インターネットに関わる様々な問題を弁護士が解決します

【発信者情報開示請求】名誉毀損とは?どのようなネット投稿が名誉毀損になるのか

発信者情報の開示が認められる代表的なケースが名誉毀損です。

この記事では、名誉毀損とは何か、またどのような投稿が名誉毀損となるのかについて解説しています。

 

名誉毀損とは

名誉毀損とは、文字通り人の名誉を傷つける行為です。

 

ここでいう「名誉」とは、社会一般から受ける評価(社会的評価)を意味します。

社会一般から受ける評価が下がったとき、その人の名誉が傷ついたと判断されます。

 

あくまで社会一般から受ける評価が問題となりますから、単にその人が気分を害したとか、ほんの数人からの評価が下がったというだけでは名誉毀損にはなりません。

また、社会的評価が低下したとしても、それが公共のため必要な表現活動といえるときも、例外的に名誉毀損は成立しません。

 

これらのことを踏まえ、名誉毀損の要件についてみていきたいと思います。

 

名誉毀損の成立要件

 

特定性(同定可能性)が認められるか

まず、どんなにひどい誹謗中傷であっても、それが誰を指しているか一般人がわからなければ、名誉毀損は成立しません。

そのため、名誉毀損が成立するためには、その投稿が開示請求者のことを指しているといえることが必要です(このことを「特定性(ないし同定可能性)」といいます。)。

 

特定性について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

 

 

社会的評価の低下があるか

社会的評価の低下については、「世間のイメージ・印象が悪くなる」くらいの意味と考えておきましょう。

社会的評価の低下が認められるようなものとしては、次のようなものがあります。

社会的評価の低下があるとされる記載例
  • 犯罪を行っている
  • 不貞行為・不倫行為をしている
  • 違法薬物を使用している
  • 腐った料理を提供している
  • 医療ミスをした
  • 残業代を支払っていない
  • 職場で女性スタッフの身体を触るなどしている
  • 職場で部下に対して暴言や暴力を繰り返している   など

 

なお、ネガティブな内容のレビューや感想でこの社会的評価が低下するかどうかについては、こちらの記事で解説しています。

 

問題となっている投稿に特定性(同定可能性)が認められ、かつ、その投稿よって社会的評価の低下があれば、基本的には名誉毀損が認められます。

 

違法性阻却事由があるか

違法性阻却事由というものがあると、例外的に名誉毀損は成立しません。

名誉毀損の場合、次の3つの要件のすべてが認められれば基本的に違法性阻却事由があると判断されます。

 

違法性阻却事由が認められる三要件
  1. 表現の内容が公共の利害に関することがらであること
  2. その表現がもっぱら公益を図る目的でなされたこと
  3. 摘示された事実が真実であるか、真実と信じたことについて相当の理由があること

 

このうち、発信者情報開示請求との関係で最も重要なのは③です。

投稿の内容が嘘であるという証拠があれば、開示が認められる可能性が高くなり、逆に真実であるとの証拠があれば、開示が認められる可能性が低くなります。

 

例えば、「○○株式会社は残業代を出さない会社だ」という投稿について、タイムカードや給与明細の記載から、本当に残業代を出さないことが証明されれば、名誉毀損は認められない方向に大きく傾きます。

 

判断に迷う場合は弁護士に相談を

名誉毀損に関する一般論は以上のとおりですが、判断に迷うケースも少なくないと思います。

それぞれのケースで名誉毀損が成立するかの見通しを立てるためには、やはり一度弁護士に相談されることをお勧めします。

 

初回30分無料!相談申込はこちら

 

ABOUT US

渡辺 泰央
渡辺 泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。 ウェブサービス、スマートフォンアプリをはじめとするIT関連、デジタルコンテンツ関連案件の訴訟、紛争や意見書作成、契約書作成、著作権侵害性リサーチなどを得意とする。