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口コミサイトの運営における名誉毀損やその他注意すべき法律について解説

商品を買うときやレストランを決めるとき、ネット上の口コミレビューを見て情報収集することはごく一般的なことになりました。

そのため、今では口コミサイトは人気サービスのひとつとなっています。

しかし、投稿された口コミの内容によっては、事業者に多大な影響を与えることもあります。
そのため、口コミサイトにまつわる法律トラブルは非常に多くなっています。

そこで今回は、口コミサイト運営の際に注意すべき点についてまとめてみます。

 

投稿された口コミについてサイト管理者が責任を負うことも

まず注意しなければいけないことは、投稿された口コミについて、サイト管理者が法的責任を負うこともあるということです。

その内容について、詳しくはこちらでまとめています。

”口コミはサイトの利用者(投稿者)が行ったもので、サイト管理者側に責任はない”と考えるのは控えましょう。

 

最も注意すべきは「名誉毀損(信用毀損)」

口コミを投稿するのは一般の利用者ですから、主観が入ります。
中にはネガキャン(ネガティブキャンペーン)とよばれる悪質な行為がなされることもあります。

そのため、ネガティブな内容の口コミが投稿されることも少なくありません。

嘘の情報によって事業者や商品の評判を低下させることは「名誉毀損(信用毀損)」に該当するものですから、このような口コミについて法的請求がなされたときの対策は必須ということができるでしょう。

 

ネガティブな口コミすべてが「名誉毀損」になるわけではない

どのような内容が名誉毀損に該当するかは法律で決まっており、それにあたらなければ、たとえネガティブな内容であったとしても違法にはなりません。
名誉毀損の判断方法についてはこちらで説明しています)

口コミサイトに対しては、削除請求発信者情報開示請求がなされることが少なくありません。

しかし、それに応じるには法律面からの検討をしなければいけません。
安易に削除・開示に応じる必要はありませんし、またそうするべきでもないのです。

ネガティブな情報をすべて削除してしまっては、サイトのコンテンツも少なくなってしまいますから、削除・開示請求がなされたときは、法律に従った対応をすることが必要です。

 

「名誉毀損」以外に注意すべきもの

口コミサイトを運営していると、名誉毀損以外にも、例えば次のような権利主張をされることがあります。

1.業務(営業)妨害

例:ネガティブな口コミによって売上が減った。これは営業妨害だ!

 

2.営業秘密の侵害

例:会社の内部情報が書かれている。営業秘密が侵害されている!

 

3.商標権・名称権の侵害

例:勝手に会社や商品の名前を掲載している。商標の無断使用だ!

 

これらについても、実際に違法となるかどうかは法律に照らして判断しなければいけません。

口コミの内容によっては、違法とはいえず削除や開示する義務がないことも多いですから、法的な判断は慎重に行いましょう。

 


口コミサイトの運営にあたっては、法的請求がなされることも少なくなく、主張のバリエーションも豊富です。
法的な請求に備え、体制の整備をしっかり行っておくことが成功のカギであるといえるでしょう。

 

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第二回:【サイト・サーバ側】削除・開示請求に備えた事前準備
第三回:【サイト・サーバ側】任意請求で削除・開示を受けたらやるべきこと
第四回:【サイト・サーバ側】削除・開示請求には応じるべき?
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弁護士 渡辺泰央
弁護士 渡辺泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。