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Twitterの開示請求は難しい?開示対象や誹謗中傷について解説

Twitter

Twitterをはじめ、SNSでの誹謗中傷問題が注目されてきています。

誹謗中傷問題については、開示請求で犯人を特定する動きも多く見られるようになりました。
しかし、それについての情報が氾濫しているのも事実であり、中には過度に人を不安にさせるものや、不正確な情報も少なくありません。

そこで今回は、Twitterの誹謗中傷案件の情報を整理し、みなさんが疑問に思われるところをご説明したいと思います。

 

 

疑問① Twitterの投稿で情報開示(犯人特定)ができることは本当?

Twitterの投稿について、情報開示(犯人特定)を行うことは可能です。

報道されていないだけで、実際Twitterについて特定に至るケースは相当な件数があります。

 

Twitterの誹謗中傷案件が報道されることは多くはありませんが、だからといって「Twitterでは犯人特定がものすごく難しい」というわけではありません。

 

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疑問② Twitterの情報開示(犯人特定)はどんなところが難しい?

Twitterの投稿について情報開示(犯人特定)ができるといっても、それなりの難しさはあります。

海外法人に対して開示請求をしなければならないという点でもハードルはありますが、もっとも難しい点は、Twitterの開示するIPアドレスは「投稿時」のIPアドレスではなく「ログイン時」のIPアドレスであるという点です。

 

「投稿時」のIPアドレスであれば、それに紐づいた回線契約者の氏名や住所が開示の対象となるのは当然です。まさに違法な投稿を行った際のIPアドレスだからです。

しかし、「ログイン時」のIPアドレスは、違法な投稿との関連性が必ずしも明らかでありません。違法な投稿をするためにログインされたのか、それとも他のツイートを単に見るためにログインしたのか不明だからです。

そのような議論があり、「ログイン時」のIPアドレスに紐づいた回線契約者の氏名や住所が開示の対象となるかどうか、なるとしてもどの範囲で認められるのか、解釈が分かれている状況です。
(投稿直前のログイン時IPアドレスであれば、それに紐づいた回線契約者の氏名や住所は開示が認められるけれども、それ以前のログイン時IPアドレスや、投稿後のログイン時IPアドレスでは開示が認められないという解釈がとられることが多い印象です。)

裁判官によって解釈の違いがあるために(たとえミスなく開示請求が進んでも)特定に至らない可能性があるということが、Twitterの情報開示(犯人特定)の成功率を低くしている要因となっています。

 

ちなみに、2022年10月1日から施行される改正法によりこの点の議論は進みましたが、それでも未だにこの問題が解決されたとはいえない状況です。

 

疑問③ どういうツイートが開示対象?

嘘の事実を投稿して人をおとしめるようなもの(名誉毀損)や、人が普通は知られたくないような事実を公開するようなもの(プライバシー侵害)が、開示対象となる典型的なパターンです。

その他、他人の写真(画像)を無断で転載することで著作権侵害となることもありますし、肖像権侵害となることもあります。

どのような投稿が開示請求の対象となるかについて詳しくは次の記事で解説しています。

 

疑問④ ツイートされた内容が本当のことなら開示対象にならない?

発信者側からの言い分として「本当のことをツイートしただけ」と言われることがよくあります。

この言い分を考えるにあたっては、名誉毀損のケースとプライバシー侵害のケースを分けて考える必要があります。

 

名誉毀損のケース

名誉毀損のケースでは、「本当のことをツイートした」というのは開示請求に対する有効な反論になります。

ただ、いくら本当のことであっても、いやがらせ目的などでの投稿は開示対象になることがあります。

また、法律の世界では、「本当のこと」というのは、「(証拠上)本当のこと」という意味です。

そのため、いくら「本当のこと」といっても、証拠がなければそれは「本当のこと」とは扱われませんし、逆に証拠がそろっていればいくら嘘と思っていても「本当のこと」と扱われることがあります。

名誉毀損についてはこちらの記事でも解説しています。

 

プライバシー侵害のケース

一方、プライバシー侵害のケースでは、「本当のことをツイートした」というのは有効な反論になりません。

つまり、ツイートされた内容が本当のことであっても開示対象となります。

また、逆に、本当のことでなくとも、プライベートに関することであればプライバシー侵害として開示対象になることもあります。

プライバシー権侵害については、こちらの記事でも解説しています。

 

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疑問⑤ 意見を言っただけのツイートは開示対象になる?

基本的に、批判的な意見を言っただけでは開示対象にはなりません。

批判的なものであっても、意見を言うことは表現の自由の範囲内だからです。

 

ただ、嘘の事実を前提にした意見は開示の対象になることがあります。

例えば、そもそも不倫なんてしていないのに、「不倫をするなんて最低だ」と言うような場合です。

また、意見だとしても、あまりに攻撃的なもの、口汚いものなどは、表現の自由の範囲外として、開示の対象になることがあります。

この点について詳しくは次の記事で解説しています。

 

疑問⑥ 「自分は本当のことだと思っていたんです」という言い訳は通用する?

法律上は、本当だと信じたことについて「相当の理由」があれば、許されることがあるとされています。

しかし、実際にこれで許されるケースはあまりないと考えてよいでしょう。

これまでの裁判例からすれば、かなり信頼できる根拠をもって「本当のこと」だと信じた場合でなければ、許されていないからです。

例えば、「ネットで他の人もみんな言っていた」とか、「自分は他の人の投稿をコピペしただけ」という言い訳はまず通用しないと考えて差し支えありません。

 

疑問⑦ 法律があるのにTwitterで誹謗中傷があふれているのはなぜ?

この要因はいろいろなものが考えられますが、個人的には以下の3点が大きいと考えています。

 

  1. 基本的に被害者本人がアクションを起こさないと警察も裁判所も動かない
  2. 犯人特定には裁判の手続が必要で、この裁判に対応できる弁護士が多くない
  3. Twitter社から開示されるIPアドレス等の情報が、日本の法律が想定しているものではなく、このことが原因で開示ができないことがある

 

ただし、先述のとおり③については法律改正で改善される可能性があるようです。

 

疑問⑧ ツイートした人が、開示請求がなされているとわかるのはいつ?

プロバイダに対して開示請求がなされ、そのプロバイダが発信者に意見照会を行ったときが一般的です。

ただ、Twitter社が開示請求を受けた時点で、Twitter社が該当のユーザーにメールで連絡を行うこともあるようです(この記事執筆時点)。

そのため、早ければTwitter社からのメールを確認した時点、遅くともプロバイダから意見照会が郵送された時点で、ツイートした人は開示請求がなされているとわかります。

 

疑問⑨ Twitter社に対して開示の仮処分命令が出たということは、プロバイダに対する開示請求も必ず認められる?

「Twitter社に対して開示の仮処分が出された」ということと、「プロバイダに対する開示請求が認められる」というのは完全なイコールではありません。

 

確かに、開示の仮処分命令が出たということは、裁判所が対象のツイートについて「違法である」と一度判断したということになります。

しかし、開示請求の裁判を担当する裁判官は、仮処分命令を出した裁判官とは違います。

また、開示請求の裁判で、発信者側から意見照会に対する回答として詳細な反論がなされることがあります。

このように、プロバイダへの開示裁判がなされた場面と、Twitter社への仮処分命令が出された場面では、状況は同じではありませんから同じツイートについての裁判でも、その結論が変わることは十分考えらるのです。

 

なお、Twitter社から開示されたIPアドレス等の情報では、プロバイダ側で技術的に発信者が特定できないという事態も起こることもあります。

このようなケースでも、開示が実現することはありません。

 

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疑問⑩ 誹謗中傷のツイートをした人は、逮捕されたりする?

最近、ネットの誹謗中傷問題が注目されるようになり、警察等も以前よりはネットの問題について動いてくれることも増えたようです。

しかし、それでも、誹謗中傷で情報開示された人が全員逮捕されたりするわけではありません。

個人的な印象ですが、やはり逮捕されないケースの方が多いと思われます。

犯人特定に至っても、発信者側が示談交渉をするなどの対応をしていれば、基本的には民事の問題と判断され、逮捕などには至らないケースが多いのだと思います。(警察は自身らの活動が民事の交渉材料として使われることを極端に嫌がります。

 

もっとも、このことは軽微な名誉毀損や業務妨害についていえることです。

犯罪予告や、違法薬物のやりとり、児童ポルノのアップロードなどについては、厳しい取り締まりの対象となっています。

 

疑問⑪ 犯人特定後の損害賠償請求はどのようなもの?

犯人が特定された後は基本的に示談交渉に入り、そこで損害賠償の話し合いをします。

犯人特定後の示談交渉は、Twitterの案件であっても一般的なネット誹謗中傷案件とほとんど変わりません。

 

ネット誹謗中傷案件の示談の相場については、こちらの記事で解説しています。

 

まとめ

Twitterの誹謗中傷問題で、法律実務の実際のところは、以上説明したとおりです。

ただ、もちろんケースによって結論は変わってきますので、実際の案件で弁護士が対応する場合には、上記を踏まえつつも適切な方針を検討することになります。(このあたりが各弁護士の腕の見せ所といったところでしょうか。)

 

当事務所ではTwitter社への情報開示請求について豊富な実績があります。

また、Twitterへの投稿で開示請求を受けた方の非開示に向けた対応や示談対応についても承っております。

 

「自分のケースでも開示できるのかな?」とか「自分のツイートに対して開示請求を受けてしまった」という方は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。

 

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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