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【発信者側】発信者情報開示請求を拒否する理由の書き方まとめ

発信者情報開示照会に対して拒否の回答をしたいと考えたとき、拒否の理由書き方分からないということがよくあります。

どのような理由を書けばよいのかはケースによってまちまちですので、この記事は、拒否の理由の書き方をまとめ記事です。

 

なお、意見照会が届いたときまず初めにやるべきことは、こちらにまとめています。

 

まずは「侵害された権利」の確認

開示請求に対して反論するためには、まず相手がどんな権利が侵害されたと言っているかを確認する必要があります。

これは、意見照会書の「侵害された権利」の欄に書かれています。

 

 

なお、名誉権と書かれている場合は名誉毀損を意味します。

 

また、「人格権」と記載されていることがありますが、人格権とは名誉権(名誉毀損)、プライバシー権、肖像権などを含む概念です。

そのため、人格権と書かれている場合は、「権利が明らかに侵害されたとする理由」の欄を見ないと、どの権利の侵害を言われているのかはわかりません。

 

「侵害された権利」別 書き方まとめ

 

名誉毀損の場合

「侵害された権利」に名誉権(名誉毀損)と書かれているときの書き方については、以下の記事で解説しています。

 

プライバシー権侵害の場合

「侵害された権利」にプライバシー権と書かれているときの書き方については、以下の記事で解説しています。

 

著作権侵害の場合

「侵害された権利」に著作権と書かれているときの書き方については、以下の記事で解説しています。

 

名誉感情侵害の場合

「侵害された権利」に名誉感情侵害と書かれているときは、名誉感情権侵害が成立しないことを拒否の理由に記載する必要があります。

 

名誉感情侵害かどうかは、「社会通念上許される限度を超える侮辱行為」といえるかどうかで判断されます。

かなりあいまいな基準ですが、前後の文脈なども考慮されることは間違いありません。

名誉感情侵害に対して反論したいと考える場合は、こちらも言い分がある場合も多いと思いますから、投稿に至った経緯などを説明することも有効と思われます。

 

記載例

○○氏は、これまで●●の話題について、他者を煽るような発言を繰り返していました。そのため、○○氏は批判を受けるリスクを受け入れていたといえます。
また、私の投稿は、○○氏の不適切な発言を批判し、いさめるために行ったものです。
それまでの経緯に照らすと、私の発言は「社会通念上許される限度を超える」とはいえないと考えます。

 

 

拒否理由としてよく候補としてあげられるものとその効果

よく候補としてあげられる理由と、それが法律的にどの程度(開示を回避できる)効果があるかを以下にまとめます。

 

知らない、身に覚えがない

残念ながら、あまり有効な反論とはいえません。

開示請求の対象になるのは、”誰が投稿したか”ではなく”投稿に使われたプロバイダの契約者の情報”だからです。

そのため、”権利を侵害するような投稿がそのプロバイダ経由で投稿された”ということが証明されれば、その契約者の情報の開示が認められることになります。

同じ理由で、「端末(携帯やPCなど)を他の人に貸していた」という理由も、あまり有効とはいえません。

 

身に覚えのない発信者情報開示請求(意見照会書)が届いたときの対処法については、こちらの記事で解説しています。

 

 

ネットに書かれていたものをコピペしただけ

これもあまり有効な理由にはなりません。

コピペされたもの(元の投稿)が他人の権利を侵害するものであれば、コピペしたことでその権利侵害を更に助長させていると判断されるからです。

 

 

投稿した内容は、ネットでみんなも言っている

こちらも有効な理由とはいえません。

名誉毀損の場合、仮に「それが真実と信じるについて相当の理由」があれば、違法性がなくなる余地はあります。

しかし、ネットの情報、特に匿名掲示板などの情報を鵜呑みにするようなときは、この「相当の理由」があるとはほぼ認められないといえます。

 

匿名の投稿なんて誰も信じない

有効な理由とはいえません。

刑事の事件ではありますが、このような考えを明確に否定した最高裁判例も存在します。

 

自分の思ったこと(主観)を書いただけ

こちらは有効な理由になり得ます(開示の理由が名誉毀損の場合)。

「料理が口に合わなかった」とか「自分には効果が感じられなかった」というような投稿は正当な表現の自由の範囲内になるからです。

ただし、いくら主観的な内容だからといって、真実でない内容に基づくものは、正当な表現とはいえません。(例えば、「古い食材を使っているので、料理がマズイ」と投稿したが、実際は古い食材は使っていないような場合)また、あまりに攻撃的な表現の場合は、いくら自分が思ったことでも、正当な表現とならないこともあります。注意しましょう。

 

口コミやレビューで名誉毀損が認められるかどうかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

 


大まかな説明は上のとおりですが、具体的に何が有効な反論になるかはケースによりますし、実際に回答する際は法律を意識して書く必要もあります。

また、書類を添付する場合はどのようなものがふさわしいか、という問題もあります。

当事務所では、発信者側での発信者情報開示請求対応に多数の実績があります。発信者情報開示請求を受けたけども対応を相談されたいという場合は、ぜひ一度お問い合わせください。

 

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弁護士に依頼できることや費用の目安等についてはこちらをご覧ください。

 

発信者情報開示請求について、発信者側の解説記事についてはこちらをご覧ください。

ABOUT US

渡辺 泰央
渡辺 泰央
弁護士。上智大学法学部国際関係法学科、東北大学法科大学院卒業。2010年司法試験合格。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。 ウェブサービス、スマートフォンアプリをはじめとするIT関連、デジタルコンテンツ関連案件の訴訟、紛争や意見書作成、契約書作成、著作権侵害性リサーチなどを得意とする。
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