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発信者情報開示請求の対象になる書き込み・投稿を5つにわけて解説

この記事では、掲示板やSNSへの投稿について、どのような投稿が開示の対象となるのか、代表的なものを解説しています。

 

※なお、「誹謗中傷」という言葉が使われることが多いですが、これは法律用語ではありません。「誹謗中傷」といわれる場合は、名誉毀損プライバシー権侵害、名誉感情侵害などを含むものと考えるのが良いでしょう。

 

名誉毀損

インターネット上の投稿で、開示の対象とされる代表的なものが名誉毀損です。

その投稿が名誉毀損にあたると、発信者情報の開示が認められます。名誉毀損とはどのようなものか、どういう場合に名誉毀損が成立するかは、こちらの記事で解説しています。

 

プライバシー権侵害

プライバシー権侵害も、開示の対象とされる代表的なものです。

プライバシー権侵害とはどのようなもので、どういう場合にプライバシー権侵害となるかは、こちらの記事で解説しています。

 

著作権侵害

著作権侵害も開示の対象となります。

開示請求における著作権侵害は、著作権侵害にあたることが明白なケースが多いです。

例えば、画像や動画をそのまま無断転載した場合、ほとんどのケースで著作権侵害となります。

 

一方、文章を転載する場合や、「引用」の形式になっている場合は判断が複雑になってきます。

著作権について詳しく知りたい方は、下のリンクからこのサイトの著作権に関する各記事を参考にしてください。

カテゴリー:WEBにおける著作権

 

名誉感情侵害(侮辱)

「バカ」「アホ」「クズ」など、単純な悪口のようなものについては名誉感情の侵害(侮辱)となる場合があります。

名誉感情とは、自分自身に対して持つ主観的な評価をいいます。「プライド」と言い換えてもよいでしょう。

名誉感情が侵害されたかどうかは本人の感じ方によるところが大きいですが、法律上は「社会通念上許される限度を超える」かどうかで判断されます。

「アホ」という記載が1つあるだけでは、「社会通念上許される限度を超える」と判断される可能性は低いでしょう。

しかし、「アホ」であっても何度も繰り返して書き込まれたり、「ゴキ●リみたいな顔だな」などと下品・下劣な表現が使われたときは、「社会通念上許される限度を超える」と認められる可能性が高くなります。

 

肖像権侵害

人はみな自分の顔や姿をみだりに撮影、公開されない権利を持っています。

このような権利を肖像権といい、肖像権を侵害するような投稿は開示の対象となります。

プライベートで撮られた写真や、非公開のSNS上にアップロードされた写真を転載して一般に公開することは肖像権侵害に該当する可能性が高いです。

一方、写真を公開することに本人が同意しているといえる場合には、開示の対象にはなりません。

例えば、ホームページで公開している顔写真を転載することは、基本的に肖像権侵害とはいえないでしょう。

しかし、写真の転載は著作権侵害には該当しますし、顔写真を使うことでその人のプライバシー権侵害となったり名誉毀損となるケースもあります。

したがって、インターネット上にあるからといって、他人の顔写真などを転載することは権利侵害となると考えた方がいいでしょう。


一般的な基準は以上のとおりですが、やはり個別具体的な事情によって結論は違ってきます。

ご自身のケースについて、詳しい見通しについて知りたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。

 

 

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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