。
アカウント事体の凍結は可能なのか
誹謗中傷を繰り返すアカウントがあった場合、その行為が悪質と判断されるとTwitter社側でアカウントを凍結することがあります。
具体的にどのような行為が悪質であると判断され、アカウント凍結に至るのかは公表されておらず、あくまでもTwitter社側での判断に委ねるしかありません。
なお、誹謗中傷にあたるツイートを報告し当該ツイートが削除されたとしても、その時点でアカウント凍結に至るとも限りません。また、1人のユーザーからの報告だけでアカウント凍結に至ることも極めて少なく、複数の報告があって初めてアカウント凍結に至る可能性があります。
警察に相談した場合の対応はどうなる?
誹謗中傷にあたるツイートに悩んでいる方のなかには、問題を早期に解決するために警察への相談を考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ツイートの内容によっては警察に相談しても解決が難しいケースがあります。
たとえば、プライバシーの侵害や単なる嫌がらせの域を出ない内容については、刑事事件としての捜査が難しいことから解決に至らない可能性があるのです。
また、第三者から脅迫を受けていたり、名誉毀損や侮辱にあたる内容を投稿されている場合には、刑事事件として捜査対象となる可能性はあります。
もっとも、悪質と判断される場合でない限り警察が捜査を開始することはほとんどありません。そのため、相談するに越したことはありませんが、全ての件について実際に捜査してくれるわけではないということには注意が必要です。
弁護士に削除依頼をしたときの流れについて
Twitter上での誹謗中傷を受けた場合には、弁護士へ相談する方法もあります。
弁護士へ依頼した場合、まずはTwitter社へ削除依頼を送りますが、法的根拠を明確に示すため投稿の削除がスムーズに進む可能性が期待できます。
また、誹謗中傷をした加害者に対して損害賠償を請求することも可能ですが、この場合は前提として加害者を特定する必要があります。加害者を特定するためには「発信者情報開示請求」という手続をとることになります。
なお、プロバイダのログ(通信記録)には保存期間があり、それを経過してしまうと特定が不可能になることもあるため、加害者特定もお考えの方はできるだけ早い段階で弁護士へ相談することがおすすめです。
ツイートを証拠として残しておく方法
Twitter上での誹謗中傷を受けたときには、Twitter社への報告や警察への相談、弁護士への依頼など、さまざまな方法がありますが、いずれにしてもスムーズな解決に導くためには、ツイートの証拠を残しておくことが重要です。
証拠を残すための方法としては、スクリーンショットとして保存しておくことが一般的です。スクリーンショットを残していないと、加害者がツイートを削除した際に証拠がなくなってしまい、裁判が出来なくなる可能性があるためです。
なお、ツイッターのスクリーンショットを撮る際は、必ず裁判で使える方法で保存することが必要です。
証拠とするときのポイントは、次の4つです。
- PCでツイートを表示してスクリーンショットを撮る
- 「https://」から始まるURLがすべて表示された形で撮る(Chromeだと「https://」が省略されてしまうのでEdgeで表示する)
- 当該ツイート固有のURLを表示する(「https://twitter.com/(ユーザー名)/status/(数字)」という形になる)
- ツイートの日時を表示する
以上を押さえたスクリーンショットは次のようなものになります。
Webに関わる法律であればお気軽にご相談ください
SNS上でのトラブルは民事に関わるケースが多いことから、弁護士は心強い味方になってくれます。しかし、一口に弁護士といっても得意分野があり、すべての弁護士がSNSの問題に精通しているとは限りません。
問題の早期解決を図るためには、信頼できる弁護士を探すことが重要です。
Twitter(ツイッター)の誹謗中傷問題で気になることがありましたら、ぜひ一度当事務所へお気軽にご相談ください。