コラム

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電話番号検索サイトの口コミ|悪評や誹謗中傷の被害を受けたときの法的対処法

電話番号検索サイトとは

電話番号検索サイトとは、電話番号に関する情報が掲載されたサイトです。対象となる電話番号は、電話番号として成立し得るすべての数字の組み合わせの電話番号となります。

このようなサイトは、知らない電話番号から着信があったとき、発信元を確認する際に有用です。

代表的な電話帳検索サイトは以下のとおりです。

電話帳ナビhttps://www.telnavi.jp/
JPナンバーhttps://www.jpnumber.com/
電話番号検索@迷惑電話チェックhttps://meiwakucheck.com/

しかし、電話番号検索サイトは一般ユーザーの投稿による情報を掲載していることから、掲載された情報によって悪評や誹謗中傷の被害を受けることがあります。

そこでこの記事では、電話番号検索サイトの口コミ投稿で被害を受けたときの法的対策について解説します。

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電話番号検索サイトにおける権利侵害

電話番号検索サイトでは、一般ユーザーのクチコミ投稿を掲載しています。

ユーザーが投稿をする際は匿名でよく、個人情報の登録が必須というわけでもありません。

そのため、競合他社を貶めるものや、事実無根の悪評誹謗中傷プライバシーを侵害するようなものも存在するのも事実です。

権利侵害の口コミの例

  • 詐欺商品を売りつける電話です
  • 根拠もなく支払いを請求してきます
  • 電話口で怒鳴りつけられた
  • パワハラが横行するブラック企業です
  • 〇〇(本名)の携帯電話です など

このような投稿を放置すると、営業活動や採用活動に支障が出たり、私生活の平穏を害するなど、深刻な被害をもたらす可能性があります。

有効な法的対策

権利侵害の口コミについては、法的措置を講じることが可能です。

取り得る法的措置は次のとおりです。

権利侵害の口コミに対して取り得る法的措置

  1.  削除請求
  2.  発信者情報開示請求(犯人特定)
  3.  (犯人特定後の)損害賠償請求

① 削除請求

削除請求は、権利侵害の口コミに対する法的措置として最初に検討されるものです。

削除請求では、電話番号検索サイトの管理者に対して掲載された情報の削除を求めることになります。
法的な権利侵害を根拠に削除請求をすることができ、仮にサイトの管理者がこれに応じない場合は裁判手続もとることができます。

② 発信者情報開示請求(犯人特定)

削除請求によって口コミが削除されても、その後に同様の口コミが投稿されることがあります。
こういったケースは少数の人間が繰り返し投稿していることが多く、投稿者を特定し直接法的措置を取ることで将来の被害を防止することが適切です。

発信者情報開示請求は、まずはサイト管理者に投稿者のIPアドレス等の開示を請求し、その後に経由プロバイダに対して投稿者の氏名住所などの情報を開示する流れとなります。

開示請求には裁判手続が必要ですが、2022年に新設された発信者情報開示請求の手続により、比較的短期間(最短で2~3か月程度)で開示できるケースも増えています。

③ (犯人特定後の)損害賠償請求

発信者情報開示請求により投稿者が特定された後は、その者に対して損害賠償請求を行うことが一般的です。

請求する損害賠償の額はケースによりますが、慰謝料やそれまでかかった弁護士費用を請求することになります。

示談交渉を経て示談になることも多く、その際は示談金の支払のほか、口外禁止や今後投稿しないことを示談書に規定することがほとんどです。

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法的対策を弁護士に依頼することはできるか

電話番号は企業や個人に直接紐づく情報ですから、電話番号と関連して悪評や誹謗中傷の口コミを投稿されることは、極めて強い権利侵害であるといえます。

一方で、法的措置には専門の法的知識が必要であり、弁護士に依頼することが最もスムーズな解決につながるといえます。

当事務所では、電話番号検索サイトの口コミに関する削除請求や開示請求を承っております。

ご相談を希望される方は、ぜひ一度当事務所までお問い合わせください。

相談や対応の流れ

STEP
お問い合わせ

まずは電話やウェブサイト、LINE等から法律相談の申し込みをしていただきます。

STEP
ご相談内容のヒアリング

電話もしくは面談・ウェブ会議にて当事務所の弁護士が相談内容についてヒアリング等をさせていただき、事件の見通しやお見積りを法律相談の際に説明します。
こちらから契約を強引に勧めることは一切なく、当日に契約する必要はございませんので、ご安心ください。

STEP
委任契約の締結

相談を受けてから実際に依頼することとなった場合には、相談者と弁護士との間に委任契約書を締結した後、着手金のお支払いをしていただきます。

STEP
弁護士による法的対応

当法律事務所の弁護士がサイトや経由プロバイダ、投稿者に対して法的請求や裁判手続を代理して行います。削除のみご希望の場合は削除完了をもって解決、開示請求をご希望の場合は開示請求者を行い、その後投稿者との示談交渉を行ったうえで、示談によって解決へと導きます。

よくある質問

時間はどれくらいかかりますか?

ケースによって異なりますが、目安としては以下のとおりです。

削除請求の場合:1か月以内

開示請求の場合:3か月~半年程度(請求の相手方の対応によって変動します)

他の法律事務所でできないといわれたケースでも相談することはですか?

もちろん可能です。特に削除請求については多角的な方法から検討いたしますので、解決の糸口が見つかる可能性もあると思います。

弁護士費用

電話番号検索サイトの投稿によって被害を受けた方について、当事務所では次のような費用で対応を承っております。

法律相談料
5,500円(税込)※初回30分は無料
削除請求
110,000円(税込)~
発信者情報開示請求(裁判)
330,000円(税込)~

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「証券訴訟」とは|制度の概要・投資家の勝訴可能性

「証券訴訟」とは

証券訴訟とは、有価証券報告書等の虚偽記載(粉飾決算など)によって上場会社の株価が下落した場合に、投資家が提起する損害賠償請求の訴訟をいいます。

証券訴訟における損害賠償請求の法的根拠は、民法709条の一般不法行為のほか、金商法18条1項(発行市場での株式取得者に対する責任)、同21条の2(流通市場での株式取得者に対する責任)があります。

平成16年改正前の旧証券取引法(現在の金融商品取引法)においては、虚偽記載に関する規定としては発行市場での株式取得者に対する責任のみがあり、流通市場での株式取得者に対する責任の規定はありませんでした。

平成16年改正によって、流通市場での株式取得者に対する責任の規定が新設されました。なお、当初発行会社の責任は無過失責任とされていましたが、その後の平成26年改正において過失責任に変更されました。

虚偽記載に関する民事責任が法定されている趣旨

虚偽記載に対する特別の民事責任が規定されているのは、開示文書の虚偽記載が証券市場の透明性・公正性を害するものとしてもっとも非難されるべきものだからです。

虚偽記載は、有価証券の発行体自らが、投資家の投資判断に影響を与える企業開示情報に虚偽の記載をすることによって公正な市場価格の形成を阻害するものであって、証券市場の仕組みそのものをゆがめてしまうものです。

そこで、民事手続による被害者の救済を通じて虚偽記載を抑止することを目的として、虚偽記載に対する特別の民事責任が規定されました。

虚偽記載の対象となる開示文書の範囲

以下の開示文書に虚偽記載がある場合に、証券訴訟の対象となります。(流通市場での株式取得者に対する責任を前提にしています)

  • 有価証券届出書
  • 発行登録書
  • 有価証券報告書
  • 内部統制報告書
  • 四半期報告書
  • 半期報告書
  • 臨時報告書
  • 自己券買付状況報告書
  • 親会社等状況報告書
  • (これらの訂正報告書)など

*目論見書は対象外です。

証券訴訟の相手方(被告)となる者

証券訴訟の相手方(被告)となる者、つまり虚偽記載について責任を負う者は以下のとおりです。(流通市場での株式取得者に対する責任を前提にしています)

  • 会社
  • 役員等(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者)
  • 発起人
  • 監査証明をした公認会計士または監査法人

証券訴訟の相手方になり得る者は以上のとおりですが、会社は無過失の立証責任を負うとされているなど、取扱いに違いはあります。そのため、会社に対する損害賠償は認められた一方、役員等に対する損害賠償は認められないという結論が生じることもあります。

投資家側の勝訴可能性

虚偽記載の内容や発生原因は会社内部の事情であり、証拠を得られないため投資家(原告)側が勝訴する余地はないのではないか、という疑問を抱く方もいらっしゃると思います。

しかし、上場企業の虚偽記載が発覚した場合は、調査委員会(第三者委員会)が組織され、その調査結果の報告書は公表されることが一般的です。
また、証券訴訟においては、先述のとおり会社の過失に関する立証責任は転換されており、一部の投資家については損害額の推定既定もあります。

そのため、虚偽記載が発覚したケースでは投資家側が勝訴する可能性も決して低いものではありません。近年でも、東芝の粉飾決算について個人投資家に対する賠償を認める判決が相次いで出されております。

参考記事:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE22A180S4A320C2000000(不正会計、東芝に賠償命令 個人株主へ4800万円)

ネットの誹謗中傷は削除できる?削除方法や削除までの期間を解説

ネットの誹謗中傷は削除できるか

インターネットやスマートフォンの普及により、誰でも気軽に情報発信をすることが可能になりました。
しかし、実際はポジティブな内容の情報発信ばかりではなく、ネガティブな内容もあり、事実無根の内容で一般読者に間違った認識を与えるような情報も多く掲載されています。

違法な投稿を行った者(投稿者)に対して、被害者はその情報の削除を請求することが可能です。しかし、インターネットの情報は匿名での投稿も多く、投稿者が不明というケースも多くあります。

そのような場合の、ネットの誹謗中傷を削除する方法について解説します。

ネットの誹謗中傷の削除方法

削除請求の相手方

削除請求は、次の3者のいずれかに対して行うことが考えられます。

削除請求の相手方

  • ① 投稿者
  • ② 違法な情報を掲載しているサイト管理者
  • ③ 違法な情報を掲載しているサーバーの管理者

① 投稿者

投稿者は、自身の投稿した内容が権利侵害になる場合、それを削除する義務を負うことになります。
しかし、先述のとおりネットでは匿名で投稿されるケースも多く、投稿者に対して削除請求ができない事例もあります。
このような場合は、発信者情報開示請求を行い投稿者を特定することで、本人に対する削除請求を行うことができます。

もっとも、サイトによっては自己投稿を削除できないケースも珍しくありません。このような場合は原則として投稿者に対する削除請求を行うことは適当でないといえます。

② 違法な情報を掲載しているサイト管理者

違法な情報を掲載しているサイトの管理者も、請求を受けた際は削除する義務を負うことになります。
投稿の削除だけが目的の場合は、この方法を選択することが一般的です。

③ 違法な情報を掲載しているサーバー管理者

違法な情報を掲載しているサイトがレンタルサーバーを利用しているような場合は、そのレンタルサーバーの管理者に対して削除請求を行うことができます。レンタルサーバーも違法な情報を掲載している者であることに変わりはないからです。

ただし、サイトがCDNサービスを利用している場合などは、利用しているサーバーがすぐには判明しないというケースもあります。このような場合は、この③の方法は適切でないことも少なくありません。

削除請求の方法

削除請求の方法は、以下の2点があげられます。

2つの削除請求の方法

  • 1 任意請求
  • 2 裁判

それぞれについて解説していきます。

1 任意請求

⑴ 投稿者に対する任意請求(投稿者が特定されている場合)

任意請求とは、裁判の手続によらずに行う(削除の)請求をいいます。

投稿者に対する削除請求は、基本的には内容証明郵便を送付することで行います。
損害賠償も併せて請求することもでき、その場合は同じ内容証明郵便の通知書に削除請求と損害賠償請求の文言を併せて記載します。

交渉をしても投稿者が削除に応じない場合は、2の裁判を選択することになります。

ちなみに、違法な投稿を行ったアカウントに対して、DMなどの方法で削除請求を行う方法も考えられます。しかし、この方法は注意が必要です。
というのも、DMで削除請求を行うことは、相手に「開示請求が未了である」ということが伝わることを意味します。
そうすると、「開示請求を行う意向がない(又は不可能)のではないか」という認識を与える可能性があり、削除に応じないばかりか、かえってDMをスクショされて晒されるなどの二次被害が発生する可能性もあります。また、証拠隠滅をしたうえで、開示請求を受けないような誹謗中傷が改めて投稿されるといった被害も考えられます
そのため、DMなどで削除請求を行う場合であっても、開示請求の準備を完了させたうえで行うことが無難でしょう。

⑵ サイト管理者・サーバー管理社に対する任意請求

実務上は、「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」という書面を郵送して行うのが一般的です。
発信者情報開示請求書の書式はプロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会のHPで公開されています。

郵送で発信者情報開示請求を行える点で任意請求はメリットがあります。
また、任意請求に応じて削除に応じる投稿者、サイト管理者やサーバー管理者も多くあります。

もっとも、削除請求の際は、その理由となる法的根拠を説明しなければならず、それが曖昧であったりすると、削除請求に応じないこともあります。
また、任意の削除請求には原則として応じないというサイトもありますので、そのような場合は2の裁判を選択するほかありません。

2 裁判

削除請求は、裁判の形で行うこともできます。
裁判所が開示を認めると判断した場合は、相手方はその判断に従って投稿を削除することになります。

一口に裁判といっても、削除請求の関係では更に2つの手続に分けられます。

削除請求における裁判の種類

(1) 仮処分

仮処分は、通常訴訟よりも早く審理が終わるという点でメリットがあります。
そのため、基本的には削除請求の裁判は仮処分の方法で行われることになります。
もっとも、担保金を供託しなければならないとか、原則として損害賠償請求を併せて行うことはできないという点には留意する必要があります。

(2)通常訴訟

通常訴訟は、削除だけの目的であれば選択されることはあまりありません。
削除だけでなく、投稿者やサイト管理者に対する損害賠償請求も同じ裁判手続で行う場合に選択される手続となります。

なお、2022年に新設された発信者情報開示命令申立の手続は削除請求には利用することができません。

削除までの期間

削除請求を行ってから削除が行われるまでの期間は、削除請求の相手方や選択する手続によって違ってきます。

それぞれの期間は、概ね以下のとおりです。

1 任意請求

投稿者に対する削除請求

3日から1か月程度

サイト管理者に対する削除請求

1か月程度

サーバー管理者に対する削除請求

1か月程度

2 仮処分

1~2か月程度

3 裁判

6か月から1程度

まとめ

以上が削除請求の手続の説明です。

当事務所では、誹謗中傷の削除請求の実績が豊富にあります。

ネット誹謗中傷の削除請求についてお困りの方は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。

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発信者情報開示請求とは?手続の流れ・方法・犯人特定までの期間について解説

発信者情報開示請求とは

発信者情報開示請求とは、インターネット上の匿名の投稿によって権利侵害を受けた被害者が、サイト管理者や経由プロバイダに対して、発信者(投稿者)の特定に資する情報(発信者情報)の開示を請求する手続をいいます。

この制度は、プロバイダ責任制限法(正式名称:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)に定められています。

インターネットやスマートフォンの普及により、誰でも気軽に情報発信をすることが可能になりました。その反面、匿名の投稿による誹謗中傷も多く発生しています。

違法な投稿を行った者(投稿者)に対して、被害者は損害賠償等を請求することが可能です。しかし、投稿者の住所や氏名が分からなければ法的な請求を行うことはできません。

そこで、投稿者への法的請求の前段階として、匿名の投稿者を特定するための手段として使われるのが、この発信者情報開示請求の手続です。

発信者情報開示請求の流れ

発信者情報開示請求は、基本的に次の2ステップが必要です。

① サイト管理者に対する発信者情報開示請求
問題のある投稿が掲載されたサイトの管理者に対し、IPアドレスやタイムスタンプ等の開示を求める
② 経由プロバイダに対する発信者情報開示請求
投稿時のIPアドレスを割り当てた経由プロバイダ(ISP)に対して契約者の住所や氏名の開示を求める

これらを順番に解説していきます。

なお、2022年に施行された改正法により、発信者情報開示請求が1つの手続で可能になったということが報道されています。これは、上記①②を1つの裁判手続で行うことができるようになったということであって、①②のステップを取ることに変わりはありません。

① サイト管理者に対する発信者情報開示請求

匿名の投稿によって権利侵害を受けた被害者は、まず違法な投稿がなされたサイト(電子掲示板やSNS)の管理者に対して発信者情報開示請求を行います。

サイトの管理者が投稿者の氏名や住所などの情報を保有していることはほとんどありませんので、サイト管理者には、投稿に使用されたIPアドレスや投稿のタイムスタンプの開示を請求することになります。

② 経由プロバイダに対する発信者情報開示請求

サイト管理者からのIPアドレスの取得に成功すると、投稿時のIPアドレスを割り当てた経由プロバイダを調査することができます。

経由プロバイダとは、ユーザーに対してインターネットの接続サービスを提供する事業者を指します。例えば、NTTdocomo、KDDI、ソフトバンクのほか、NTTコミュニケーションズ、JCOMなどがあげられます。

経由プロバイダに対しては、サービス契約者の氏名や住所などの情報の開示を請求します。経由プロバイダからの情報の開示を受けることにより、違法な投稿をした犯人の特定が成功するという流れになります。

投稿者(犯人)特定までの期間は?

発信者情報開示請求を始めてから投稿者を特定するまでには、3か月~6か月程度かかることが一般的です。

サイト管理者や経由プロバイダによって発信者情報開示請求への対応はまちまちですから、その影響で特定までの期間に違いが生じてきます。

また、発信者情報開示請求を受けたサイト管理者や経由プロバイダは、発信者に対して「意見照会」を行う義務があります。発信者がこの意見照会に対して開示に同意すると回答した場合は、結果的に投稿者特定までの期間が短くなります。

発信者情報開示請求の具体的なやり方

発信者情報開示請求のやり方は、大きく分けて以下の2つがあります。

開示請求の方法

  • 1 任意請求
  • 2 裁判

それぞれについて解説していきます。

1 任意請求

任意請求とは、裁判の手続によらずに行う(発信者情報開示の)請求をいいます。

実務上は、「発信者情報開示請求書」という書面を郵送して行うのが一般的です。発信者情報開示請求書の書式は、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会のHPで公開されています。

郵送で発信者情報開示請求を行える点で任意請求はメリットがありますが、反面、任意請求では開示に応じないとするサイト管理者や経由プロバイダがほとんどです。

この理由は、サイト管理者や経由プロバイダは個人情報保護の義務を負っていることや、簡単に開示してしまっては投稿者からプライバシー権侵害の主張を受ける可能性があることがあげられます。

任意請求が有効に活用される場面もありますが、投稿者(犯人)特定を達成するための現実的な方法とはいいがたいところがあります。

2 裁判

実務上は、発信者情報開示請求を裁判の形で行うことがほとんどです。

裁判所が開示を認めると判断した場合は、サイト管理者や経由プロバイダはその判断に従って情報を開示することになります。

一口に裁判といっても、発信者情報開示請求の関係では更に3つの手続に分けられます。

開示請求の3つの方法

  • (1)仮処分
  • (2)通常訴訟
  • (3)発信者情報開示命令申立

(1) 仮処分

仮処分は、主にサイト管理者に対するIPアドレス等の開示請求のために利用されてきました。

通常訴訟よりも早く審理が終わるという点でメリットがありましたが、担保金を供託しなければならないなどのデメリットもありました。後述の発信者情報開示命令申立の制度ができた現在では、利用される場面は限定的といえます。

(2)通常訴訟

通常訴訟は、経由プロバイダに対してサービス契約者の住所や氏名の開示を請求する際に利用されてきました。
こちらも判決までに数か月かかるというデメリットがあり、発信者情報開示命令申立の制度ができた現在では、利用される場面は多くはありません。

(3)発信者情報開示命令申立

発信者情報開示命令申立は、2022年に新設された裁判手続です。
担保金の供託などは必要なく、また通常訴訟よりも早く決定が出ることがほとんどですので、現在ではこの手続が利用されることが多くなっています。

この制度の最大の特徴は、従来は別々の手続だったサイト管理者への開示請求と経由プロバイダへの開示請求を一括して行うことができる点です。

これにより被害者の手続の負担が減った半面、解釈や運用が定まっていない点もあり、課題がないというわけではありません。

まとめ

以上が発信者情報開示請求の手続の説明です。

当事務所では、発信者情報開示請求の実績が豊富にあります。

発信者情報開示請求についてお困りの方は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。

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ネットでした定期購入は解約可能?誤って契約した場合の対処法を弁護士が解説!

インターネットで化粧品やサプリメントを購入したら、実は定期購入の契約だった・・こういったトラブルが後を絶ちません。

・お試し価格でサプリメントを購入したら実は定期購入となっており多額の代金を請求された
・試供品の化粧品を申し込んだら自動的に定期購入の契約にさせられて困っている
・定期購入の契約を解約したいが、電話が一向につながらず解約できない

こういったお悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、ネットで誤って定期購入の契約をしてしまったときの対処法を、ネットの法律問題に強い弁護士が解説します。

誤って契約した定期購入は取消しできるケースがある

 

令和4年に施行された改正特商法(特定商取引に関する法律)により、誤って契約してしまった定期購入を取消しできる範囲が拡大しました。

具体的には、ネット契約の最終確認画面(「購入する」「申し込む」などのボタンがあるページ)が次のような場合に、取消しが認められます。

契約する商品の「総数」の記載がない(又は分かりづらい)

特商法には、契約する商品の総数を最終確認画面に明記しなければならないというルールがあります。

参考条文(特定商取引法)
第12条の6(特定申込みを受ける際の表示)
 販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。
(1)
当該売買契約に基づいて販売する商品若しくは特定権利又は当該役務提供契約に基づいて提供する役務の分量
(以下略)

 

例えば、「お試し3パック無料お届け」との表示がされていても、それが1年間の定期購入で毎月3パック届く場合は、「合計36パックの購入となります」と最終確認画面に表示されていなければいけません。
また、期間を定めない契約(解約するまで継続する契約)であっても、目安として例えば1年間に購入することになる数量は記載されていることが望ましいとされています。

このようなルールに違反し、単に「お試し3パック無料お届け」とだけ表示されている場合、又は注意深く読まないと気が付かない程度にしか表示されていない場合は、契約を取り消すことが可能です。

明確な「販売価格」の記載がない(又は分かりづらい)

特商法には、契約における価格を最終確認画面に明記しなければならないというルールがあります。

参考条文(特定商取引法)
第12条の6(特定申込みを受ける際の表示)
 (略)
(1)(略)
(2)当該売買契約又は当該役務提供契約に係る第11条第1号から第5号までに掲げる事項
(以下略)
第11条1号(通信販売についての広告)
 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
(1)商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
(以下略)

 

例えば、「今だけ980円!」との表示がされていても、それが定期購入であり、2か月目以降は10,000円であるような場合は、「1回目は980円」「2回目以降は10,000円」と最終確認画面に表示されていなければいけません。
また、仮にそれが1年契約である場合は、「合計11,980円」であることも明記する必要があります。

さらに、期間を定めない契約(解約するまで継続する契約)であっても、目安として例えば1年間の購入代金の合計額は記載されていることが望ましいとされています。

このようなルールに違反し、単に「今だけ980円!」とだけ表示されている場合、又は注意深く読まないと気が付かない程度にしか表示されていない場合は、契約を取り消すことが可能です。

「期間限定」の内容が事実と異なる

ネット通販の場合、契約を促すため期間限定をうたうことがよくあります。
期間が終了するまでの時間をリアルタイムにカウントダウンし、消費者を心理的に焦らすことも多くあります。
しかし、改めてそのページにアクセスするとカウントダウンしたはずの時間が戻っていたり、期間が経過しても同じように商品が販売されていることがあります。

特商法には「期間限定」の内容を最終確認画面に正しく表示しなければならないというルールがあります。

参考条文(特定商取引法)
第11条1号(通信販売についての広告)
(略)
(1)~(3)(略)
(4)商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約に係る申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
(以下略)

 

上記のようなケースは、このルールに違反するものであって、契約を取り消すことが可能です。

解約のルールについて記載がない(又は分かりづらい)

定期購入の契約を解約しようとしても、そこで初めて解約の条件(追加で個人情報を提供しなければならないとか、改めてアプリをインストールして操作しなければならないなど)や違約金の支払いを求められることがあります。
また、解約専用ダイヤルの電話番号があるものの、その電話番号にはいつかけても一向につながらないというケースもあります。

特商法には解約の条件を最終確認画面に正しく表示しなければならないというルールがあります。

参考条文(特定商取引法)
第11条1号(通信販売についての広告)
(略)
(1)~(4)(略)
(5)商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(第十五条の三第一項ただし書に規定する特約がある場合にはその内容を、第二十六条第二項の規定の適用がある場合には同項の規定に関する事項を含む。)
(以下略)

 

また、解約方法として電話によることを表示している場合は、確実につながる電話番号の表示が求められています。

上記のようなケースは、これらのルールに違反するものであって、契約を取り消すことが可能です。

その他取消しができるケース

上記のほかにも、以下のような場合には定期購入の契約を取り消すことができます

・最終確認画面に代金の「支払い時期」が明記されていない
・最終確認画面に商品の「引き渡し時期」が明記されていない
・契約成立のボタンであるにもかかわらず「送信する」「次へ」としか表示されていなかった
・実際は商品の購入であるにもかかわらず、「お試し」や「トライアル」という表現が強調されている
・実際は解約の条件があるにもかかわらず「いつでも解約可能!」という表現が強調されている など

定期購入の解約・取消しを実現する効果的な方法

まずは販売事業者の連絡先に連絡してみましょう。
連絡がつけば、契約を解約ないし取り消したい旨の意思を伝えましょう。

ただ問題なのは連絡先が明記されていないとか、連絡は付いたが解約に応じてくれない場合です。

このような場合は、販売事業者宛てに内容証明郵便を送付することが効果的です。

特に取消しは一方的な意思表示ですので、内容証明郵便でその意思が相手に伝わったことが記録として残れば、法律上はそれで取消しが成立します。

警察や自治体、消費生活センターへの相談は有効か

思いがけない定期購入の契約は詐欺のように感じられることもあります。そのため、警察や自治体、消費者生活センターへの相談をご検討の方も多いと思います。

もちろん、それらの機関も相談には乗ってくれますが、民事的なトラブルに直接介入したり、相談者の代理人としてトラブル解決にあたる権限があるわけではありません。

なお、(ケースにもよりますが)思いがけない定期購入の事例で「詐欺罪」が適用されるケースは少ないでしょう。そのため、警察に相談したとても、捜査を開始し逮捕などをしてくれる可能性はかなり低いといえます。

解約・取消しを弁護士に依頼することはできるか

誤って契約してしまったネットでの定期購入の解約・取消しを弁護士が代行することは可能です。
当事務所では、5,500円(税込み)~でネットの定期購入の解約・取消しの意思表示を代行いたします。

この記事でご説明した以外でも定期購入の解約・取消しができるケースもありますので、ネット定期購入の解約でお困りの方は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。

 

Vtuberにも認められる開示請求|成功のポイントや過去の裁判例について解説

近年、Vtuberの人気が高まっており、市場規模も年々拡大しているようです。

しかし、注目が集まると同時に問題となっているのが、Vtuberに対する誹謗中傷です。Vtuberへの誹謗中傷について開示請求が認められたという報道も目にすることがあります。

そこで今回の記事では、Vtuberの方による開示請求について、成功のポイントや過去の裁判例のまとめなどを紹介します。

この記事はこんな方におすすめ

・誹謗中傷を受けているVtuberの方
・Vtuberによる開示請求の成功のポイントが知りたい方
・Vtuberに関する過去の裁判例を知りたい方

Vtuberとは

Vtuberとは、過去の裁判例では2D又は3Dのバーチャルキャラクターを用いて動画配信等を行うYouTuberであり、声優等とは異なり、個人が当該キャラクターを操作することを前提とするものと定義されています(東京地判令和 4・7・1)。

外見上はバーチャルのキャラクターですが、Vtuberは演者(いわゆる「中の人」)として声を当てるほか、モーションキャプチャーの技術を使ってリアルタイムに表情や動きを読み取り、それをキャラクターの表情や動きに反映します。

活動内容は主にインターネットでのライブ配信や動画投稿ですが、歌手として楽曲をリリースしたり、最近ではCMに出演することも珍しくありません。

Vtuberはそのキャラクターを演じるというよりは、演者自身の活動を、バーチャルキャラクターというフィルターを通して提供しているという要素が強いといえます。
バーチャルキャラクターそのものの設定(アトランティスの末裔とか、海賊団の船長など)もありますが、ライブ配信における「雑談」やSNS上の投稿においては、演者自身の実際の経験(実際に食べたものや訪れた場所など)が話されることがほとんどです。

Vtuberが誹謗中傷の被害を受けやすい理由

Vtuberが誹謗中傷を受けやすい理由は様々考えられますが、代表的なものは以下の2点があると考えられます。

「中の人」の素性が公開されていない

Vtuberは、自身の素性を公開していないことが一般的です。

容姿や年齢、出身地などは明らかにされていないため、かえってそれらを知りたいという欲求が刺激される人も多くいることでしょう。

そのためか、憶測やリーク情報(らしきもの)によるプライベートの情報が投稿されることも多くあります。

また、中には他の名義で活動している人を、Vtuberの「前世」(過去の名義)として結び付け、「前世で●●と言っていた(公開していた)からこのVtuberは●●だ」などと投稿されることもあります。

Vtuberの素性が公開されていない以上、(褒められたことではありませんが)プライベートの情報が注目を集め、結果としてプライバシー権侵害が生じてしまうことがあります。

過激な発言による誹謗中傷の誘発

Vtuberの活動の中では過激な発言や性的(と受け取られるよう)な発言がなされることもあります。

過激な発言そのものが非難の対象になることもあります。

しかし、より多いのが「過激な発言や性的な発言をしている人だから、このくらい言っても大丈夫だろう」と誤解し、行き過ぎた誹謗中傷を投稿してしまうというものです。

もちろん、Vtuberとしてはエンターテイメントとして過激な発言をしているものです。その意味で、Vtuber側に落ち度があるわけではありませんが、それを誤った方向で受け取る人もおり、その結果誹謗中傷の誘発につながっているということがあります。

どのような投稿が開示請求の対象になるか

開示請求は、あくまで法的に権利侵害があることが必要です。単に「配信がつまらなかった」とか「ゲームが下手だった」というだけでは単なる意見・感想ですから、こういった投稿が権利侵害が認められる可能性は低いといえます。

一方、Vtuberに対する誹謗中傷の内容はある程度パターンがあり、権利侵害が認められるものもある程度決まっています。代表的なものは、以下が該当します。

Vtuberの権利侵害が認められる誹謗中傷の典型例

・知的障害や精神疾患に該当するとの指摘
・年齢の公開
・家族や交際相手についての指摘
・住んでいる場所に関する情報
・犯罪予告 など

また、Vtuberに対する誹謗中傷が掲載されるサイトもある程度決まっています。典型的には以下のようなサイトですが、そのほとんどが開示請求の対象とすることができます。

Vtuberに対する誹謗中傷が掲載されるサイトの例

・5ちゃんねる(5ch.net)
・好き嫌い.com
・X(旧Twitter)
・まとめサイト、トレンドサイト など

>>「好き嫌い.com」の誹謗中傷対策については以下の記事でも解説しています。

誹謗中傷対策としての開示請求のメリット

誹謗中傷対策としての開示請求のメリットは、次のものがあります。

  1. 投稿者本人に削除を請求できる
  2. 将来の投稿をしないよう誓約させることができる
  3. 損害賠償を請求することができる

① 投稿者本人に削除を請求できる

削除請求は、投稿が掲載されたサイト管理者やサーバの管理者に対して行うことが一般的です。

もっとも、投稿者自身が削除できる投稿(SNSのコメントなど)については、投稿者を特定して本人に削除請求を行った方が確実な場合もあります。

② 将来の投稿をしないよう誓約させることができる

誹謗中傷の投稿が削除できたとしても、同じ投稿者が同じような投稿を繰り返す場合は誹謗中傷対策として十分とはいえません。

このような場合は、投稿者を特定して、二度と投稿しないという誓約をさせることが効果的です。

開示請求を行うことは、「行き過ぎた行為には法的措置をとる」という態度を(投稿者以外にも)示すことができるため、将来の誹謗中傷を抑止するという効果も期待できます。

③ 損害賠償を請求することができる

損害賠償にあたっては、⑴慰謝料と⑵調査費用(特定にかかった弁護士費用)を請求することが一般的です。

損害賠償が数百万円に及ぶことはまれですが、それでも金銭的な負担を負わせることは投稿者にとって非常に大きいペナルティとなります。

投稿者特定後は示談で終わることが多いですが、示談交渉が決裂した場合は裁判手続に移行することも可能です。

開示請求を成功させるポイント

Vtuberの方も開示請求ができるといっても、Vtuberの案件特有の難しさがあります。開示請求を成功させるポイントとしては、以下の点があげられます。

特定性(同定可能性)の証明

Vtuberはその素性を公開してはいないことが一般的です。そのため、誹謗中傷で名指しされるのはバーチャルキャラクターの名義であって、実際の演者の名前ではありません。

しかし、「権利が侵害された」と言えるのは実在の「人」であって、キャラクター自体の権利侵害は認められていません。そうすると、バーチャルキャラクターに対する誹謗中傷が、演者本人の権利を侵害するか、という点が問題になります。

この点について適切に証明することが、法的対策を成功させるポイントなります。

投稿内容の意味内容の適切な理解

Vtuberに関する話題においては、専門用語やインターネットスラングが飛び交うことがほとんどです。

また、Vtuberの事務所名や他のVtuberの名前なども当然のように話題にあがるので、一見すると何を言っているか分からないというケースも珍しくありません。

そして、開示請求を行う際は、権利侵害の理由を適切に説明する必要があります。そのため、前後の文脈も含めてその投稿がどういう内容を意味し、どういう点で権利侵害があるのかということを適切に説明することが成功のポイントになります。

(投稿者特定の場合)迅速な対応

開示請求において、経由プロバイダログ保存期間が問題になります。

投稿日から時間が経過したものについては、このログ保存期間の関係で投稿者特定が実現しない可能性が高くなります。

また、開示請求の手続を迅速に行わないと、手続きに手間取ってログ保存期間が経過してしまうというリスクもあります。

そのため、開示請求においては手続に精通している専門家による迅速な対応が不可欠です。

>>プロバイダのログ保存期間については、以下の記事でも解説しています。

「身バレ」を防いで開示請求を行うことはできるか

この点については、2023年に創設された住所、氏名等の秘匿制度」により、一定の要件の下に自身の情報を公開せずに開示請求の裁判を行うことができるようになりました。

この制度を利用することで、裁判の傍聴、記録閲覧、発信者への意見照会など各種手続きでも開示請求者の情報は公開されないことになります。

Vtuberの方が開示請求を行ううえで懸念されるのがいわゆる「身バレ」ですが、この制度を利用により法的措置に踏み切るハードルは低下したといえます。

実際、当事務所でも「住所、氏名等の秘匿制度」を利用した開示請求の実績が多くあります。

Vtuberに関する過去の開示請求の裁判例

これまでのVtuberに対する権利侵害が問題となった裁判例について紹介します。
(※プライバシー権保護の観点から、具体的な事実については抽象化しています。)

年齢に関する投稿でプライバシー権侵害が認められた事例(東京地判令和2・12・22)

Vtuberの「概ねの年齢」を「5ちゃんねる」に投稿したことで、開示請求が認められた事例です。年齢についての投稿がプライバシー権侵害に該当すると認定されました。

なお、過去にそのVtuberがテレビ番組に出演したことがあり、その際に個人情報が表示されたことがあったようですが、それは投稿日より10年も前の出来事であるとして、プライバシー権侵害の成立は否定されないと判断されています。

生育環境に結び付けた批判で名誉感情侵害が認められた事例(東京地判令和3・4・26)

「5ちゃんねる」に投稿された、Vtuberの生育環境に結び付けた形での批判について、開示請求が認められた事例です。このような批判は、単なるマナー違反等を批判する内容とは異なり、社会通念上許される限度を超えるものとして、名誉感情の侵害が認められました。

ちなみにこのケースでは、特定性(同定可能性)の問題についても言及されました。以下が、特定性の認定に当たって考慮された事情です。

  • そのVtuberの名義で活動しているのは原告のみであること
  • プロダクションがVtuberのキャラクターを製作する際には、タレントとの間で協議を行った上で、当該タレントの個性を活かすキャラクターを製作していること
  • 動画配信における音声は原告の肉声であること
  • CGキャラクターの動きについてもモーションキャプチャーによる原告の動きを反映したものであること
  • 動画配信やSNS上での発信は、キャラクターとしての設定を踏まえた架空の内容ではなく、キャラクターを演じている人間の現実の生活における出来事等を内容とするものであること

以上の各事情から、そのVtuberの活動は、単なるCGキャラクターではなく、原告の人格を反映したものであると判断されています。

ある人物の顔写真をVtuberの演者の顔であるとして公開したことにつきプライバシー権侵害が認められた事例(東京地判令和3・6・8)

「5ちゃんねる」において、ある人物の顔写真をVtuberの演者の顔であるとして公開したものについて、開示請求が認められた事例です。そのような顔写真の公開はプライバシー権侵害に該当すると判断されました。

年齢を公開したり精神障害に該当するとの投稿で、名誉毀損、名誉感情侵害、プライバシー権侵害が認められた事例(東京地判令和3・12・17)

Vtuberの年齢に関する投稿や、精神障害に該当するとの侮辱的な投稿について、開示請求が認められた事例です。このケースでは、名誉感情侵害やプライバシー権侵害のほか、Vtuberに対する名誉毀損が認められています。

精神的に不調を公表したことについて、それを揶揄するような投稿に対して名誉感情侵害が認められた事例(東京地判令和4・7・1)

精神的な不調により活動を休止していたVtuberについて、それを揶揄するような内容を「Twitter」(現在は「X(エックス」)に投稿したことが名誉感情侵害にあたるとして、開示請求が認められた事例です。

Vtuberのマネジメント会社が、Vtuberのイラストの無断転載について著作権侵害を主張した事例(東京地判令和5・9・25)

Vtuberのイラストを無断でサイトに転載したことについて、Vtuberのマネジメント会社が、そのサイトのサーバーを管理する会社に対して開示請求を行った事例です。このケースでは、イラスト転載の際に一部が切り取られていたようですが、それでも著作権侵害は認められました。

マネジメント会社がイラストレーターから著作権を譲り受けていたことから、マネジメント会社を原告として訴えを提起することができた事例です。このように、主張する権利の種類によっては、Vtuber本人でなくマネジメント会社が原告となることもあります。

まとめ

Vtuberに対する誹謗中傷の問題は比較的新しい分野ですが、従来の誹謗中傷問題と共通するところもあり、対策が可能なケースも多くあります。

当事務所では、Vtuberの誹謗中傷問題を取り扱っております。

Vtuberに対する誹謗中傷問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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「好き嫌い.com」の投稿者は特定可能?「好き嫌い.com」の誹謗中傷問題を徹底解説!

近年、「好き嫌い.com」というサイトにおける誹謗中傷問題について、ご相談を多くいただいております。

「好き嫌い.com」における誹謗中傷は実際少なくありません。

そして、損害賠償など法律問題になっているケースも多くあります。

そこで今回は、「好き嫌い.com」の誹謗中傷問題について解説したいと思います。

「好き嫌い.com」はどういうサイトか

好き嫌い.com」は、主に人を話題の対象にするスレッドで成り立っています。

話題の対象となる人は、著名人やタレントの方、政治家、YouTuberやVtuberなどです。

そのスレッドを閲覧しに行くと、まず、その対象の人が「好き」か「嫌い」かを投票するページが表示されます。

「好き」か「嫌い」か、どちらか投票すると、今度は他のユーザーが投稿したコメントが見られるページになります。

また、ここでは自分からコメントを投稿することもできます。

コメントを投稿する際は、自分が「好き派」なのか「嫌い派」なのかを選択することになります。

このサイトでは、特に「嫌い派」からのコメントができるため、ネガティブな内容のコメントが投稿されやすい傾向があるといえます。

単にその人が「好みでない」とか「考え方が合わない」という意見・感想なら問題は生じにくいでしょうが、それを超えて誹謗中傷が投稿されることも多くあり、これが法的なトラブルに発展する可能性が高いものになります。

>>Vtuberに対する誹謗中傷問題についてはこちらの記事で解説しています。

「好き嫌い.com」で誹謗中傷を受けたときの対処法

「好き嫌い.com」で違法な誹謗中傷を受けたときは、法的措置として次の対策が可能です。

誹謗中傷に対して有効な法的措置

  1.  削除請求
  2.  投稿者(犯人)特定(開示請求)

    このうち、②の投稿者(犯人)特定(開示請求)が成功した場合は、さらに投稿者に対して損害賠償請求などを行うことができます。

    「好き嫌い.com」で投稿者(犯人)特定は可能か

    「好き嫌い.com」では、サイト管理者が公開されていないために開示請求ができないと考える方もいらっしゃいます。

    しかし、「好き嫌い.com」でも他のサイトと同じように投稿者(犯人)が特定されることがありますし、投稿者(犯人)特定後に被害者から損害賠償請求などがなされるケースも実際に存在します。

    「好き嫌い.com」で投稿者(犯人)を特定するには

    投稿者(犯人)を特定するためには、発信者情報開示請求という法律の手続が必要です。

    投稿者(犯人)特定に至るためには、次の各ステップが必要です。

    • サイト管理者からIPアドレス等の開示を受ける
    • IPアドレスによって割り出された経由プロバイダから投稿者の氏名や住所の開示を受ける

    この2つのステップになります。

    どのような投稿が特定の対象となるか

    投稿者(犯人)特定が可能であるといっても、あらゆる投稿が開示の対象になるわけではありません。

    投稿者(犯人)特定の可能性があるのは、投稿の内容が法的に違法と評価されるときです。

    違法と評価されるのは、投稿内容が次に該当するような場合です。

    「好き嫌い.com」では、特に「嫌い派」からのコメントがあるため、ネガティブな意見・感想が行き過ぎてしまい、これが違法と評価されることが多くあります。

    例えば、顔・容姿について誹謗中傷するものや、精神障害があるかのような指摘をするものは違法と評価される可能性は高いといえます。

    Webに関わる法律であればお気軽にご相談ください

    「好き嫌い.com」での誹謗中傷問題は、犯人特定などの法律問題に発展する可能性が比較的高いといえます。

    当事務所では、「好き嫌い.com」の誹謗中傷問題について取り扱っています。

    「好き嫌い.com」に関してお困りのことがあれば、ぜひ一度当事務所までお気軽にご相談ください。

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    後遺障害の異議申し立ての成功率は?おすすめの方法を弁護士が解説

    交通事故などによって怪我をしたとき、その症状や程度に応じて保険会社から後遺障害認定が行われます。しかし、この内容に納得できなかったり、不満がある場合には後遺障害の不服(異議)申し立てが可能です。

    本記事では、後遺障害の不服(異議)申し立ての流れや成功させるためのポイントなどを詳しく解説します。

    後遺障害の不服(異議)申し立ての3つの方法

    後遺障害の不服(異議)申し立てには、主に3つの方法があります。

    それぞれの方法について詳しく解説しましょう。

    ①保険会社への異議申し立て

    まず、自動車事故による後遺障害認定の方法には、⑴事前認定と⑵被害者請求の2つの方法があります。⑴事前認定は加害者が加入する任意保険会社を通じて後遺障害認定の申請を行うもので、⑵被害者請求は後遺障害認定について被害者が自ら申請を行うものです。

    このいずれかの方法により後遺症認定の結果が出ることになりますが、結果に不満がある場合は、改めて⑴事前認定又は⑵被害者請求を行うことができます。このことを一般的に「異議申し立て」と呼んでいます。

    いずれの異議申し立てであっても、異議申立書および証拠資料、医師の意見書などを提出することで、その後、書類と証拠資料などを審査・検討し、再度後遺障害認定を下すべきかどうかの判断が行われます。

    実際は、⑴事前認定によって決定された後遺障害認定の内容について、改めて⑴事前認定の方法により異議を申し立てても決定内容が変更される可能性は高くないといわれています。そのため、異議申し立てを行う際は⑵被害者請求で行われることが一般的です。

    ②紛争処理制度の利用

    保険会社の後遺障害認定に不服がある場合、「自賠責保険・共済紛争処理機構」に対し調停を依頼することができます。

    紛争処理機構は中立的な第三者機関であるため、後遺障害認定が見直される可能性があります。また、審査結果は保険会社に対して法的拘束力があります。

    ③訴訟提起

    保険会社の後遺障害認定に不服がある場合は、裁判所を介して損害賠償請求の訴訟を行うこともできます。訴訟では、事前に受けた後遺症等級の認定に拘束されず、裁判所が独自に判断するため、よりよい結果が得られるケースがあります。上記①②の方法で不服(異議)申し立てが成功しなかった場合には、この訴訟が選択されることになります。

    後遺障害の不服(異議)申し立てを行うべきケース

    後遺障害の不服(異議)申し立てはどのような場合に行ったほうが良いのでしょうか。

    保険会社の評価に納得できない・不適切な場合

    保険会社による後遺障害の評価が適切でないと感じた場合、不服(異議)申し立てを検討してみましょう。たとえば、資料が不十分であるなど場合、後遺障害の程度が正しく評価されていない可能性があります。不服(異議)申し立てを行うことで、適切な評価を求めることができます。

    後遺障害が認められなかった(非該当)場合

    事故によって心身にさまざまな不調・症状が現れたとしても、それが必ずしも後遺障害として認められるとは限りません。場合によっては、後遺障害が認められない「非該当」として処理されるケースもあります。

    明確に症状が出ているのに、保険会社によって非該当と判断された場合には、後遺障害の不服(異議)申し立てを行うことで認めてもらえる可能性もあります。

    後遺障害の不服(異議)申し立てを行う流れ

    実際に後遺障害の不服(異議)申し立てを行う場合には、どのような流れで進めていくのでしょうか。それぞれのパターンに分けて解説します。

    保険会社への異議申し立て

    保険会社への異議申し立ては以下の流れで進めていきます。

    1.必要書類の収集

    専門家や医師の意見書など、提出すべき証拠や書類を収集します。異議申し立てにあたっては、前回の申立時とは異なる書類を提出することで後遺障害が認定される可能性が高まるでしょう。

    2.異議申立書の作成

    必要書類の収集と合わせて、異議申立書も作成しておく必要があります。

    どのような部分・内容に対して異議があるのか、それを証明する客観的な証拠や事実などを説明するための書面を異議申立書とよびます。

    明確な書式や書き方が決められているわけではありませんが、できるだけ詳しく簡潔に記載しておくことが大切です。

    3.審査機関への提出

    異議申立書を含む必要書類を保険会社に提出します。

    4.審査

    自賠責損害調査事務所で審査が行われます。審査に要する期間は通常は1~3ヶ月程度ですが、状況によっては半年程度を要することもあります。

    自賠責保険・共済紛争処理機構への異議申し立て

    自賠責保険・共済紛争処理機構へ異議を申し立てる場合には、以下の流れに沿って進められます。

    1.申請書の受付

    まずは自賠責保険・共済紛争処理機構へ申請書を提出します。なお、申請書の受付後は、自賠責保険・共済紛争処理機構から当事者に対して申請があった旨の通知も届きます。

    2.受理判断

    自賠責保険・共済紛争処理機構への異議申し立てにあたって、申請自体は誰でも可能ですが、受理ができるかどうかは保険会社から関係書類を取り寄せたうえで判断されます。

    3.調停

    受理した書類をもとに紛争処理委員会とよばれる組織で審査が行われ、調停に入ります。

    4.調停結果の通知

    調停が終わったら、当事者および保険会社など関係者に対して結果の通知が届きます。

    訴訟提起

    訴訟提起の場合、裁判所へ訴状を提出したあとで裁判官が後遺障害等級の判断を行います。

    訴訟提起は弁護士を通して行われるのが一般的であり、弁護士へ書類や証拠の提出をしたあとは、各弁護士へ任せるだけで進められるため負担は少ないです。

    後遺障害の不服(異議)申し立てに必要な書類

    後遺障害の不服(異議)申し立てにあたっては、具体的にどのような書類が必要なのでしょうか。こちらも各パターンに応じて解説します。

    保険会社への異議申し立て

    異議申立書以外に必要な書類としては、新たな証拠書類が必要といえます。

    たとえば、病院での検査に不備や漏れなどが見つかった場合には、再度検査を行い、レントゲン画像や医師の意見書などを用意します。

    また、これ以外に、事故当時の状況を示すものとしてドライブレコーダーの映像や実況見分調書なども該当します。

    自賠責紛争処理機構への異議申し立て

    自賠責紛争処理機構への異議申し立てにあたっては、紛争処理申請書の提出が必要です。指定の書式に沿って記載する必要があり、フォーマットは自賠責保険・共済紛争処理機構の公式サイトからでも入手可能です。

    また、これに加えて損害保険料率算出機構への異議申し立て時と同様に、新たな証拠書類の提出も必須でしょう。

    訴訟提起

    訴訟提起にあたって必要な書類には訴状とよばれるものがありますが、これは弁護士に依頼することで作成を代行してくれます。

    訴状の作成にあたっては、保険会社および自賠責紛争処理機構への異議申し立てと同様、新たな証拠書類などが求められます。

    後遺障害の不服(異議)申し立てで最もおすすめな方法は?

    後遺障害の不服(異議)申し立てを初めて行う場合には、まずは保険会社への異議申し立て(被害者請求)を検討することになります。この方法では効果が出ない・乏しいと判断される場合は、訴訟提起を検討することが一般的です。

    いずれの方法でも、弁護士に依頼することで書類の作成や手続の遂行を任せることが可能です。弁護士費用は発生しますが、ご自身の加入している任意保険に弁護士費用特約が付いている場合は負担を抑えることが可能です。

    自賠責保険・共済紛争処理機構の場合、指定の書式へ記載しなければならないという厳密なルールがあるため、自分自身で行う場合にはハードルが高く感じられるかもしれません。また、他の方法と比較して大きいメリットがあるとはいい難いため、この方法を検討する機会は多くはありません。

    後遺障害の不服(異議)申し立てにかかる費用

    後遺障害の異議申し立て(被害者請求)にあたっては、基本的に申請手数料のようなものはなく無料で行えます。

    新たな証拠書類や医師の意見書作成、弁護士への相談費用および訴訟に踏み切る場合などには、別途費用がかかります。もっとも、先述したとおり弁護士費用特約がある場合は負担を抑えることが可能です。

    後遺障害の異議(事前認定・被害者請求)申し立ての成功率

    損害保険料率算出機構では、「自動車保険の概況」というレポートのなかで後遺障害の異議申し立て(事前認定・被害者請求)に関する実績を公開しています。これによると、2021年度は11,604件のうち、等級変更が認められたのは1,509件であり、成功率は13%となっています。

    一見低い数字に見えますが、成功率が低いからといって諦めるのべきではありません。新たな証拠書類などをしっかりと準備し、論理的な説明ができれば、異議申し立てによって等級変更が認められる可能性は十分にあります。また、異議申し立てで効果があがらなかったとしても、訴訟を提起することでよりよい結果が得られるケースも少なくありません。

    後遺障害の不服(異議)申し立てを成功させるポイント

    後遺障害の不服(異議)申し立てを成功させるためには、どういったポイントに注意すべきなのでしょうか。押さえておきたい3つのポイントを解説します。

    認定されなかった理由の分析

    まずは、後遺障害が認定されなかった理由を分析し改善策を立てることです。

    保険会社からの通知書を詳細にチェックし、不足している証拠や情報を特定しましょう。また、専門家からも意見を求め、自身の状況と照らし合わせることで認定基準や手続きに関する理解を深めることができます。

    新たに準備すべき書類の検討

    分析した理由をもとに、不服(異議)申し立てにどのような書類が必要かを整理し準備しましょう。

    医師による診断書や検査結果などのほか、専門家の意見書なども挙げられます。書類が不足していた場合や内容が不十分である場合は、医師や専門家と相談しながら適切な書類を作成しましょう。

    医療照会に関する医師との相談

    医師との相談では、後遺障害の状況や進行度についての診断書や意見書を作成してもらいましょう。

    これらは後遺障害の異議申し立てに重要な役割を果たすため、具体的な症状や影響について伝えることが大切です。

    さらに、被害者の担当医に対し、審査会から後遺症に関する質問(医療照会)が書面で届くことがあります。審査会側へ必要な情報が適切に伝わるよう医師と連携しておくことも大切です。

    四谷コモンズ法律事務所は、専門医と連携した後遺障害の不服(異議)申し立てに対応可能

    後遺障害の異議申し立てにあたっては、証拠書類として医師による診断書や意見書が求められることがあります。しかし、信頼できる専門医が見つからない、またはどこに依頼すれば良いか分からない方も多いでしょう。

    そのような場合には、YKR Medical Consultをお勧めしております。YKR Medical Consultでは専門医による交通事故意見書の作成が可能で、後遺障害の不服(異議)申し立てに対応しています。

    意見書の内容が複数診療科にまたがる場合であっても、複数医師による意見書作成も可能であり、意見書の有効性や信頼性を高めることもできます。

    当事務所はYKR Medical Consultと連携して書類の作成及び不服(異議)申し立て手続の遂行に対応しております。専門医と弁護士が連携し、より効果の高い不服(異議)申し立てを実施しています。

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    まとめ

    今回紹介してきたように、後遺障害の不服(異議)申し立てにはさまざまな方法があり、弁護士へ依頼しなければ難しいものもあります。

    しかし、いずれの方法であっても新たな証拠書類の準備は必須であり、医師による診断書や意見書が求められるケースが少なくありません。

    どの医療機関に相談すれば良いか分からない、信頼できる専門医が見つからない場合には、ぜひ一度当事務所までご相談ください

    インスタのなりすましの目的とは?犯人を特定する方法をご紹介

    SNSの普及にともない、第三者がアカウント名やプロフィール画像などを真似て本人になりすます行為が問題となっています。

    なりすまし行為は企業や有名人が被害にあうものと捉えられがちですが、一般の方でも被害にあうリスクがあります。本記事では、インスタグラムのなりすまし被害にあったときの対処法や弁護士へ依頼する場合の流れなども詳しく解説します。

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    インスタのなりすましの目的

    そもそもインスタグラムにおいて、他人のアカウントに(乗っ取るのではなく)なりすます行為をしても、犯人にとってどういったメリットがあるのかよく分からないという方も多いでしょう。

    インスタグラムに限らず、SNSで多くのフォロワーを獲得するということは、さまざまなユーザーの情報を得やすくなることを意味します。もちろん、なりすましの目的は犯人によってもさまざまで、単なるいたずらや嫌がらせを目的としたものもあるでしょう。

    しかし、たとえば企業や有名人の公式アカウントを装ってなりすます場合、その多くは個人情報の不正な取得や詐欺のターゲットを絞り込むといった目的があります。

    たとえば、企業の公式アカウントになりすまして「◯◯プレゼント」や「◯◯キャンペーン」といった投稿をしフィッシング用のURLを添付した場合、それを本物だと勘違いしたユーザーがアクセスして自分自身の個人情報を入力することも考えられるでしょう。

    最悪の場合、氏名や住所、電話番号だけでなく、クレジットカード情報やマイナンバーなども記録されてしまい、それが詐欺に悪用される恐れもあるのです。

    なお、後述するように、一般人もなりすましの被害に遭うことがありますが、その場合は私怨による嫌がらせ目的であることがほとんどです。

    インスタのなりすましは犯罪に該当するのか?

    インスタグラムのなりすまし行為は、いたずらや嫌がらせ目的でアカウントを作成したとしても犯罪行為に該当するおそれがあります。

    たとえば、企業の公式アカウントになりすました場合には、偽計業務妨害罪が適用される可能性があるほか、不正に個人情報を取得していた場合には個人情報保護法違反に該当する可能性もあります。

    これらは金銭的な実害が出ていなかったとしても摘発されるおそれがあるため注意が必要です。

    また、インスタグラムのなりすまし行為は企業の公式アカウントを対象としたものだけでなく、個人を狙ったものもあります。たとえば芸能人スポーツ選手YouTuber大手企業の経営者政治家など、著名人に対するなりすまし行為は、投稿内容によっては名誉毀損の罪に問われる可能性もあります。

    さらに、上記はあくまでも刑事上・行政上の責任の話であり、これとは別に企業の風評が広がり業績に影響が出た場合などは損害賠償請求が、個人からは慰謝料請求といった民事上の責任を問われることもあるのです。

    これまでにあったなりすましの実例

    インスタグラムでのなりすまし行為は数多く発生していますが、そのなかでも特に目立っているのが芸能人や著名人を狙ったものです。

    どういったなりすまし行為があったのか、いくつかの実例を紹介しましょう。

    芸能人・YouTuberのなりすまし

    芸能人やYouTuberといった知名度の高い人のなりすまし行為は、インスタグラムのなかでも特に悪質なものが多く存在します。

    たとえば、公式アカウントのプロフィール画像をそのままコピーし、アカウント名の一部を変更したものなどもあり、一見すると見分けがつきづらいものもあります。

    また、インスタグラムなどSNSを開設していない芸能人になりすまし、あたかも本人であるかのように装う投稿も存在します。

    このような行為に走る人の多くは、単にいたずら目的や注目を集めたいといった心理が考えられますが、個人情報の不正な取得を目的としているケースも少なくありません。

    経営者のなりすまし

    芸能人やYouTuberだけでなく、著名な経営者のアカウントを装ってなりすまし行為におよぶケースもあります。特に近年多いのが、「◯◯プレゼント」や「抽選で現金◯円プレゼント」などの謳い文句で釣るケースです。

    アカウントそのものだけでなく、実際に経営者本人が行っている行為も真似することで、それが本物のアカウントであるかどうかの見分けがつきにくくなっています。

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    有名人でない一般人でもなりすまし被害にあうことはあるのか

    インスタグラムをはじめとしたSNSでのなりすまし被害は増え続けています。一方で、フォロワーが多く世間の注目を集めやすい著名人はともかく、一般ユーザーのひとりである自分がなりすましの被害にあうことはないだろうと考える方も多いでしょう。

    しかし、このような考えは危険であり、一般ユーザーであってもなりすまし被害にあうリスクは無視できるものとはいえません。たとえば、悪意のある第三者があなたのプロフィールをそのままコピーすれば、ものの数分でなりすましアカウントを作成できます。

    その状態で、炎上を招くような不適切な画像や文章を投稿されてしまうと、あなたの悪評が知らない間に広がってしまいます。

    一般ユーザーがなりすまし被害に遭う典型的なケースは、元交際相手が腹いせになりすましアカウントを作成するパターンです。ネットストーカーやリベンジポルノ投稿の手段としてなりすましアカウントが作成されるケースも多く、深刻な被害に発展することもあります。

    警察に相談した場合の対応はどうなる?

    もし、インスタグラムやその他SNSで自分自身のなりすましアカウントを発見した場合、被害を未然に防ぐために警察に相談するケースもあります。しかし、単になりすましアカウントを発見したというだけでは、警察に相談しても動いてくれる確率は低いのが実情です。

    ただし、なりすましアカウントによってリベンジポルノの投稿がなされていたり、ネットストーカーの被害に遭っている場合には、警察も捜査に踏み切る可能性があります。

    もっとも、警察が相談に乗ってくれたとしても、必ずしも十分な捜査がされるとは限りません。そのため、警察への相談と並行して、弁護士に相談されることが望ましいといえます。

    犯人の特定は可能?

    インスタグラムではなりすまし行為を規約違反として明記しています。また、2022年10月からプロバイダ責任制限法が改正されたこともあり、発信者情報開示請求の手続きが一部簡素化されました。

    これにより、インスタグラムのなりすまし行為の被害に遭っている場合には、法律の手続を使えば比較的短時間で犯人を特定することができます。

    特定にかかる期間としては、ケースによりますが6ヶ月程度を見込んでいる場合が多いです。

    ただし、プロバイダにおけるIPアドレスの保存期間という問題はありますから、できるだけ早めに手続に入ることが重要です。

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    弁護士に相談した時の流れについて

    インスタグラムのなりすまし行為の被害に遭われている場合、弁護士に相談することで適切な問題解決に向けた手続を実施できます。

    弁護士へ相談した場合、まずはサイト運営側に対して当該アカウントの削除要請が検討されます。しかし、これによって削除が実現したとしても、犯人が別のアカウントを作成し再びなりすまし行為に及ぶおそれもあります。

    そのため、問題の抜本的な解決を図る場合は、発信者情報開示請求によって投稿者を特定することになります。

    投稿者特定後は、投稿者に対して損害賠償請求を行ったり、「今後なりすましアカウントを作成しない」などの内容を盛り込んだ誓約書の作成を求めることが一般的です。

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    Webに関わる法律であればお気軽にご相談ください

    法律にまつわるトラブルが生じたとき、弁護士は心強い味方になってくれる存在ですが、一口に弁護士といっても得意分野はさまざまです。今回紹介したようなインスタグラムのなりすまし行為を解決するためには、Webやインターネット業界に精通した弁護士を探すことが何よりも重要といえるでしょう。

    当事務所はネット上のさまざまトラブル対応を担当してきており、インスタグラムをはじめとしたSNSのなりすまし行為に関する削除請求・犯人特定ついて多くの実績があります。「警察に相談しても取り合ってもらえなかった」、「ほかの弁護士ではなかなか話が通じなかった」という方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

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    まとめ

    インスタグラムのなりすまし行為は、そのほとんどが違法なものであり、刑事だけでなく民事でも責任を追求されることがあります。

    アカウントは匿名性があるため個人では発信者を特定することが困難ですが、所定の手続を経ることで犯人の特定を目指すことは可能です。決して自分一人で解決しようとしたり、泣き寝入りをしたりせず、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

     

    Twitter(ツイッター)の削除依頼の方法を弁護士が解説!

    SNSでの誹謗中傷は社会問題化しており、特に多くのユーザーが利用しているTwitterは被害が拡大しやすい傾向にあります。Twitter社でも誹謗中傷への対策は強化しているものの、「削除依頼をしたのに消されていなかった」というケースは少なくありません。

    本記事では、Twitterで誹謗中傷被害を受けた際の削除依頼の方法や、投稿が削除されなかった場合にとるべき行動について詳しく解説します。

     

    Twitterに対しての誹謗中傷ツイートの削除依頼の方法

    Twitterで誹謗中傷の被害に遭った場合、対象のツイートをしているアカウントに対してDM(ダイレクトメッセージ)を送信して削除を依頼することもできます。
    しかし
    、この方法だと相手が逆上して被害が悪化したり、依頼のメッセージを無視されたりして対処してもらえないケースも少なくありません。

    そこで、Twitter社に対して対象ツイートの削除を依頼することもできます。削除依頼の手順は以下の通りです。

    1. 対象のツイートの右上「・・・」をタップ
    2. 「ツイートを報告」を選択
    3. 自分自身が誹謗中傷の被害に遭っている場合には「自分」を選択
    4. 「私のアイデンティティを理由に攻撃されている」、「嫌がらせを受けている、または暴力によって脅迫されている」などから該当する内容を選択
    5. 行為の内容などを選択

     

    上記のほか、以下のURLからTwitterのヘルプセンターへアクセスし、誹謗中傷の被害を報告することも可能です。

    URL:https://help.twitter.com/ja/forms/safety-and-sensitive-content/abuse

    上記の方法で報告を送信すると、Twitter社から本人確認のメールが届くことがあります。
    このメールが届いた際に顔写真付きの本人確認書類をアップロードすることで、おおよそ10日以内に削除依頼へ応じてるかどうかの返信が届きます。

     

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    誹謗中傷コメントやツイートが削除されないのはなぜ?

    ツイート内容が誹謗中傷にあたると思っていたのに、Twitter社へ削除依頼をしても対応してもらえなかったというケースもあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

    誹謗中傷にあたらないと判断された

    ネガティブな内容のツイートをしていたとしても、それが誰を指すものなのか特定することが難しい場合などは、報告者に対する誹謗中傷と断定することができず、削除が難しいケースがあります。

    また、明らかに自分以外のことを指したツイート内容であると判断された場合も、削除申請をしても対応してもらえないケースもあるようです。

    問題の内容を適切に伝えられていない

    一口に誹謗中傷といっても、名誉毀損にあたる内容なのか、プライバシーの侵害、または名誉感情侵害(侮辱)にあたる内容なのかによっても報告の仕方は変わってきます。

    たとえば、「◯◯さんには前科がある」といった内容の投稿に対して、名誉感情の侵害にあたると報告をしても、Twitter社では名誉感情の侵害にあたるとはいい難いと判断せざるを得ず、問題が解決できません。

    昔のアカウントでも削除することは可能なのか

    Twitterを見てみると、過去にアカウントを開設し投稿していたにもかかわらず、ここ数年は投稿が途切れているアカウントも少なくありません。

    このように長年にわたって放置されているアカウントが、過去に自分を誹謗中傷する投稿を行っていた場合はどうなのでしょうか。
    まず、アカウントの運用そのものがされていないことから、直接DMを送っても相手は気づかない可能性が高く、ユーザー同士での交渉は難しくなります。

    そのため、Twitter社へ削除依頼を行い対応してもらうのが現実的な方法といえるでしょう。
    もちろん、昔のアカウントであったとしてもツイートそのものが残っている場合には、期間を問わずツイートの削除の依頼申請対応は可能です。

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    アカウント事体の凍結は可能なのか

    誹謗中傷を繰り返すアカウントがあった場合、その行為が悪質と判断されるとTwitter社側でアカウントを凍結することがあります。

    具体的にどのような行為が悪質であると判断され、アカウント凍結に至るのかは公表されておらず、あくまでもTwitter社側での判断に委ねるしかありません。

    なお、誹謗中傷にあたるツイートを報告し当該ツイートが削除されたとしても、その時点でアカウント凍結に至るとも限りません。また、1人のユーザーからの報告だけでアカウント凍結に至ることも極めて少なく、複数の報告があって初めてアカウント凍結に至る可能性があります。

    警察に相談した場合の対応はどうなる?

    誹謗中傷にあたるツイートに悩んでいる方のなかには、問題を早期に解決するために警察への相談を考えている方も多いのではないでしょうか。

    しかし、ツイートの内容によっては警察に相談しても解決が難しいケースがあります。
    たとえば、プライバシーの侵害や単なる嫌がらせの域を出ない内容については、刑事事件としての捜査が難しいことから解決に至らない可能性があるのです。

    また、第三者から脅迫を受けていたり、名誉毀損侮辱にあたる内容を投稿されている場合には、刑事事件として捜査対象となる可能性はあります。
    もっとも、悪質と判断される場合でない限り警察が捜査を開始することはほとんどありません。そのため、相談するに越したことはありませんが、全ての件について実際に捜査してくれるわけではないということには
    注意が必要です。

    弁護士に削除依頼をしたときの流れについて

    Twitter上での誹謗中傷を受けた場合には、弁護士へ相談する方法もあります。

    弁護士へ依頼した場合、まずはTwitter社へ削除依頼を送りますが、法的根拠を明確に示すため投稿の削除がスムーズに進む可能性が期待できます。

    また、誹謗中傷をした加害者に対して損害賠償を請求することも可能ですが、この場合は前提として加害者を特定する必要があります。加害者を特定するためには「発信者情報開示請求」という手続をとることになります。

    なお、プロバイダのログ(通信記録)には保存期間があり、それを経過してしまうと特定が不可能になることもあるため、加害者特定もお考えの方はできるだけ早い段階で弁護士へ相談することがおすすめです。

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    ツイートを証拠として残しておく方法

    Twitter上での誹謗中傷を受けたときには、Twitter社への報告や警察への相談、弁護士への依頼など、さまざまな方法がありますが、いずれにしてもスムーズな解決に導くためには、ツイートの証拠を残しておくことが重要です。

    証拠を残すための方法としては、スクリーンショットとして保存しておくことが一般的です。スクリーンショットを残していないと、加害者がツイートを削除した際に証拠がなくなってしまい、裁判が出来なくなる可能性があるためです。

    なお、ツイッターのスクリーンショットを撮る際は、必ず裁判で使える方法で保存することが必要です。
    証拠とするときのポイントは、次の4つです。

     

    1. PCでツイートを表示してスクリーンショットを撮る
    2. 「https://」から始まるURLがすべて表示された形で撮る(Chromeだと「https://」が省略されてしまうのでEdgeで表示する)
    3. 当該ツイート固有のURLを表示する(「https://twitter.com/(ユーザー名)/status/(数字)」という形になる)
    4. ツイートの日時を表示する

     

    以上を押さえたスクリーンショットは次のようなものになります。

    Webに関わる法律であればお気軽にご相談ください

    SNS上でのトラブルは民事に関わるケースが多いことから、弁護士は心強い味方になってくれます。しかし、一口に弁護士といっても得意分野があり、すべての弁護士がSNSの問題に精通しているとは限りません。

    問題の早期解決を図るためには、信頼できる弁護士を探すことが重要です。
    Twitter(ツイッター)の誹謗中傷問題で気になることがありましたら、ぜひ一度当事務所へお気軽にご相談ください。

     

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