コラム

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発信者情報開示請求を受けたときの対処法や開示となる対象を解説!

この記事をご覧になっている方は、ご自身の投稿について開示請求(意見照会書)が届いた方か、もしくは開示請求を受けるリスクがある方がほとんどだと思われます。

この記事は、そのような方にとってのまとめ記事です。

 

どのような投稿が開示の対象となるのか

開示請求を受ける方が最も気になるのは、自分の投稿が開示される違法なものかどうかでしょう。

このサイトでは、どのような投稿が開示の対象となるのかの一般的な判断基準について解説しています。

 

開示請求がなされているか不明な段階

ご自身の投稿について、問題ある内容だったと後悔していたり、「開示請求をする」と予告されたりしている方は、今の時点で開示請求がなされているか気になるというケースも多いと思います。


ご自身の投稿について開示請求がなされているかを確認できるかについては、こちらの記事で解説しています。

 

開示請求がまだされていない段階では、ご自分の投稿を削除することで、開示請求の可能性を下げられることがあります。

その方法については、こちらの記事で解説しています。

 

また、投稿したときから時間が経っている場合は、ログの保存期間の影響がある場合があります。

ログの保存期間については、こちらの記事で解説しています。

 

 

プロバイダから意見照会を受けた段階

発信者の方は、基本的にプロバイダから意見照会を受けて初めて開示請求を受けていることを知ります。

意見照会を受けたときにまず確認すべきことについては、こちらの記事で解説しています。

 

基本的には、開示に同意したくないとお考えの方がほとんどだと思います。

しかし、そもそも開示に対して拒否(不同意)していいのか、疑問に思われる方も多いと思います。

拒否(不同意)の回答をしても良いというのは当然ですが、これにはやはりメリットとデメリットがあります

拒否(不同意)の回答をする方法とそのメリットとデメリットについて、この記事で解説しています。

 

回答後の流れについては、次の記事で解説しています。

 

開示されてしまった後のこと

開示請求の裁判で開示を認める判決が下されてしまった、あるいは意見照会に対して開示に同意する旨の回答をした場合、開示請求者との示談を検討することになります。

示談については、こちらの記事で解説しています。

 

示談交渉が決裂してしまった場合は、主に損害賠償をめぐって裁判となります

開示された後の損害賠償裁判については、こちらの記事で解説しています。

 

 

弁護士への依頼について

開示請求は法律の問題ですから、当事務所では開示請求に関わるすべての段階において適切なサービスを提供することができます

リスクを最小限に抑えるためには、やはり弁護士にご相談・ご依頼をすることをおすすめします。

弁護士に依頼できることと、依頼することのメリットはこの記事で解説しています。

 

当事務所では、発信者側での発信者情報開示請求対応に多数の実績があります。

発信者情報開示請求を受け、対応を相談されたいという方はぜひ一度お問い合わせください。

 

 

意見照会とは?自分の投稿が開示請求の対象になっているかがわかる?

問題のある投稿してしまったとか、書き込みの相手が「開示請求をする」と予告してきた場合、ご自身の投稿に対して開示請求がなされているか確認したいケースもあると思います。

この記事では、自分の投稿について開示請求がされているか確認する方法はあるかについて解説したいと思います。

 

意見照会によってはじめてわかるのが原則

開示請求を受けたサイト(掲示板など)や経由プロバイダ(ドコモやOCNなど)は、開示請求を受けた場合、発信者に対して意見照会を行う義務があります。

そのため、基本的には意見照会を受けたかどうかで、開示請求がされているかどうかを確認することになります。(サイトからはメール、経由プロバイダからは郵送で意見照会がなされることが多いです。)

 

サイトや経由プロバイダに「自分の投稿について開示請求がなされているか」と問い合わせることも考えられますが、相手はそれに回答する義務はありません。

これによる確認はあまり期待できないと考えてよいでしょう。

 

意見照会が行われないことも

意見照会をすることは法律上の義務ですが、意見照会がされないこともあります。

例えば、サイトがこちらの連絡先を知らない場合(メールアドレスの登録なしに投稿できる場合など)、サイトからの意見照会はありません。

このような場合はサイトからの連絡はなく、経由プロバイダからの意見照会によってはじめて知るということになります。

 

いつまでも意見照会がこない場合

「開示請求をする」と予告された場合でも、開示請求がされなかったケースは少なくありません。

 

ログ保存期間の関係で、投稿から一定期間経過後は開示請求が困難になるという事情もあります。

そのため、投稿から一定期間経過しても意見照会が届かない場合は、開示請求がされない可能性があります。

どのくらいの期間をみるかですが、携帯電話回線を使用して投稿した場合は3か月、固定回線を使用して投稿した場合は6か月から1年が目安となります。

 

ログ保存期間について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

 


開示請求を受ける可能性がある場合、誰でも不安なものです。

ご自身のケースについて、詳しい見通しについて知りたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。

 

 

弁護士に依頼できることや費用の目安等についてはこちらをご覧ください。

 

発信者情報開示請求について、発信者側の解説記事についてはこちらをご覧ください。

 

プロバイダのログとは?保存期間が発信者情報開示請求に与える影響

発信者情報開示請求について調べていると、プロバイダのログ保存期間が重要ということを目にすると思います。

そこで、この記事では、ログ保存期間が発信者情報開示請求に与える影響について整理してみたいと思います。

 

プロバイダのログとは

プロバイダのログとは、通信記録のことです。

この通信記録には、投稿に使われたIPアドレスや通信日時などが含まれています。

そして、これら記録から、投稿に使われた回線の契約者の情報を特定することができます。

そのため、ログが残っていればこれをたどって発信者特定の可能性がありますが、ログがなくなってしまうと発信者特定は極めて困難になります。

 

ログの保存期間とは

ほとんどのプロバイダは、ある通信がなされてから一定期間経過後にログを消去してしまいます。

つまり、ログが記録されてから消去されるまでがログの保存期間ということができます。

 

このログをどのくらいの保存すべきかは、法律などで決まっているものではありません。

そのため、ログ保存期間はプロバイダによってまちまちです。

 

ドコモ、KDDI、ソフトバンクなど、携帯電話回線のログは3か月程度でログが消えてしまうところが多いです。

OCN(NTTコミュニケーションズ)などの固定回線はそれより長く、6か月からそれ以上保存されていることが多い印象です。

 

ログの保存期間を延長してもらうには

プロバイダによっては、「発信者情報開示請求を予定しているため、このログの保存期間を延ばしておいてほしい」と要請すれば、それに応じてくれることがあります。

また、任意請求を行うと、それによってログ保存期間の延長の効果が得られることもあります。

その他、ログ保存のために裁判(仮処分をすることもあります。

 

ログ保存期間が発信者情報開示請求に与える影響とは

ログ保存期間が経過すると、発信者特定の特定が極めて困難になります。

そのため、例えば、1年以上前の投稿について発信者を特定したいと思っていても、それが成功する可能性は高くありません。

投稿者の特定は時間との勝負といわれるのは、この理由によるものです。

 


ログ保存期間については以上のとおりですが、プロバイダのログ保存期間が経過しても、ケースによっては発信者特定の可能性が残されています。

ご自身のケースについて、詳しい見通しについて知りたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。

 

 

発信者情報開示請求の対象になる書き込み・投稿を5つにわけて解説

この記事では、掲示板やSNSへの投稿について、どのような投稿が開示の対象となるのか、代表的なものを解説しています。

 

※なお、「誹謗中傷」という言葉が使われることが多いですが、これは法律用語ではありません。「誹謗中傷」といわれる場合は、名誉毀損プライバシー権侵害、名誉感情侵害などを含むものと考えるのが良いでしょう。

 

名誉毀損

インターネット上の投稿で、開示の対象とされる代表的なものが名誉毀損です。

その投稿が名誉毀損にあたると、発信者情報の開示が認められます。名誉毀損とはどのようなものか、どういう場合に名誉毀損が成立するかは、こちらの記事で解説しています。

 

プライバシー権侵害

プライバシー権侵害も、開示の対象とされる代表的なものです。

プライバシー権侵害とはどのようなもので、どういう場合にプライバシー権侵害となるかは、こちらの記事で解説しています。

 

著作権侵害

著作権侵害も開示の対象となります。

開示請求における著作権侵害は、著作権侵害にあたることが明白なケースが多いです。

例えば、画像や動画をそのまま無断転載した場合、ほとんどのケースで著作権侵害となります。

 

一方、文章を転載する場合や、「引用」の形式になっている場合は判断が複雑になってきます。

著作権について詳しく知りたい方は、下のリンクからこのサイトの著作権に関する各記事を参考にしてください。

カテゴリー:WEBにおける著作権

 

名誉感情侵害(侮辱)

「バカ」「アホ」「クズ」など、単純な悪口のようなものについては名誉感情の侵害(侮辱)となる場合があります。

名誉感情とは、自分自身に対して持つ主観的な評価をいいます。「プライド」と言い換えてもよいでしょう。

名誉感情が侵害されたかどうかは本人の感じ方によるところが大きいですが、法律上は「社会通念上許される限度を超える」かどうかで判断されます。

「アホ」という記載が1つあるだけでは、「社会通念上許される限度を超える」と判断される可能性は低いでしょう。

しかし、「アホ」であっても何度も繰り返して書き込まれたり、「ゴキ●リみたいな顔だな」などと下品・下劣な表現が使われたときは、「社会通念上許される限度を超える」と認められる可能性が高くなります。

 

肖像権侵害

人はみな自分の顔や姿をみだりに撮影、公開されない権利を持っています。

このような権利を肖像権といい、肖像権を侵害するような投稿は開示の対象となります。

プライベートで撮られた写真や、非公開のSNS上にアップロードされた写真を転載して一般に公開することは肖像権侵害に該当する可能性が高いです。

一方、写真を公開することに本人が同意しているといえる場合には、開示の対象にはなりません。

例えば、ホームページで公開している顔写真を転載することは、基本的に肖像権侵害とはいえないでしょう。

しかし、写真の転載は著作権侵害には該当しますし、顔写真を使うことでその人のプライバシー権侵害となったり名誉毀損となるケースもあります。

したがって、インターネット上にあるからといって、他人の顔写真などを転載することは権利侵害となると考えた方がいいでしょう。


一般的な基準は以上のとおりですが、やはり個別具体的な事情によって結論は違ってきます。

ご自身のケースについて、詳しい見通しについて知りたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。

 

 

インターネットにおけるプライバシー権とは?成立の3要件を解説

インターネット上の投稿がプライバシー権侵害にあたるというのが、開示が認められる代表的なケースです。

この記事では、プライバシー権侵害とは何か、また、どのような投稿が名誉毀損となるのかについて解説しています。

 

プライバシー権侵害とは

プライバシー権侵害とは、他人のプライベートにかかわることをみだりに公表することです。

もっとも、プライベートなことを公表することがすべてプライバシー権侵害になるわけではありません。

例えば、「○○さんは毎朝コーヒーを飲んでいるらしい」ということをネットに晒されても、おそらくプライバシー権侵害にはならないでしょう。

プライバシー権侵害に対しては法的措置をとることができますから、それに見合うだけのプライベートの内容が公表がされることが必要です。

 

なお、プライバシー権侵害と似たものとして、「個人情報保護」というものがあります。

個人情報もプライバシーも重なる部分はありますが、ネットの誹謗中傷を考えるうえでは「個人情報保護」の概念はあまり使われません。

そのため、発信者情報開示請求に関しては、プライバシー権侵害を考えればよいことが多いでしょう。

 

以下では、プライバシー権侵害の要件についてみていきたいと思います。

 

プライバシー権侵害の成立要件

 

特定性(同定可能性)が認められるか

まず、どれだけ秘密の内容を公開されても、それが誰をことなのか読者がわからなければ、プライバシー権侵害は成立しません。

そのため、プライバシー権侵害が成立するためには、その投稿が「開示請求者のことを指している」といえることが必要です(このことを「特定性(ないし同定可能性)」といいます。)。

 

特定性について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

 

 

プライバシー権侵害の成立の3要件

プライバシー権侵害は、一般的には次の3つの要件がすべてそろっている場合に成立するとされています。

プライバシー権侵害が認められる三要件
  1. 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること
  2. 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められることがらであること
  3. 一般の人々に未だ知られていないことがらであること

 

ややわかりづらいと思われますが、この3つがそろっているといわれる典型例は、次のようなものがあります。

 

プライバシー権侵害が認められる記載例
  • 個人の氏名、住所、電話番号、顔写真
  • 給料・年収の額
  • 不倫している事実
  • 特定の人と交際していること、肉体関係があること
  • 病歴(特に、性病、偏見のある病気、精神疾患など)
  • 性的マイノリティであること
  • 夜のお店(いわゆるキャバクラや風俗店)で勤務している(いた)こと  など

 

なお、投稿の内容が本当のことであっても、プライバシー権侵害は成立します。

名誉毀損の場合は、内容が本当ことであれば成立する可能性が低くなります。

この違いは意識する必要があるでしょう。

 

違法性阻却事由があるか

違法性阻却事由というものがあると、例外的にプライバシー権侵害は成立しません。

プライバシー権侵害の場合、一般的には次の内容が認められれば違法性阻却事由があると考えられています。

 

プライバシー権侵害における違法性阻却事由

その事実を公表する理由が公表されない法的利益に優越する場合

 

これをどう判断するかですが、様々な要素を総合して判断するとされています。

これまでの判例で例示された考慮要素は、次のようなものです。

 

プライバシー権侵害における違法性阻却事由の考慮要素の例
  1. 公開された情報の性質や内容
  2. 情報が伝達される範囲
  3. 被害者が被る具体的な被害の程度
  4. 被害者の社会的地位
  5. 公開されたときの社会的状況や、その後の変化
  6. 情報を公開する必要性
  7. 公開された媒体の性質

 

もっとも、これが認められるのは犯罪報道や、公権力を行使する公務員(知事や議員など)の問題行為の公開などのケースに限られます。

単に大衆の興味を満たすような内容では違法性は阻却されないので注意しましょう。

 

判断に迷う場合は弁護士に相談を

プライバシー権侵害に関する一般論は以上のとおりですが、判断に迷うケースも少なくないと思います。

それぞれのケースでプライバシー権侵害が成立するかの見通しを立てるためには、やはり一度弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 

インターネットにおける名誉毀損とは?成立するケースや内容について解説

ネット上の悪口に対して、「それは名誉毀損だよ」とか、「名誉毀損で開示請求してやる」と発言している人を見ることよくがあります。

実際、発信者情報開示が認められる代表的なケースが名誉毀損です。

しかし、「名誉毀損」というものがあることは知っているけど、それがどんなものか、詳しいことは知らない方も多いと思います。

この記事では、「名誉毀損」にまつわる疑問についてQ&A形式で説明しています。

 

Q 名誉毀損とはどのようなものか

名誉毀損とは、文字通り人の名誉を傷つける行為です。

ここでいう「名誉」とは、その人の社会の人たちから受ける評価(社会的評価)を意味します。

例えば、「不倫をしている」とか「脱税している」などとネットで公開された場合、社会の人たちから受ける評価は悪くなります。

このような場合に、「名誉が傷つけられた」ということができます。

 

あくまで社会の人から受ける評価が問題となりますから、単に自分が気分を害したとか、不快な気持ちになったというだけでは名誉毀損にはなりません。

 

ちなみに、名誉が傷つけられた場合でも、それが表現の自由や公共の利益のためやむを得ないといえるときも、例外的に名誉毀損は成立しません。

「○○さんが○○罪で逮捕されました」という報道は、それ自体は○○さんの社会的な評価を下げるものです。

しかし、それが原則として名誉毀損の問題にならないのは、このような報道が公共の利益のため許されるとされているからです。

 

Q 誰のことをいっているか分からなければ名誉毀損は成立しない?

どんなにひどい誹謗中傷であっても、それが誰のことを指しているかがわからなければ、名誉毀損は成立しません。

書かれているのが誰のことか分からなければ、誰の名誉も傷つきようがないからです。

 

ただし、この「誰のことをいっているか」は、前後の文脈を含めて判断されます。

そのため、たとえその投稿自体には名前が書かれていない場合であっても、前後の文脈から「あの人のことを言っているんだろうな」ということを読者がわかる場合、名誉毀損は成立する可能性があります。

 

したがって、「実名は書いていない」「伏字になっている」「書いたのはイニシャルだけ」という理由から、安易に名誉毀損が成立しないと判断されるわけではありません。

 

この「特定性」について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

 

Q 「バカ」とか「クズ」のような単純な悪口でも名誉毀損は成立するか

「バカ」とか「クズ」のような単純な悪口だけでは、名誉毀損が成立する可能性は低いです。

 

先述のとおり、名誉毀損は社会の人たちからの評価を悪くしたときに成立するものです。

しかし、「バカ」や「クズ」といった単純な悪口は、単に「その投稿者はそのように考えているんだな」との印象を与えるに過ぎず、社会一般の人の考えに強く影響を与えるものではないと考えられているからです。

 

とはいえ、真実でない事実に基づく悪口は名誉毀損が成立します。

例えば、○○さんは不倫などしていないのに「○○さんは不倫していてバカな奴だ」という投稿は名誉毀損になる可能性が高いといえます。

 

また、単純な悪口でも、何度も執拗に投稿を繰り返したり差別的な内容であったり、口汚く罵るような表現の場合は、名誉毀損になる可能性があります。

さらに、このような投稿は、「侮辱」ないし「名誉感情侵害」という別の違法行為に該当する可能性もあるので注意が必要です。

 

なお、ネガティブな内容のレビューや感想でこの社会的評価が低下するかどうかについては、こちらの記事で解説しています。

 

Q どのような内容が「名誉を毀損する」と判断されやすいか

先述のとおり、「名誉を毀損する」というのは社会の人たちからの評価(社会的評価)が低下した場合に成立します。

社会的評価が低下したと認められやすいのは、ネガティブな「評価」ではなくネガティブ「事実」が記載されたときです。

 

具体例としては、次のようなものです。

社会的評価の低下があるとされる記載例
  • 犯罪を行っている
  • 不貞行為・不倫行為をしている
  • いわゆる「援助交際」「パパ活」をしている
  • 違法薬物を使用している
  • 腐った料理を提供している
  • 医療ミスをした
  • 残業代を支払っていない
  • 職場で女性スタッフの身体を触るなどしている
  • 職場で部下に対して暴言や暴力を繰り返している   など

 

 

Q 内容が真実であれば名誉毀損は成立しないか

名誉毀損の場合、たとえ投稿内容が真実であったとしても、それが公共の利害に関するもので、かつ、公益の目的のために投稿されたものでなければ、名誉毀損は成立します。

 

「公共の利害に関する」というのは、それが社会の正当な関心事であるという意味です。

例えば、国会議員の方がいつ誰と会食したか、という報道は社会の正当な関心事にあたる場合が多いでしょう。

一方、近所の専業主婦の方がいつ誰と飲み会に行ったか、という内容は社会の正当な関心事にあたることはほぼないと思われます。

 

公益の目的」とは、社会の利益のためにその投稿をしたということです。

たとえ、投稿内容が「公共の利害に関する」ものだとしても、それが下品な興味を引くことを目的とした投稿であれば、この「公益の目的」があるとは認められません。

 

さらに、「内容が真実であれば」という前提ですが、この「真実」というのは、「確かな証拠から真実といえる」ことが必要です。

単なる噂話はもちろん、たとえ真実であってもその証拠がない場合も「真実」とは認められませんので注意が必要です。

 

Q 「真実だと誤解していた」場合、名誉毀損は成立するか

本当は真実ではないのに投稿者が真実であると誤解していた場合でも、ほとんどのケースで名誉毀損が成立するといえます。

 

法律の世界では、真実であると誤解していたケースで名誉毀損が成立しない場合もあるとされています。

しかし、現実的にはそのようなケースはほとんどありません。

 

真実であると誤解していたケースでは、その誤解に「相当な理由」がなければいけません。

この「相当な理由」のハードルはかなり高いと考えられています。

単に「ネットで他の人も言っていた」とか「そういう噂がある」というだけでは、間違いなく名誉毀損は成立すると解釈されるでしょう。

裁判では、「確実な資料、根拠」によるものでなければ名誉毀損は成立するといわれていますので、やはり「誤解していただけ」という理屈は名誉毀損ではほとんど受け入れられないと考えて差し支えありません。

 

 

判断に迷う場合は弁護士に相談を

名誉毀損に関する一般的なQ&Aは以上のとおりですが、判断に迷うケースも少なくないと思います。

それぞれのケースで名誉毀損が成立するかの見通しを立てるためには、やはり一度弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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インターネットの自分の書きこみは削除できる?

発信者情報開示請求の増加に伴い、投稿した後になって「自分の書きこみも特定されてしまうのではないか・・」と後悔する人も増えてきました。

そこで今回は、自分の書き込みは削除できるのか、削除すれば開示請求から逃れることができるか等について解説します。

 

自分で行った投稿を削除する方法

TwitterやGoogleマップのクチコミなど、サイトに自分の投稿を削除する機能がある場合、これを利用すれば自分の投稿は削除できます。

 

問題となるのは、そのような削除機能がないパターンです。

この場合は、サイト運営者に自分の投稿を削除してほしいと依頼するしかありません。

 

しかしながら、 法律上は、削除請求ができるのは被害者に限られます

そのため、削除請求をしてみてもサイト側がそれに応じる可能性は高くはありません。

 

もっとも、サイトによっては、 弁護士が交渉することにより削除に応じてくれることもあります

この点の対応はサイトによってまちまちですので、詳しくは弁護士に相談されることをお勧めします。

 

削除したら特定はされずに済むか

これについては、開示請求側の作業がどこまで進んでいるかによります。

 

例えば、被害者の方がその投稿を見つけていない段階や、見つけていても(スクリーンショットなどの方法で)証拠化が済んでいない段階であれば、削除することで特定される可能性はかなり低くなります。

 

また、サイトによっては、投稿が削除されるとIPアドレス等も同時に削除されるものがあります。

このようなサイトの場合は、IPアドレス等が開示される前にご自身の投稿を削除することで、特定を防ぐこともできます。

 

投稿が証拠化され、 サイトからIPアドレス等が開示された後は、削除したとしても特定の手続を止めることはできません。

この場合は、投稿の内容が違法でないことを主張するか、 早期に示談に進むという選択をすることが必要になります。


一般論としては以上のとおりですが、それぞれのケースによって結論は違ってきます。

そのため「軽はずみで投稿したものの、特定されないか不安になってきた」とか「開示請求をすると脅されて困っている」という方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

 

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発信者情報開示請求について、発信者側の解説記事についてはこちらをご覧ください。

Googleマップの口コミ(レビュー)を削除する方法や申請の手順を解説!

Googleマップは、事業者にとってビジネス情報を無料で提供できる非常に便利なサービスです。

しかし、検索エンジンで店舗名や会社名を検索しただけで、評価の星の平均点や口コミが自動的に検索結果に表示されてしまいます。

Googleマップの口コミの影響力は決して小さいものではありません。

 

そして、投稿された口コミの中には誹謗中傷ともいえるものもあり、これが店舗や会社に被害を与えていることがあります。

そこで今回は、問題のある口コミ(レビュー)に対する、ウェブフォームからの削除申請の手順を解説していきたいと思います。

 

① 削除申請フォームはどこにある?

削除申請は、インターネット上で行います。

削除申請フォームの入り口は複数ありますが、基本的にはここで紹介する2つを把握しておけばよいでしょう。

 

1 Googleビジネスプロフィールから

もしあなたの店舗や会社がGoogleビジネスプロフィールを利用している場合は、Googleビジネスプロフィールから削除申請フォームにたどり着くことができます。

ログイン後に表示される管理画面の左側にメニューバーがありますので、「クチコミを読む」をクリックしましょう。

 

そうすると、店舗や会社に対して投稿されたクチコミが表示されます。

削除申請の対象になる口コミの右上部分に、・が3つ縦に並んでるところがあるので、そこをクリックすると、「レビューを報告」との文字が現れます。

 

 

これをクリックすることで、削除申請フォームに移動することができます。

なお、Googleビジネスプロフィールから申請した方が、削除が成功する確率が高いといわれています。

そのため、基本的にはここから削除申請フォームにいきましょう。

 

2 検索結果から

店舗名や会社名を検索すると、検索結果の右側にその店舗や会社の情報が表示されます。

こちらに、評価の星の平均点が表示されており、その右側に「Googleのクチコミ」とあるので、こちらをクリックします。

 

 

そうすると、口コミ一覧が表示されます。

削除申請の対象となる口コミの右上部分に、・が3つ縦に並んでるところがあるので、そこをクリックすると、「レビューを報告」との文字が現れます。

 

 

これをクリックすることで、削除申請フォームに移動することができます。

 

② 「このクチコミを報告する理由」は何を選ぶ?

7つの項目が現れますので、削除申請の理由に該当するものを選びましょう。

事実無根であったり、不当なクチコミであると考える場合は、一番下の「法的事項に関するヘルプ」を選びましょう。

※ちなみに、当事務所にラーメンの画像が投稿されたことがありました。おそらく近隣のラーメン店と間違えて投稿したものと思われます。このときは、「トピックと関係ない」から削除申請を行ったところ、無事削除されました。

 

③ 「Google 上のコンテンツを報告」では何を選ぶ?

次に表示されるのは、「Google上のコンテンツを報告」です。

このページでは「コンテンツを報告する理由を選択してください」の欄の「コンテンツを報告する法律上の理由」をクリックしましょう。

その後、下にある「その他の法的な問題」、「名誉毀損」、「リクエストを作成」と順番にクリックしましょう。

 

④ 「法律に基づく削除に関する問題を報告する」の各フォームを埋める

基本的には、各項目の指示にしたがって情報を入力していけば問題ありません

 

最も入力に困る項目は、「上記の URL のコンテンツが違法であるとお考えの理由について、可能な限り具体的な法律の条文を引用し、詳しくご説明ください。」だと思います。

 

これについては、口コミの内容によってケースバイケースとなります。

基本的には、口コミの内容が店舗や会社の社会的評価を下げるものであって、かつ、その内容が真実ではないことを説明することになると思われます。

 

文章例

この口コミには、「○○」と書かれています。このような記載は、当社が△△であるという印象を一般読者に与えるものです。そのため、このクチコミは当社の社会的評価を低下させるものといえます。

また、この口コミに記載された「○○」という事実は、真実ではありません。真実でないといえる理由は、□□だからです。

虚偽の事実を公開することによって人の社会的な評価を低下させることは、刑法230条の名誉毀損罪に該当するものです。

以上の理由から、この口コミは違法であるということができます。

 

すべての項目を埋めたうえで、下の「送信」ボタンをクリックすれば削除申請は完了です。

 

削除されるまでの時間はどれくらい?

ケースによって違いますが、2週間から1か月程度かかるという印象です。

申請に対してGoogleがどのように対応したのか、Google社から通知が来ることはありません

そのため、しばらくして口コミが削除されていれば成功ですし、1か月以上たっても削除されていない場合は、Googleは申請を拒否したと考えることになります。

 

まとめ

以上が、Googleマップの口コミについて削除申請を行う手順です。

もし文章作成に自信がないとか、一度自分でやってみたけどうまくいかなかった、という方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

 

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Googleマップのクチコミ対策について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Twitterの開示請求は難しい?開示対象や誹謗中傷について解説

Twitterをはじめ、SNSでの誹謗中傷問題が注目されてきています。

誹謗中傷問題については、開示請求で犯人を特定する動きも多く見られるようになりました。
しかし、それについての情報が氾濫しているのも事実であり、中には過度に人を不安にさせるものや、不正確な情報も少なくありません。

そこで今回は、Twitterの誹謗中傷案件の情報を整理し、みなさんが疑問に思われるところをご説明したいと思います。

 

 

疑問① Twitterの投稿で情報開示(犯人特定)ができることは本当?

Twitterの投稿について、情報開示(犯人特定)を行うことは可能です。

報道されていないだけで、実際Twitterについて特定に至るケースは相当な件数があります。

 

Twitterの誹謗中傷案件が報道されることは多くはありませんが、だからといって「Twitterでは犯人特定がものすごく難しい」というわけではありません。

 

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疑問② Twitterの情報開示(犯人特定)はどんなところが難しい?

Twitterの投稿について情報開示(犯人特定)ができるといっても、それなりの難しさはあります。

海外法人に対して開示請求をしなければならないという点でもハードルはありますが、もっとも難しい点は、Twitterの開示するIPアドレスは「投稿時」のIPアドレスではなく「ログイン時」のIPアドレスであるという点です。

 

「投稿時」のIPアドレスであれば、それに紐づいた回線契約者の氏名や住所が開示の対象となるのは当然です。まさに違法な投稿を行った際のIPアドレスだからです。

しかし、「ログイン時」のIPアドレスは、違法な投稿との関連性が必ずしも明らかでありません。違法な投稿をするためにログインされたのか、それとも他のツイートを単に見るためにログインしたのか不明だからです。

そのような議論があり、「ログイン時」のIPアドレスに紐づいた回線契約者の氏名や住所が開示の対象となるかどうか、なるとしてもどの範囲で認められるのか、解釈が分かれている状況です。
(投稿直前のログイン時IPアドレスであれば、それに紐づいた回線契約者の氏名や住所は開示が認められるけれども、それ以前のログイン時IPアドレスや、投稿後のログイン時IPアドレスでは開示が認められないという解釈がとられることが多い印象です。)

裁判官によって解釈の違いがあるために(たとえミスなく開示請求が進んでも)特定に至らない可能性があるということが、Twitterの情報開示(犯人特定)の成功率を低くしている要因となっています。

 

ちなみに、2022年10月1日から施行される改正法によりこの点の議論は進みましたが、それでも未だにこの問題が解決されたとはいえない状況です。

 

疑問③ どういうツイートが開示対象?

嘘の事実を投稿して人をおとしめるようなもの(名誉毀損)や、人が普通は知られたくないような事実を公開するようなもの(プライバシー侵害)が、開示対象となる典型的なパターンです。

その他、他人の写真(画像)を無断で転載することで著作権侵害となることもありますし、肖像権侵害となることもあります。

どのような投稿が開示請求の対象となるかについて詳しくは次の記事で解説しています。

 

疑問④ ツイートされた内容が本当のことなら開示対象にならない?

発信者側からの言い分として「本当のことをツイートしただけ」と言われることがよくあります。

この言い分を考えるにあたっては、名誉毀損のケースとプライバシー侵害のケースを分けて考える必要があります。

 

名誉毀損のケース

名誉毀損のケースでは、「本当のことをツイートした」というのは開示請求に対する有効な反論になります。

ただ、いくら本当のことであっても、いやがらせ目的などでの投稿は開示対象になることがあります。

また、法律の世界では、「本当のこと」というのは、「(証拠上)本当のこと」という意味です。

そのため、いくら「本当のこと」といっても、証拠がなければそれは「本当のこと」とは扱われませんし、逆に証拠がそろっていればいくら嘘と思っていても「本当のこと」と扱われることがあります。

名誉毀損についてはこちらの記事でも解説しています。

 

プライバシー侵害のケース

一方、プライバシー侵害のケースでは、「本当のことをツイートした」というのは有効な反論になりません。

つまり、ツイートされた内容が本当のことであっても開示対象となります。

また、逆に、本当のことでなくとも、プライベートに関することであればプライバシー侵害として開示対象になることもあります。

プライバシー権侵害については、こちらの記事でも解説しています。

 

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疑問⑤ 意見を言っただけのツイートは開示対象になる?

基本的に、批判的な意見を言っただけでは開示対象にはなりません。

批判的なものであっても、意見を言うことは表現の自由の範囲内だからです。

 

ただ、嘘の事実を前提にした意見は開示の対象になることがあります。

例えば、そもそも不倫なんてしていないのに、「不倫をするなんて最低だ」と言うような場合です。

また、意見だとしても、あまりに攻撃的なもの、口汚いものなどは、表現の自由の範囲外として、開示の対象になることがあります。

この点について詳しくは次の記事で解説しています。

 

疑問⑥ 「自分は本当のことだと思っていたんです」という言い訳は通用する?

法律上は、本当だと信じたことについて「相当の理由」があれば、許されることがあるとされています。

しかし、実際にこれで許されるケースはあまりないと考えてよいでしょう。

これまでの裁判例からすれば、かなり信頼できる根拠をもって「本当のこと」だと信じた場合でなければ、許されていないからです。

例えば、「ネットで他の人もみんな言っていた」とか、「自分は他の人の投稿をコピペしただけ」という言い訳はまず通用しないと考えて差し支えありません。

 

疑問⑦ 法律があるのにTwitterで誹謗中傷があふれているのはなぜ?

この要因はいろいろなものが考えられますが、個人的には以下の3点が大きいと考えています。

 

  1. 基本的に被害者本人がアクションを起こさないと警察も裁判所も動かない
  2. 犯人特定には裁判の手続が必要で、この裁判に対応できる弁護士が多くない
  3. Twitter社から開示されるIPアドレス等の情報が、日本の法律が想定しているものではなく、このことが原因で開示ができないことがある

 

ただし、先述のとおり③については法律改正で改善される可能性があるようです。

 

疑問⑧ ツイートした人が、開示請求がなされているとわかるのはいつ?

プロバイダに対して開示請求がなされ、そのプロバイダが発信者に意見照会を行ったときが一般的です。

ただ、Twitter社が開示請求を受けた時点で、Twitter社が該当のユーザーにメールで連絡を行うこともあるようです(この記事執筆時点)。

そのため、早ければTwitter社からのメールを確認した時点、遅くともプロバイダから意見照会が郵送された時点で、ツイートした人は開示請求がなされているとわかります。

 

疑問⑨ Twitter社に対して開示の仮処分命令が出たということは、プロバイダに対する開示請求も必ず認められる?

「Twitter社に対して開示の仮処分が出された」ということと、「プロバイダに対する開示請求が認められる」というのは完全なイコールではありません。

 

確かに、開示の仮処分命令が出たということは、裁判所が対象のツイートについて「違法である」と一度判断したということになります。

しかし、開示請求の裁判を担当する裁判官は、仮処分命令を出した裁判官とは違います。

また、開示請求の裁判で、発信者側から意見照会に対する回答として詳細な反論がなされることがあります。

このように、プロバイダへの開示裁判がなされた場面と、Twitter社への仮処分命令が出された場面では、状況は同じではありませんから同じツイートについての裁判でも、その結論が変わることは十分考えらるのです。

 

なお、Twitter社から開示されたIPアドレス等の情報では、プロバイダ側で技術的に発信者が特定できないという事態も起こることもあります。

このようなケースでも、開示が実現することはありません。

 

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疑問⑩ 誹謗中傷のツイートをした人は、逮捕されたりする?

最近、ネットの誹謗中傷問題が注目されるようになり、警察等も以前よりはネットの問題について動いてくれることも増えたようです。

しかし、それでも、誹謗中傷で情報開示された人が全員逮捕されたりするわけではありません。

個人的な印象ですが、やはり逮捕されないケースの方が多いと思われます。

犯人特定に至っても、発信者側が示談交渉をするなどの対応をしていれば、基本的には民事の問題と判断され、逮捕などには至らないケースが多いのだと思います。(警察は自身らの活動が民事の交渉材料として使われることを極端に嫌がります。

 

もっとも、このことは軽微な名誉毀損や業務妨害についていえることです。

犯罪予告や、違法薬物のやりとり、児童ポルノのアップロードなどについては、厳しい取り締まりの対象となっています。

 

疑問⑪ 犯人特定後の損害賠償請求はどのようなもの?

犯人が特定された後は基本的に示談交渉に入り、そこで損害賠償の話し合いをします。

犯人特定後の示談交渉は、Twitterの案件であっても一般的なネット誹謗中傷案件とほとんど変わりません。

 

ネット誹謗中傷案件の示談の相場については、こちらの記事で解説しています。

 

まとめ

Twitterの誹謗中傷問題で、法律実務の実際のところは、以上説明したとおりです。

ただ、もちろんケースによって結論は変わってきますので、実際の案件で弁護士が対応する場合には、上記を踏まえつつも適切な方針を検討することになります。(このあたりが各弁護士の腕の見せ所といったところでしょうか。)

 

当事務所ではTwitter社への情報開示請求について豊富な実績があります。

また、Twitterへの投稿で開示請求を受けた方の非開示に向けた対応や示談対応についても承っております。

 

「自分のケースでも開示できるのかな?」とか「自分のツイートに対して開示請求を受けてしまった」という方は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。

 

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子供のスマホトラブルを避けるための親がすべきこと|10代向けネット法律相談

最近では、「こどもがスマホのトラブルに巻き込まれた」という事件が報道されることは珍しくありません。

こういった世の中ですから、こどもにスマホを使わせることを心配する方もいらっしゃると思います。

 

しかし一方で、スマホやネットが教育にも活用されるようになり、こどもがスマホを使うことも当たり前になってきました。

 

そのため、こどもをスマホに一切触れさせない、ということも現実的ではないと思います。

 

そこで、弁護士の立場から、こどもをスマホトラブルから守るために、周りの大人ができることをお伝えしたいと思います。

 

1.スマホを使う上でのルールを、事前に決める


こどもにスマホを与えるにあたって、何の制限もなく使わせると、トラブルに巻き込まれる可能性は高くなります。

 

ただ、行き当たりばったりに制限しようとすると、当然、反発が予想されます。

また、制限されるのを避けようとして、大人に隠れてスマホを使うようになるかもしれません。

 

そこで、スマホを与える「前」に、スマホを使う際のルールを決めておきましょう。
(すでにスマホを与えている方でも、今の状況を確認し、必要であればルールをつくってもいいでしょう)

決めるべきことは、例えば次のものが考えられます。

 

1 スマホを使っていい時間帯
2 1の時間帯のうちでも、スマホを使ってはいけないとき(食事中や勉強中など)
3 課金のルール
4 やってはいけないこと
5 困ったことがあったら大人に相談すること(相談されたら怒らないことは約束してあげましょう
6 何かあったときはスマホの中身を大人が確認できるようにすること

 

条件を決める際のポイントとしては、必ず「ルールを作るプロセスに、こどもも参加させる」ということです。

大人が一方的にルールを突きつけても、こどもが納得しなければ、ルールを守らない可能性があるからです。

こどもを納得させるためには、選択肢を与えるなどして一緒に話し合い、こどもが自分で選んだと感じられるようなルールを作ることが大切です。

 

2.アプリにどんな危険があるか、大人が先に理解しておく


スマホアプリは新しいものがどんどんリリースされており、大人はそのスピードについていけないことがほとんどです。

しかし、こどもはどんどん新しいアプリを取り入れます。

大人が思いもよらない使い方をしていることも珍しくありません。

 

それでも、こどもがよく使っているアプリには、どのような危険があるか、というのは、大人が先に把握しておきましょう。

 

アプリを使うときは、その楽しい面にばかり目が行くのが普通です。

そのため、どんな危険が想定されるか、という視点を、大人の方で常に持っておく必要があります。

 

大人が「最近のアプリはよくわかんないから」とか「こどもの方が詳しいから」と言って面倒くさがることは、こどもを危険にさらすことです。

そのため、少なくとも、こどもがよく使っているアプリ(今でいえば、LINE、Instagram、Tik Tokなど)くらいには興味を持ち、そのリスクなどを確認しましょう。

 

3.クレジットカードの管理を徹底する


スマホのアプリには有料のものも多くあり、その決済方法としては、クレジットカードの利用が一般的です。

そして、スマホの金銭トラブルで一番多いのが、このクレジットカードの利用です。

こどもが大人のクレジットカードを使って何万円も課金してしまった、というケースは非常に多くあります。

 

こどもが大人のクレジットカードを使ってしまう例として、「勝手に財布から抜き取って使う」ということはすぐに考え付くと思います。

 

しかし、この想定だけでは十分ではありません。

 

注意すべきなのは、こどもが使うスマホ端末やアカウントに、大人のクレジットカード情報が残ることがあるということです。

例えば、「300円分だけ!」とこどもにせがまれて、そのくらいならいいかと思ってクレジットカードを使わせてあげたとします。

このときに、クレジットカードの情報が残ってしまうことがあるのです。

そのため、こどもが使うスマホ端末やアカウントでクレジットカードを使ったときは、その情報を削除するなど、後から使えないようにしてはじめて「管理を徹底した」といえます。

 

なお、よくある法律相談として、「こどもが勝手に使ったんだから、返金してもらえないか」というものがあります。

返金の可能性はありますが、はっきり言って簡単ではありません。

裁判が必要になるケースも多いです。

また、裁判では、使われたクレジットカードがどう管理されていたか、という点も重視されます。

 

そのため、やはりクレジットカードの管理を徹底することは、非常に大切なことといえます。

 

4.スマホについて相談しやすい環境を作っておく


スマホのトラブルは、時間が経つとどんどん解決が難しくなっていきます。

しかし、トラブルの詳しい状況は、外からは見えないものです。

 

つまり、本人から聞かない限り、詳細はわからないのです。

 

そのため、スマホを与えるときに、「スマホで困ったときには、すぐに相談してほしい」ということを伝えましょう。

 

そして、このときは必ず「相談されても絶対に怒らない」「困ったら大人も一緒に考る」という約束をしてあげましょう。

 

5.こどもが相談してきたら、否定せず最後まで話を聞く


もしスマホについてこどもから相談されたら、絶対に怒ったり否定したりせず、最後まで話を聞きましょう。

 

こどもが大人に相談するときは、よほどの勇気が必要です。

このときに大人が怒ったり否定したりすると、こどもが委縮してしまい、それ以上話せなくなってしまいます。

そして、こどもが話さなくなると、大人が助けてあげる機会を失い、どんどん悪い方に進んでいく悪循環が生まれてしまいます。

 

また、こどもが最初に伝えてきた内容がトラブルのすべてではない可能性もあります。

怒られる可能性の低いトラブルから小出しに申告することも、十分考えられるのです。

 

そういう意味で、こどもの相談については最後まで話を聞くというのが絶対に必要です。

そして、話を聞き終わったら、その場で怒るのではなく、まずはトラブル解決の方法を一緒に考えてあげましょう。

 

なお、こどもからスマホの困りごとについて、わーっと相談されると、大人も不安になったりするものです。

しかし、大人がこの不安に任せて怒ったり感情的になることは、トラブル解決にはマイナスでしかありません。

大人の方も、このことを自覚しましょう。

つまり、「こどもから相談されたときは自分も不安になるけれども、感情的にはならないようにしよう」という心構えをしておくというのが必要です。
(とはいえ、大人も動揺することもあるので、感情的になりそうなときは、「大事なことだから少し考えるね」と言って、いったん離れてクールダウンの時間を作るのもいいでしょう)

 

6.定期的に、ルールを守れているかを振り返る


定期的に(慣れるまでは週1回、少なくとも月1回)、こどもがスマホのルールを守れているかどうか一緒に振り返りましょう。

 

このとき、注意しなければいけないことは、必ず「守れている部分を褒める」ということです。

 

守れていないことに目が向きがちですが、注意ばかりしてしまうと、ルールを守ろうという気持ちが萎えてしまいます。

そのため、まずは「トラブルなくスマホを使えて偉いね」「このルールはちゃんと守れているね」ということを伝えましょう。

 

そういう意味で、「ルールはこどもを褒めるためのもの」と認識しましょう。

 

なお、守れていないルールがあるときは、そのルール設定自体に問題があるか、こどもに対処しきれない理由があることがほとんどです。

こういうときは、ルールをより具体的にするとか、もう少しハードルを下げてあげるなどの対応が必要です。

 

例えば「22時以降はスマホを使わない」というルールを、こどもがどうしても守れないとします。

その場合、なぜ守れないのか聞いてみましょう。

そして、守れない理由が、「ゲームの対戦が終わらない」だとしたら、1対戦あたり何分くらいかかるのかを確認し、例えば30分くらいだとしたら「21時30分以降は新たに対戦を始めない」というルールに組み替えるとうまくいくかもしれません。

 

このようにしていけば、こどもはルールを守るにはどうするればいいか、よりわかりやすくなります。

また、こどもがルールを守ることができるようになれば、大人も褒める機会をより増やすことができます。

さらに、こどもを褒める機会が増えれば、振り返りの時間が楽しいものになり、こどもの状況を把握しやすくなりますし、こどももスマホついて大人に相談しやすくなります。

(ただ、はじめからうまくいくことは少ないので、辛抱強く試して、自分たちに合ったスタイルを探してみてください。)

 

7.おわりに


スマホやネットの環境は変わっていくもので、こどもに対する危険もどんどん変化していきます。

周りの大人ができることは、こどもに適切な使い方を教え、また、トラブルに巻き込まれたときは助けてあげることです。

 

私たち大人も、スマホやネットの知識をときどきアップデートし、こどもをスマホトラブルから守れるようにしておきましょう。

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