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BSAからの不正インストールの通知|失敗しない対処法【弁護士解説】

BSAという団体から不正インストールをしているという疑いをかけられ、調査を要請する通知が届くことがあります。

こういった通知はある日突然届くもので、適切な対応が全く分からないという方がほとんどだと思います。

そこでこの記事では、BSAから不正インストールに関する通知を受け取ったときの失敗しない対処法について具体的に説明したいと思います。

この記事はこんな人におすすめ

  • BSAからソフトウェアの不正インストールがあるとして通知が来たが、どう対応すればよいかわからない
  • 自社の調査の結果、従業員が無断で不正インストールを行っていたことが判明した。
  • 一度回答したら次々と会社資料の提出を求められ、手におえない。
  • 合意書へのサインを求められたが、本当にサインしてよいか不安である。

>>「ソフトウェアメーカーからの」通知書への対応方法については以下の記事で解説しています。

なぜBSAから通知が届くのか

BSAからの通知が届く理由は、そのほとんどが情報提供(通報)によるものです。

BSAは定期的に通報を促す広告を提供していたりしています。

ケースとして多いのが、退職した従業員による通報です。

退職した職場に対して悪感情を持ったために通報することも多く、中には嫌がらせに近い通報もあります。しかし、そのようなケースでもBSA側が通知を送ってくることがあります。

BSAを騙るメールには注意

過去にBSAを名乗る団体から電子メールが届いたという事例があります。この点についてはBSA側も注意喚起していますが、BSAから電子メールで連絡が来ることはありません。基本的には法律事務所からの書面が届くものですので、BSAを名乗る電子メールについては無視するのが適切であり、メール本文中のURLのクリックなども行わないようにしましょう。

参考:BSAを騙る不審なメールにご注意ください

BSAからの通知への適切な対処法

対処法① 焦って回答しない

まず心がけることは、焦って回答しないということです。

不正インストールの通知書には回答期限が設定されており、焦ってしまう方がほとんどです。しかし、通知書に書かれた期限を守らないからといって直ちに取り返しのつかない事態になるということはありません。

むしろ、最初の回答はその後の交渉に決定的な影響を与えます。

そのため、通知書記載の回答期限を守ることよりも、慎重に検討したうえで回答することの方が優先順位が高いと考えるべきです。

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なお、過去の裁判例で、不正インストールを行った後に正規品を購入しても、過去の不正インストールについての責任は消滅しないと判断されたものがあります。そのため、「通知が来たけど正規品を購入したからそれで一件落着」とは考えない方が良いでしょう。

対処法② 適切にインストール状況を調査する

不正インストールの通知書には、ソフトウェアのインストール状況を調査するよう記載されています。適切な調査のポイントとしては、以下のようなものです。

調査対象のソフトウェアを確認する

BSAから調査を求められるのは、会社内の全PCの全部のソフトウェアではありません。

BSAからの通知書には、ソフトウェアメーカーが列挙されていますので、そこに記載されたメーカーのソフトウェアのみが調査の対象です。

そこに記載されていないソフトウェアまで調査することは膨大な手間と時間がかかりますし、場合によっては別のトラブルに発展する可能性も否定できません。

そのため、まずは通知書をしっかり確認し、調査対象のソフトウェアがどの範囲かを確認しましょう。

ソフトウェアの取得経緯を確認する

調査対象となるソフトウェアのインストールが確認されたら、次はその取得経緯を確認します。

正規店から購入したとか、信頼できる代理店から購入した場合は不正インストールの可能性は低いでしょう。

一方で、正規の値段よりかなり安い料金でネットショップやオークションで買っていたり、インターネットで拾ったプロダクトキーを利用したような場合は、不正インストールの可能性が高いといえます。

ソフトウェアの購入が証明できる資料を見つけておく

ソフトウェアを購入している場合は、購入履歴がわかる資料を見つけておきましょう。

購入履歴としては、領収書や納品書、注文を受け付けた旨の電子メールでも証拠になりますが、以下の情報が明記されているものが望ましいといえます。

証拠による証明が望ましい情報

  • 購入日
  • 購入金額
  • ソフトウェアの種類(ソフトウェア名やバージョンなど)
  • 購入したライセンスの数

対処法③ 必要な範囲で報告する

ソフトウェアのインストール状況やその取得経緯はさまざまなものがあります。

そのため、調査の対象となったソフトウェアの中にも、回答すべきもののほか、回答すべきでないものも含まれていることがあります。

回答の内容によっては、事案をかえって複雑にしたり、自身の首をしめるようなことになることもありますから、回答の前に一度弁護士に相談されることを強くお勧めします。

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BSAへの回答後の流れ

BSAへの回答後は、BSA側がその内容を確認し、さらに通知書が送付されてきます。

不正インストールがあったことを報告し、その状況が通報の内容と大きく異ならない場合は、示談の話し合いがなされることが一般的です。

一方で、不正インストールがないと報告した場合や、通報の内容と大きく異なる場合は、再度の調査や立入検査の要請がなされることもあります。

さらに、流れによってはBSA側が裁判手続に移行することもあります。裁判手続としては、証拠保全、調停申し立て、訴訟提起などがあります。

>>立入検査や証拠保全については以下の記事で解説しています。

>>不正インストールに関する示談については以下の記事で解説しています。

不正インストールしていたら弁護士に相談しても無意味か

仮に不正インストールが発覚したとしても、弁護士に相談するメリットはあります。

場合によっては、会社の責任にはならないケースもあり得ますし、BSAの要求する損害賠償の額は、必ずしも法律的に妥当といえないこともあります。

弁護士に相談することで、この点について専門家のチェックを受けることもできます。

>>弁護士に依頼できることやそのメリットについてはこちらの記事で解説しています。

あくまで「法律問題」としての対応を

ソフトウェアの不正インストールのは法律問題ですから、「会社にとって不利なこと・やましく思えることを正直に伝えたから温情がある」などということは基本的にないと考えましょう。

むしろ、そうすることで法的に責任を負う必要のない部分まで責任を負ってしまい、かえって会社に損害を与えてしまうということもあり得ます。

対応には慎重な判断が必要ですが、特に以下のような事情があるときは、速やかに専門家に相談のうえ、しっかりとした対応を行いましょう。


当事務所では、不正インストールの通知が来たケースの対応に豊富な実績があります。

ご心配事やご相談したいことがある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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