ある日、突然、BSAやACCSなどの団体からソフトウェアの不正インストールの通知が送付されてくることがあります。
この通知を受けるととても驚きますし、不安になると思います。
しかし、不正インストールの問題は法律問題ですから、対応を誤ると取り返しのつかない事態になることもあります。
そこで今回は、このような通知に対して、法的に正しい対応をするために必ずやるべきことをまとめてみます。
絶対に焦って回答しない
不正インストールの問題は法律問題ですから、法的にみて正しい対応をしなければいけません。
焦って対応してしまうと、本来は責任を負わなくてもよいことにまで責任を負ったりすることにもなり得ます。
当たり前と思われるかもしれませんが、まずは焦ってアクションを起こさないことが一番大事です。
回答期限を確認する
この種の通知は調査の結果を報告するよう求めるものがほとんどで、その回答期限も記載されています。
この期限に遅れたからといって、直ちに法的なペナルティがあるわけではありませんが、証拠保全などの法的措置を受けることになる可能性もありますので、回答期限は一応意識しておきましょう。
なお、調査に時間がかかるなどの場合、回答期限の延期を申し入れることも可能です。
ソフトウェアのインストール状況を確認する
社内のPCについて、通知書に記載されたメーカーのソフトウェアがインストールされているかどうかを調査します。
このとき、併せてシリアルナンバーの確認もしておきましょう。
なお、調査の対象はあくまで通知書に記載されたソフトウェアに限られます。それ以外のソフトウェアについては回答する必要はありません。
(インストールされている場合)ソフトウェアの取得の経緯を確認する
どのような経緯でソフトウェアがインストールされたかを確認します。
パッケージ版を買ったのか、ダウンロード版を買ったのか、プリインストールなのかなど、ソフトウェア取得の経緯はさまざまなパターンがありますが、これらをできる限り整理して把握す必要があります。
購入したことを示す資料があるかを確認する
正規にソフトウェアを購入したとすれば、それを示す形跡が残っていることがあります。
例えば、納品書、領収書、購入確認メール、送金履歴などです。
購入したことを直接示すものでなくとも、重要な証拠になることがあります。
どの範囲で回答するかを検討する
ソフトウェアのインストール状況やその経緯はさまざまなものがあります。
そのため、調査の対象となったソフトウェアの中にも、回答すべきもののほか、回答すべきでないものも含まれていることがあります。
回答の内容によっては、事案をかえって複雑にしたり、自身の首をしめるようなことになることもありますから、回答の前に一度弁護士に相談されることを強くお勧めします。
専門家への相談も考えましょう
不正インストールの問題は法律問題のなかでも、著作権という特殊な分野の問題です。
また、早い段階で専門家にチェックしてもらうことで今後の見通しが立てられ、適切な対応方法をとることができます。
場合によっては、会社の責任にはならない不正インストールもありますし、仮に不正インストールの責任を負う場合であったとしても、相手方の提示する和解条件が法律的に妥当かどうかもチェックすることができます。
焦って対応するとかえって自分の立場を不利にする場合もあり得ますから、少しでも不安な要素がある場合は、早い段階で信頼できる専門家に相談されることをお勧めします。
当事務所では、不正インストールの通知が来たケースの対応に豊富な実績があります。
ご心配事やご相談したいことがある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
不正インストールに関する解説記事についてはこちらをご覧ください。