サイト・サーバー管理者に削除・開示請求がきたときに準備するべきものとは?
前回は、サイト・サーバー管理者が負う責任についての一般的な解説をしました。
今回は、削除・開示請求がなされた場合に備え、”やっておくべき事前準備”について解説します。
利用規約・利用契約の整備
まずやるべきことは、サイト利用規約・サーバ利用契約の整備です。
これは、主に利用者(ユーザー)に対する損害賠償のリスクを回避するものです。
削除・開示請求がなされる以上、サイト・サーバ管理者は、これに応じなければならないケースもあります。
しかし、削除・開示請求に応じると、今度は利用者から
”表現の自由が侵害された(削除した場合)”
とか、
”プライバシーの侵害だ(発信者情報を開示した場合)”
などというクレームが発生することがあります。
これらのクレームが損害賠償責任に発展することがありますから、利用規約・利用契約の整備は必須でしょう。
利用規約・利用契約に記載すべき内容
削除・開示請求に備え、最低限次の内容は記載しておきましょう。
・サイト・サーバ管理者による削除・開示があり得ること(削除・開示権限)
・管理者による削除・開示があっても免責されること(免責事項)
その他、サイトの種類などによって記載するべき利用規約・利用契約の内容は異なります。
万全の対応を行いたいと考える際には、専門家に相談しましょう。
対応フローの構築
次に行うべきことは、実際に削除・開示請求がなされたときの対応フローを構築しておくことです。
これは、主に削除・開示請求を行う請求者(被害者)への損害賠償リスクを回避するものです。
サイト・サーバ管理者が損害賠償責任を負うことになったケースは、削除・開示請求への対応を誤ったか、もしくは遅すぎた場合がほとんどです。
請求を受けてから対応を検討するのでは、迅速に対応できませんし、不適切な対応をしてしまう可能性もあります。
そのため、事前に対応フローを構築しておくことは必須でしょう。
対応フローはどのようにすべきか
対応フローは、プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)を意識したものとする必要があります。
具体的には、こちらのサイトなどを参考にしながら構築することになります。
サイトの種類によって構築すべきフローの内容は違いますので、本項ですべてを説明することはできません。
万全の体制を構築してリスクを最小限にしたいと考える際には、やはり専門家に相談しましょう。
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第一回:【サイト・サーバ側】サイト・サーバー管理者が負う責任
第二回:【サイト・サーバ側】削除・開示請求に備えた事前準備
第三回:【サイト・サーバ側】任意請求で削除・開示を受けたらやるべきこと
第四回:【サイト・サーバ側】削除・開示請求には応じるべき?