ある日突然、ソフトウェアメーカーやBSA、ACCSからソフトウェアの不正インストールをしているという疑いをかけられ、調査を要請するという通知が届くことがあります。
- ソフトウェアの不正インストールがあるとして、権利者(BSA、ACCSやソフトウェアメーカー)から通知が来たが、どう対応すればよいかわからない。
- 自社の調査の結果、従業員が無断で不正インストールを行っていたことが判明した。
- 一度回答したら、次々と会社資料の提出を求められ、手におえない。
- 合意書へのサインを求められたが、本当にサインしてよいか不安である。
この記事では、不正インストールに関する通知を受け取ったときの対処法について具体的に説明したいと思います。
通知書に書かれた調査要請にはすぐに回答した方がいい?
焦って回答する必要はありません。

すぐに回答したからといって、法的に有利になることはありません。
また、特に最初の回答はその後の交渉に決定的な影響を与えます。
通知書に書かれた期限も絶対的なものではありませんから、この段階で専門家のアドバイスを受けるなどして、慎重に検討したうえで回答することを強くお勧めします。
不正インストールに関する通知が届いたときに必ずやるべきことについてこちらの記事で解説しています。
立入検査の要請には応じなければならない?
権利者側(BSA、ACCSなどを含む)からの通知書に立入検査の要請があることがありますが、基本的に、この立入検査は任意のものです。これに応じる法的義務まではありません。

もっとも、不誠実な態度を示し続けると「証拠保全」が認められる根拠などになり得ますから、拒否の判断には慎重な検討が必要です。
証拠保全はどのようなもの?
簡単に説明すると、裁判所の職員が自社オフィスに来て、PCの中身などオフィス内にある証拠の開示を求めるものです。
任意の立入検査と違い、法律に基づいた手続です。
証拠保全や任意調査について詳しくはこちらの記事で解説しています。
不正インストールが見つかったら、弁護士に相談してもムダ?
そんなことはありません。
仮に不正インストールがあったとしても、場合によっては、会社の責任にはならないケースもあり得ます。
また、権利者側(BSA、ACCSなどを含む)の要求する損害賠償の額は、必ずしも法律的に妥当といえないこともあります。
弁護士に相談することで、この点について専門家のチェックを受けることもできます。
弁護士に依頼できることやそのメリットについては、こちらの記事で解説しています。
不正インストール案件の示談はどのようなもの?
示談がどのようになるかはケースによって違いますが、ほとんどの案件に共通するものやよくあるパターンというものもあります。
示談が実際どのようなものかについては、こちらの記事で解説しています。
今から正規のライセンスを買えば問題ないのでは?
過去の裁判例で、不正インストールを行った後に正規品を購入しても、過去の不正インストールについての責任は消滅しないと判断されたものがあります。

「通知が来たけど正規品を購入したからそれで一件落着」とは考えない方が良いでしょう。
あくまで「法律問題」としての対応を
ソフトウェアの不正インストールのは法律問題ですから、「会社にとって不利なこと・やましく思えることを正直に伝えたから温情がある」などということは基本的にないと考えましょう。
むしろ、そうすることで法的に責任を負う必要のない部分まで責任を負ってしまい、かえって会社に損害を与えてしまうということもあり得ます。
対応には慎重な判断が必要ですが、特に以下のような事情があるときは、速やかに専門家に相談のうえ、しっかりとした対応を行いましょう。
当事務所では、不正インストールの通知が来たケースの対応に豊富な実績があります。
ご心配事やご相談したいことがある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。