Googleマップのクチコミは法的な手続きを利用すれば削除できます。
ただ、ネガティブな内容のクチコミだからといって、必ずしも削除できるとは限りません。
クチコミを削除するためには、そこに書かれたネガティブな内容が、法的に「被害者の権利を侵害している」といえなければいけません。
では、どういうクチコミが「被害者の権利を侵害している」といえるのか(どういうクチコミが削除できるのか)ですが、基本的には次のように考えます※。
・虚偽の「事実」が書かれている → 原則として削除できる
・「評価(主観的意見)」が書かれている → 原則として削除できない
このように、まずは書かれている内容が「事実」か「評価」かによって結論が大きく変わってきます。
「事実」と「評価」の区別は、法的には「証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項」が書かれているかどうかで判断されます(最判平成9年9月9日民集 51巻8号3804頁〔ロス疑惑訴訟夕刊フジ事件・上告審〕)。
このことが肯定されると「事実」、否定されると「評価」とされます。
表現が分かりづらいですが、要は「書かれていることが証拠によって客観的に証明できるか」ということを言っています。
例えば、「この会社は残業代を払わない会社だ」というクチコミの場合、社員のタイムカードや給与明細を証拠とすれば、残業代を払う会社か、そうでない会社かを客観的に証明できます。
この場合は「事実」が記載されたといえます。
一方、例えば「あんまり美味しいとは思えなかった」というクチコミの場合、どういう味が「美味しい」だと感じるかは人によって違います。
そのため、いくら証拠を用意したところで、「美味しい」ことは客観的には証明できません。
この場合は「評価」が記載されたといえます。
なお、「原則として」と書いたとおり、虚偽の「事実」が書かれていても削除できないパターンや、逆に「評価」が書かれていても削除できるパターンもあります。
これについては、それぞれ別の記事で解説しています。
※この記事では、名誉毀損のみを紹介していますが、他にもプライバシー権侵害、著作権侵害等がある場合も削除できるケースに該当します。ただ、これらの権利侵害はGoogleマップのクチコミでは発生するケースが少ないため、この記事では省略しています。
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