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トレント(torrent)で違法になるケースを弁護士が解説

BitTorrentで違法になるケースを弁護士か解説

2023年3月に俳優の東出昌大さん主演による映画「Winny」が公開され、大きな反響を呼びました。Winny(ウィニー)と同じくファイル共有ソフトとして有名なのがトレント(torrent)です。

ファイル共有ソフトとは、インターネットを通じて、どんな人でもファイル(音楽、映画、ゲーム、文書など)を送受信できるソフトウェアのことを指します。使用方法を間違えてしまうと、違法・開示請求の対象になってしまう可能性がありますので、十分に注意しましょう。

ここでは、torrent(トレント)の違法ケースや開示請求に関する様々な事柄についてご説明します。

トレント(torrent)で違法になるケース

ファイル共有ソフトの違法性は主に二つのケースで問われます。一つは、著作権で保護されているデータを違法にアップロードし、他のユーザーがダウンロード可能な状態にした場合です。

二つ目は、正規版が有料で提供されているコンテンツを、違法なアップロードが行われていることを認識しつつダウンロードした場合です。多くのユーザーが違法にファイルをダウンロードしているからと言って、その行為が許されるわけではありません。ファイルのアップロードやダウンロードが著作権を侵害しているかどうかが、違法性の判断基準となります。

違法となるファイルやコンテンツの例

  • アニメ
  • 映画
  • ドラマ
  • 音楽
  • テレビ
  • AV(アダルトビデオ)

トレント(torrent)で違法になるケースについて以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

トレント(torrent)の違法がバレる仕組み

トレントはP2P技術を活用したファイル共有ソフトで、一般的なダウンロード手法と異なり、特定のサーバーに依存せず、ユーザー同士でデータを共有します。これにより、サーバーのダウンロード遅延やデータの消失などの問題が解消されます。ただし、トレントは原則としてダウンロードと同時に自分のデータを他のユーザーと共有することになっています。

つまり、ファイルのダウンロードと同時にアップロードも行われていることがほとんどです。

また、トレント自体は違法ではありませんが、著作権で保護されているコンテンツの違法ダウンロードやアップロードは罰せられます。インターネットには匿名性があり、問題のない通信であればそれを行ったユーザーの個人情報の特定は困難です。しかし、違法行為が行われた場合、ISPは警察や裁判所からの要請に応じてIPアドレスからの個人情報を開示します。

トレントの利用は個人情報の入力がないため匿名性が感じられますが、違法な行為があった場合には、ISPからの情報開示により身元特定が可能となるのです。

トレント(torrent)の違法がバレる仕組みについて以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

▶︎なぜトレント(torrent)で違法がバレる?IPアドレスの仕組みや特定について解説

トレント(torrent)の違法で逮捕された事例

トレントの違法となるケースで過去に逮捕された事例としては、2010年にはテレビ番組を違法にアップロードしたユーザーが大きな損害賠償請求と共に逮捕されました。2019年と2021年にも、人気コミックやゲームソフト、アニメ等を違法にアップロードしたユーザーが逮捕されています。

実際に逮捕された後の処分や「トレント(torrent)」以外で過去に逮捕者が出たファイル共有ソフトについて、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

▶︎torrent(トレント)は逮捕される?されない?逮捕者の事例を解説

トレント(torrent)の違法に関する開示請求の示談金

「トレント」のようなファイル共有ソフトでは、違法にコンテンツをアップロードまたはダウンロードすると、著作権侵害となり刑事責任民事責任(損害賠償責任)が生じる可能性があります。

被害を受けた著作権者は、「発信者情報開示請求」により加害者を特定することができます。これは、プロバイダに対し、加害者のIPアドレスなどの情報開示を求めるものです。

その後、被害者から加害者に対して損害賠償請求がなされます。発信者情報開示請求がなされた場合、必ずしも損害賠償の裁判に結びつくわけではなく、被害者と加害者が示談に応じる場合もあります。その際、通常、一作品あたり30〜70万円程度が示談金となりますが、違法にアップロードまたはダウンロードした作品の数や種類により変動します。

トレント(torrent)の開示請求を受けた際の示談金について以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

▶︎トレント(torrent)の開示請求受けたら示談金を払うの?相場や過去事例を弁護士が解説!

まとめ

torrent(トレント)のようなファイル共有ソフトを使用する際は、細心の注意を払いながら、正しい使用方法を心がけることが大切です。

もし、故意や過失などを含めたtorrent(トレント)からの開示請求が来た時は、まずは当事務所へご相談ください。

AUTHORこの記事を書いた人

弁護士 渡辺泰央

弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属(登録番号:45757)。 インターネットの誹謗中傷・著作権関連事件の実績多数。トレントなどのファイル共有ソフトの利用やソフトウェアの不正インストールに関するケースも数多く手掛ける。

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