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ネットショップの契約が成立するタイミングはいつ?トラブル防止策も解説

ネットショップを運営していると、契約関係がなかなか理解しづらいこともあると思います。

そこで今回は、ネットショップの契約関係について、少し整理してみましょう。

 

契約が成立するタイミングは?

お客さんからの注文に対して、ネットショップ側が送る「承諾しました」という内容のメールがお客さんに届いた時点です。

必ずしもお客さんがそのメールを開いて読む必要はありません。

お客さんのメールボックスに入った時点で、契約は成立します。

なお、ネットショップ側で送ったメールが文字化けしていた場合など、「承諾しました」という内容のメールが読み取りできない状態の場合は、契約は成立しません。

 

自動返信メールでも契約は成立する?

多くのネットショップでは、注文すると自動返信メールが送られることがあります。

これによって契約が成立するかは、そのメールに書かれている内容によります。

そのメールに「ご注文を承りました」といったような内容が書かれていれば、契約は成立します。

そのような内容が書かれておらず、単に「注文内容の確認」のメールであれば、契約は成立しません。

 

契約が成立するとどうなる?

ネットショップ側は商品を渡す義務が、お客さん側はお金を払う義務が生まれます。

契約が成立した後は、両者が契約に縛られますから、基本的に商品や金額を変更したり返品やキャンセルすることはできなくなります。

 

契約は早めに成立させた方が有利?

必ずしもそうとはいえません。

契約が成立すると、ネットショップ側も法的に縛られます。

そのため、契約を成立させた後に、商品の金額を間違えて設定していたことや、商品の在庫がないことが判明してしまうと、契約不履行になる可能性もあるのです。

そのため、自動返信メールに「承諾」の内容を入れ込むことが必ずしも良いとはいえません。

 

お客さんとのトラブルを防止するには?

承諾した」という内容のメールは、こちらが問題なく商品を渡せるようになってから送るべきでしょう。

ネットショッピングの場合、お客さんから注文があったからといって、必ず契約しなければならない訳ではありません。

そのため、受注にあたって在庫の確認や審査等が必要な場合、それをクリアしてから「受注した」という内容のメールを送っても大丈夫です。

もっとも、「承諾した」という内容のメールをなかなか送らないのもトラブルの原因になりますから、こちらが問題なく商品を提供できるようになったらすぐにメールを送りましょう。

 


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弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。